学級活動(1)学級会の板書を工夫しよう
学級会で自発的、自治的な取組ができる子供を育てていきましょう。 ここでは、学級会の板書の工夫について紹介します。
執筆/福岡県公立小学校教諭・有得辰俊
目次
板書を視覚的に工夫しよう
板書を視覚的に工夫することで、出し合った意見から、折り合いをつけやすくなったり、合意形成が図りやすくなったりします。
折り紙に賛成です。理由は、よいところをたくさん書けるので、めあての③に当てはまると思います。
私は、折り紙に反対です。理由は、得意な人と苦手な人がいるので、めあての①に当てはまらないと思います。
黒板を見てください。黒板を見ると、メダルはめあての①②③に当てはまるので、メダルに決めてもいいですか。
ポイント1 学級会セットの活用
この記事で紹介した「黒板に貼る物」を使って、黒板をつくるようにします。
よいところ
- 学級会の板書の基本がわかります。
- 学級会の準備がスムーズになります。
- どのクラスも学級会を同じように進めることができます。
原案を書く画用紙の色を変えると、他のものとの違いがわかりやすくなり効果的です。
ポイント2 意見の内容で分類
原案、賛成意見、反対意見を分けて貼るようにします。
よいところ
- 意見が整理され、それぞれの理由を比べやすくなります。
- 合意形成までの思考の流れがわかります。
ポイント3 話型の掲示
賛成意見、反対意見、折り合いのつけ方や比べ方など、意見を言うときの話型を掲示します。
話型の例
話型を貼っておくと、子供たちが考えたことを言語化することができます。意見を言うことに慣れるまで掲示します。
ポイント4 意見を短冊に
学級会セットでつくった短冊に子供たちが発表した意見を書いて、黒板に貼るようにします。
よいところ
- 学級会の進行が速くなります。
ポイント5 めあての番号カード
学級会セットでつくった話合いのめあての番号カードを短冊に貼るようにします。
よいところ
- 話合いのめあての何番が当てはまっているかが一目で伝わります。
あらかじめ予想した意見を計画委員会で書き出しておくことや、発言した子供が短冊に書いて黒板記録に渡す方法もあります。
ポイント6 名札の活用
賛成意見や同じような考えについて、短冊の下に発言者の名札を貼っていきます。
よいところ
- 名札の量を見ることで、その意見を誰が指示しているのかがわかります。
ポイント7 合意形成の明確化
決まったことには、「決」マークをつけます。選ばれなかった意見を黒板消しで消去してはいけません。
他の掲示物
- 話合いの段階(出し合う→比べ合う→まとめる)
- 時間の目安
多くの意見が予想されるときは、板書スペースを多くつくるために、議題、提案理由、話合いのめあてなどを模造紙に書き、黒板の右側に掲示しましょう。
イラスト/横井智美
『教育技術 小五小六』2020年7/8月号より