学級活動(3)「授業の予習・復習」活動のポイント

学級活動(3)は、将来の生き方に関する課題解決の方法を意思決定して実践する主体的な態度を育てる時間です。内容のア「自己実現」に向けた内容と、イ「社会参画と働くことの意義の理解」に向けた内容、そして、ウ「主体的な学習態度」に向けた内容があります。ここでは、ウの内容「主体的な学習態度」の形成に関する題材を紹介します。

日々の授業への主体的な参加を促し、学習効果を高めるためには、授業の予習、復習に取り組むことが大切です。そこで、自分自身の家庭学習の取り組み方を振り返り、これからの取組を考える授業を構想しました。

執筆/福岡県公立小学校教諭・中村雅司

学級活動(3)題材名 授業の予習・復習
イラストAC

本題材でめざす資質・能力

知識及び技能

家庭学習の意味を知り、積極的に取り組んでいくことの大切さを理解すること。

思考力・判断力・表現力

自分に合った学習方法を選ぶこと。

学びに向かう力・人間性等

家庭学習に主体的に臨む態度を育てること。自分の授業への臨み方を振り返り、家庭学習(予習、復習)の仕方を考えさせます。どのような内容をどのようにして実施するのか決めます。実践した後、振り返りを行い、今後の取組を考えさせます。

本題材における板書(例)

板書

事前の調査

  • 子供の授業への取組をチェックする。
  • 子供の家庭学習の状況を確認する。

特に、自主学習などの取組に関しては、内容と方法、頻度について子供ごとに分析し、実態を知っておくことが大切です。

本時

本時の流れ

①つかむ(課題の把握)

題材を自分事として捉え、将来と今のつながりや学習する意義について課題をつかみます。

まず、宿題や家庭学習の意味について話し合い、その目的を考えさせます。授業で習ったことを忘れないように宿題に取り組むことや、授業がもっとわかるように先に家で教科書を読んでおくことなどに気づかせるようにします。効果的な家庭学習の仕方を考える意欲を持たせ、本時のめあてにつなげます。

②さぐる(可能性への気づき、原因の追求)

これまでの自分を振り返り、「なりたい自分」について自分の願いを持ち、よさや可能性を探ります。

家庭学習の仕方を紹介し、他の子供のやり方を知り、自分に合った方法を考えさせます。苦手な教科を補ったり、得意な教科を伸ばしたりするために家庭学習に取り組むという意識を持たせます。

目的意識をしっかりと持って、家庭学習に取り組むことを意識させましょう。何のために家庭学習に取り組むのか、自分の目的をはっきりさせることが大切です。

③見つける(解決方法等の話合い)

みんなで「なりたい自分」を追求するためにできることなどを出し合って見つけます。

家庭学習の仕方を話し合い、伸ばしたいところや補いたいところを考えて、取組を話し合います。

  • 教科書を見ながら、計算ドリルをする。
  • 授業の前に教科書を読んで、大切なところをノートにまとめる。
  • テストのやり直しをする。
  • 前学年のドリルを復習する。

このような具体的なやり方を紹介し、目的に合わせた取組を紹介します。

④決める(個人目標の意思決定)

なりたい自分になるために、自分に合った具体的な個人目標(内容や方法など)を決め、実行への強い決意を持ちます。

家庭学習の振り返りの時間を、帰りの会等に設定し、学級で振り返る時間と個人で振り返る時間を設けることで、計画の見直しや取組の改善が進みます。学級の実態に合わせて設定しましょう。

事後の活動

6年生A児の学習プリントと振り返りシート

6年A児の学習プリント
6年A児の振り返りシート

これは、6年生で実践したときの学習プリントと振り返りシートです。この子供は学力を上げるという目標を設定し、社会科の見直しに取り組んでいます。冬休みの実施期間を終え、復習の効果を実感し、予習へ取り組む意欲を持っています。次の課題へと発展している姿です。

このように継続的に自己の課題を解決していくためには、振り返りの充実が重要です。ぜひ振り返りの時間の設定をしましょう。

『教育技術 小五小六』2020年7/8月号より

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