小学校中学年の夏休みの過ごし方3つのポイント
心を充実させる夏休みにするために! 三年生・四年生の夏休みの過ごし方のポイントを紹介します。
執筆/東京都公立小学校主任教諭・佐藤理津子
目次
夏休み前の学級指導と課題の工夫が重要!
夏休みのような長期の休みになると、子供たちは夜更かしをして朝寝坊してしまったり、学習を後回しにして遊んでしまったりするなど、生活リズムが崩れることがあります。
夏休みを有意義に過ごし、二学期につなげ、さらにパワーアップさせるためには、子供たちが夏休みをどのように過ごすのかが重要な鍵となります。
子供たちが楽しみにしている夏休みが充実したものとなるよう、夏休み前の学級指導と課題の工夫はしっかりと行いましょう。学期末は慌ただしくなるため、あらかじめ指導することを学年で確認しておくとよいでしょう。
①めあてを決める
②計画を立てる
③夏休みの課題
ポイント1 夏休みのめあてを決める
「まだ1か月もある」と思い、目的もなく、だらだらと過ごしていると、あっという間に二学期がやってきます。子供たちの夏休みが、そんなことにならないように、夏休みの学習と生活のめあてを考えさせましょう。
△ 「早寝早起きをする」
○ 「9時に寝て、6時に起きる」など、具体的に考えさせると、子供たち自身が“自分ができたかどうか” の自己評価がしやすくなります。
ポイント2 夏休みの計画を立てる
子供たちが自分で決めためあてを達成できるよう、夏休みの計画を立て、学習の見通しをもたせることが大切です。家族旅行や習い事の予定など、決まっていることを事前に記入させておくと、学習の予定が立てやすくなります。
- 計画を立てるときまでに分かっている予定を書き込ませます。予定が変わったら、その都度書き変えてよいことを指導しましょう。
- 学習の予定を立てる際は、保護者にも協力してもらうとよいでしょう。
- めあてや予定について、一日のふり返りを自己評価させます。
ポイント3 夏休みの課題
漢字や計算など、一学期の復習に当たる課題も大切ですが、子供たちがわくわくして、自分から取り組みたくなるような課題を出してみるのもよいでしょう。夏休み明け、子供たちがどんなふうに課題に取り組んだのかを見たり、聞いたりすることはとても楽しいものです。
チャレンジ20
- ★印は全員が必ず取り組む課題です。それ以外はチャレンジできるものに取り組みます。
- 地域の様子や子供たちの実態に合わせてチャレンジの内容を工夫します。
(例)
・家族と思い出づくり
・ふだんとは違う生活
・夏ならでは…
・長期休みだからこそ… - 保護者の方々に協力していただかないとできない内容もあります。夏休み前の保護者会でチャレンジ20の説明、そして協力のお願いをします。
- ふり返りは、チャレンジ20を通して成長したことや家族との思い出から感じたことなどについてまとめられるとよいことを事前に指導します。
チャレンジ20についてのくわしい説明
- 子供たちや保護者に、やり方やポイントを説明するために、プリントにまとめて配付すると分かりやすくなります。
- チャレンジ20にただ取り組むのではなく、取り組んだ過程や感想などをミニアルバムや新聞、チャレンジノートにまとめさせ、提出させます。ミニアルバムや新聞の用紙、画用紙などは必要に応じて、配付します。
- 専科の先生とも協力して、内容を考えるのもよいでしょう。
イラスト/山本郁子
『教育技術 小三小四』2020年7/8月号より