ページの本文です

小3道徳「日曜日の公園で」指導アイデア

執筆/北海道公立小学校教諭・村上裕基
監修/北海道公立小学校校長・荒井亮子、文部科学省教科調査官・浅見哲也

授業を展開するにあたり

使用教材:日曜日の公園で(光村図書)

三年生の児童は、活動範囲が広がることで、友達関係が広がり、集団との関わりも増えていきます。正しいことやそうでないことの判断力も少しずつ高まり、よいと考えたことを信じて行動する姿も見られるようになります。

一方で、自分の考えをうまく伝えられなかったり、相手の考えを聞いてあげられなかったりして、けんかになることもあります。今回の授業では、伝えることと傾聴することのうち、とくに傾聴することの大切さやよさ、難しさについて考えを深められるようにしました。

小3道徳「日曜日の公園で」指導アイデアのイメージ画像
写真AC

1.教材について

「日曜日の公園で」(光村図書)では、「ぼく」と「タク」が何をして遊ぶのかについて考えが対立し、けんかになってしまいます。日曜日に遊ぶ約束をしたという点から、普段は仲のよい友達であり、本当は楽しく遊びたいという共通の思いをもっていることが感じられます。

多くの児童に似た経験があり、登場人物の心情に寄り添ったり、自分のことに置き換えて考えたりしやすい教材だと考えました。

2.考えさせたいポイントを明確にする

この教材では、「相互理解、寛容」について学習します。『小学校学習指導要領 特別の教科 道徳解説編』では、「望ましい人間関係を構築するためには、自分の考えや意見を相手に伝えるとともに、自分と異なる意見について、その背景にあるものは何かを考え、傾聴することができるようにすることが必要になる。」とあり、伝えることと傾聴することの二つに大きく分けられると捉えました。

また、教科書『どうとく3』(光村図書)には、「相互理解、寛容」を扱う教材として「水やり係」という教材もあります。「水やり係」では伝えることを、「日曜日の公園で」では傾聴することを中心にして年間の授業を計画しました。児童の実態や教材の特性を踏まえ、児童に考えさせたいポイントを教師が明確にもつことが大切です。

3.対話から自分の考えを明らかにする

この授業では、ペアでの役割演技をしました。「タク」の台詞を指定し、それに応える「ぼく」の台詞を考えて発言する活動です。活動を通して、傾聴してもらえると、どんな気持ちになるのかを疑似体験させることができます。

また、役割演技の後には、なぜその台詞を考えたのか、相手に何を伝えたかったのかを問うことが大切です。自分がどんな考えをもっているのかを明らかにし、想像力をもって判断する力を高めることができます。

▼授業づくりノート(教師)

授業づくりノート(教師)
授業前にこのような内容をノートにまとめ、授業づくりをしている。

▼役割演技での提示内容(大型提示機)

役割演技での提示内容(大型提示機)

▼本授業のワークシート(中学年)

本授業のワークシート(中学年)
①教材のタイトル
②中心発問に対する記述(高学年はさらに空欄を活用する場合もある)
③ふり返り

ワークシートのPDFはこちらよりダウンロードできます

実際の授業展開

教材名
「日曜日の公園で」相手の意見も大切に

指導目標
「ぼく」と「タク」とのけんかについて考えることを通して、自分と異なる意見を大切にしようとする実践意欲と態度を育てる。

内容項目
B 相互理解、寛容

準備するもの
・ワークシート(児童配付用)
・大型提示機用のスライド(導入・役割演技)
・場面絵①②(板書用)

ワークシートのPDFはこちらよりダウンロードできます

指導の概略(板書計画例)

学校の先生に役立つ情報を毎日配信中!

クリックして最新記事をチェック!

人気記事ランキング

授業改善の記事一覧

フッターです。