異年齢集団を生かした歓迎集会遠足
子供たちは、また1つ学年が上がったことを喜んでいることと思います。そんな子供たちにとって今年度はじめての行事が歓迎集会、遠足です。高学年としての意識を高めるために異年齢集団を生かした活動を計画してみましょう。
執筆/福岡県公立小学校教諭・桑野美咲
目次
目標設定・活動計画の立案を行いましょう
まずは、歓迎集会・遠足のめあてを伝え、どんな歓迎集会・遠足にしたいのか、そのためにどんなことをするのかを考えさせましょう。
そして、自分で考えた目標から、どのような活動をするかについて細かく考えさせます。時間と活動内容を考えさせておくことで、事前の準備が明らかになります。
歓迎集会
新しい学年になり、子供たちは期待と不安を抱えて過ごしている時期です。そのような子供たちが、友達関係をつくったり深めたりするきっかけになる活動を仕組みましょう。
みんなで楽しめる活動を企画しましょう
学校クイズ
ポイント
簡単なクイズだけでなく、2年生以上も楽しめる先生クイズも出すと盛り上がります。
効果
1年生が集会後に学校を調べたり友達や先生と関わったりするきっかけになります。
猛獣狩りゲーム
遊び方
「猛獣狩りに行こうよ」と、リズムに合わせて歌います。最後に動物の名前を言い、その動物の文字数の人数でグループをつくります(ライオンなら4文字→4人)。
ポイント
グループをつくらせるときに、必ず1年生を入れる、ペア学年の友達を入れるなどの条件をつけます。
効果
条件をつけることで、異年齢の友達とも関わることができます。
1年生が主役になれる出し物を!
歓迎集会は、1年生の子供たちがはじめて全校の子供たちと対面する場です。1年生がたくさんの友達に迎えてもらったと感じることができる出し物を企画しましょう。
6年生からインタビュー
自分1人では全校の前で発表することが難しい1年生でも、6年生のフォローによって発表しやすくなり、自信を持たせることにつながります。
「お名前は何ですか」「好きな〇〇は何ですか」のように簡単なインタビューをすることで、1年生の自己紹介になります。事前に、好きなものをインタビューしておくことで関わりを増やすことができます。
歓迎遠足
縦割り活動のグループやペア学年の友達と一緒に活動させることで、高学年としての意識が高まります。
事前準備
グループごとに、集合するときに使うプラカードをつくらせます。入学したばかりの1年生にもわかりやすくするために、グループの色や名前、イラストを描くとよいでしょう。
また、グループごとに工夫して名札をつくらせることもできます。グループの子供たち一人一人の名前を、大きくひらがなで書かせます。
つくっておいた名札は、当日子供たちの手で低学年の子供たちにつけさせると、コミュニケーションのきっかけとなります。
これらは、年間を通して使うことができます。
ここがポイント!
事前の打ち合わせ
どの活動を行うに当たっても、学年はもちろん、ペア学年等、他学年の先生との打ち合わせを行いましょう。
振り返り
事前に立てた目標にどれだけ近づけたのか、準備から当日までを一連の活動として振り返らせます。
振り返りの視点例
- 1年生のお世話で頑張ったこと
- 友達のがんばっていたところ
- これから1年間、高学年として頑張りたいこと
振り返ったことをまとめ、キャリアパスポートとして保存することができます。
イラスト/北澤良枝
『教育技術 小五小六』2020年4/5月号より