一年生と二年生の交流を上手に促すポイント
学校探検などの学習交流とともに、二年生が計画した簡単な集会活動を行って、子供たちの自己有用感を育てましょう。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・塚本裕美
目次
自己有用感を育てる活動に
二年生にとっては、小学校でのはじめての進級です。子供たちは、お兄さん・お姉さんになった喜びをもって新年度をスタートしたことでしょう。この時期に一年生と交流することは、自分たちの成長を具体的に感じることができるよい機会となります。
学校探検などの学習交流とともに、二年生が計画した簡単な集会活動を行って、子供たちの自己有用感を育てたいものです。
自分たちの経験を基に話し合う
一年生との交流を考えるときに、まず自分たちの体験を思い出させるような投げかけをしてみましょう。
「一緒に学校クイズをして楽しかったよ」「二年生に校歌を教えてもらってうれしかった」などという声がどんどん出てくると思います。
そのような経験から、今度は自分たちがどんなことを一年生にしてあげられるのかを考えるようになります。
「できた」と感じられる活動にする
一年生との集会でどんなことをするかが決まったら、自分たちもワクワクした気持ちで準備ができるように支援しましょう。
例えば、一人ひとりに役割をつくることも方法の一つです。自分の役割がはっきりしていることで活動に取り組みやすくなります。自分の思いを生かしながら役割を果たしていくことで、「できた」と感じることができ、自信をもつことにつながります。
※招待状は一人ひとりがペアの子あてに書く。
〈集会の役割例〉
•ゲーム係
•歌係
•司会係
•かざり係
•はじめの言葉係
•おわりの言葉係
一年生は二年生に気持ちを伝えよう
二年生がつくった活動に一年生は参加するだけではなく、楽しかった気持ちやありがとうの気持ちを伝える機会を教師が意図的に設けましょう。集会のなかで感想を伝える、お礼に歌を歌う、後日折り紙で作ったメダルを届けるなど、最初は教師がアイデアを出してもよいでしょう。
また、一年生も幼稚園や保育園での経験があります。「二年生にどうやってありがとうの気持ちを伝えたいですか」と問えば、「何かプレゼントしたい」などという声が出てくるはずです。
二年生は、一年生からのリアクションに「自分たちで集会ができた」と達成感とともに、「一年生が喜んでくれてうれしい」という相手意識ももつことができます。
特別な活動から日常への活動へ
集会活動だけでなく、生活科や他の教科などで、年間を通してペア同士で関われるようにしていくと、「一年生」から「〇〇さん」と呼べる関係に育っていきます。
一つの活動で終わらず継続していけるように、教師間の連携もしっかりととっていきたいものです。
イラスト/佐藤雅枝
『教育技術 小一小二』2020年4/5月号より