小学校中学年の学級会、基本3ステップと指導ポイント

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中学年では、学級会で決定したことをもとに、役割を分担し、全員が協力して目標の実現を目指します。実りある学級会にするための基本を、3ステップで解説します。

執筆/東京都公立小学校主任教諭・東 奈奈子

やってみよう! みんなでつくる学級会

学級会は思いや願いをみんなでかなえる場

学級会は、

みんながもっと仲よく
もっと楽しいクラスにするために
みんなで やりたいことを
みんなで 話し合って
みんなで 決めて
みんなで やる時間

です。

中学年では、「協力し合って楽しい学校生活をつくる」ことが目標となっており、学級会で決定したことをもとに、役割を分担し、全員が協力して目標の実現を目指します。

では、さっそく「初めての学級会 基本の3ステップ」で始めてみましょう。

ステップ1 思いや願いから議題を決めよう

学級会で一番大切なのは、「議題」(みんなで話し合うこと)です。出された議題の選び方は、いろいろありますが、はじめのうちは先生が中心となって決めます。

【議題例】

☆みんなでやってみたいこと
•○○集会をしよう
•学級オリンピックをしよう

☆みんなで解決したいこと
•休み時間に仲よく遊ぼう(困っていること)
•学級の係を決めよう

☆みんなでつくってみたいこと
•学級のマークをつくろう
•学級の歌をつくろう

慣れてきたら子供たちで決められるようにしていくとよいでしょう。児童のやる気の出る「議題」を選べば、話合いが盛り上がります。

ステップ2 司会グループと打ち合わせをしよう

司会グループとは、次回の学級会に向けて、事前の準備や学級会の進行、記録を担当するメンバーが中心の組織です。議題によっては、提案者も入ります。司会グループの仕事は、グループごとに交代して輪番で行い、学級の全員が体験できるようにすることが大切です。

【司会グループの打ち合わせの手順】

①役割を決める。
 司会、副司会、黒板記録、ノート記録など
②議題を決める。
③提案理由をつくる。
※ この議題で話し合うと「クラスがどんなふうによくなるか」(提案理由)を話し合う。なぜ、この議題を話し合うのかをはっきりさせることで、みんなで実践しようとする原動力になる。
④話合いの進め方の確認をする。
 話し合う内容(柱)を決める。
⑤話し合った内容を全員に知らせる。

ステップ3 学級会をやってみよう

場の工夫

机や椅子の形を変え、互いの顔が見えて発言しやすい場づくりを心がけましょう。

場の工夫 円形
場の工夫 コの字型

時と場に応じて、机を取り除くこともできます。

司会グループを※の位置にすると、
①司会がふり向かずに黒板が見える。
②先生から司会グループへのアドバイスをみんなが聞ける。
というよさもあります。

学級会グッズ〜基本はこの3つ〜

①学級会カード
議題や話し合う内容(柱)を書いたカードを学級会が行われる前に配っておけば、みんなが自分の考えをもちやすくなります。
②司会台本
初めて司会をする子でも、台本を使えば司会ができます。
③学級会記録ノート
話し合った内容を記録しておくノートです。

事前の準備ができたら、いよいよ学級会の始まりです。司会台本を活用し、学級会を進めましょう。基本の「学級会の流れ」を押さえつつ、自分たちのクラスらしさを目指しましょう。

学級会の流れ

学級会の流れ

先生の指導ポイントはこの2つ!

①笑顔
初めての学級会は、緊張するものです。自分の考えを言える雰囲気をつくる第一歩は、話合いを見守る先生の笑顔です。

②具体的にほめる
たとえ話合いが計画通りに進まなくても、最後の「先生の話」では、がんばったところ(司会グループ、よい意見を言った子、あまり意見を言わない子が発表したことなど)を認め、大いにほめましょう。次への意欲が、着実に高まります。

イラスト/山本郁子

『教育技術 小三小四』2020年4/5月号より

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