小6外国語:主体的な学びを促す支援のポイント
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外国語学習において、主体的な学びを促す支援のポイントとは? 小学校外国語科検定教科書の編集委員でもある神奈川県公立小学校の長沼久美子先生による好評連載です。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・長沼久美子

目次
Q1 将来の夢や中学校でがんばりたいことなどを伝えるアクティビティでは、どのように活動する姿を主体的と評価すればよいでしょうか。
(光村図書『Here We Go!6』P.109)
A.何を伝えるか選んだり、どの順番で伝えるかを考えたりする姿がポイントです。単に定型文を読み上げるのではなく、相手にわかりやすく伝えようと工夫して取り組んでいる姿をみていきましょう。
主体的な学びの評価の側面として、粘り強く取り組む姿勢と、自分で自分がどのくらいわかっているのかを考えながら進める姿勢とがあります。「やる気の現れ」として、粘り強さに加えて、自分でメタ認知しながら学習を進めることが求められるのです。
例えば、将来の夢や中学校でがんばりたいことなどを伝える場面では、
I want to be a ○○
と丸暗記してすらすらとセリフのように伝えられるよりも、多少言葉が止まっていても、言いたいことを最も適切な表現で言うために、
「なりたい」は、I want to be a ○○だった。得意だから理由を付けたそう。I canを使うんだ
といったように、丁寧に言葉を選んでいる姿の方が主体的と評価できます。
また、相手に伝わっているのか気を配りながら取り組む姿も、主体的な学びとして評価できます。言い直してみたり、ゆっくり伝えてみたりする姿は、伝えるための工夫について思考・判断しながら取り組んでいるからです。
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Q2 友達にインタビューをして分かったことを書くアクティビティで、主体的に学ぶ姿を引き出すポイントは?
(東京書籍『New Horizon Elementary6』P.74)
A.設定された状況に対して、どのような英語表現が使われそうか、何を聞き取ることが必要なのかを考えるように促しましょう。
聞いたことを記録する活動においても、見通しをもって取り組むことが重要です。学習の目標として、何を聞くのかをはっきりさせましょう。
テキストには、「楽しみたい学校行事」「得意なこと」と書いてあります。そのことに関わるスピーチをするという見通しをもちながら、既習事項をもとにして使用される英語の単語や内容を想像しているなどの姿から、主体的な学びを見ていきます。
また、何も考えずになんとなく聞くのではなく、「考えながら聞く」という姿勢も、主体的な学びの姿と言えます。メモを取ったり、もう一度聞きたいと要求したり、友達と聞いたことを共有したりする姿です。
何を伝えたかったのかな?
考えながら聞いているかな?
と声をかけて、主体的に学ぶ姿を引き出していきましょう。
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