【ブックレビュー】『何が変わるの?教科等の要点が簡潔にわかる!新学習指導要領ここがポイント』
2017年3月に告示された新学習指導要領。『教育技術』各誌でも何度となく取りあげられ解説されている新学習指導要領ですが、解説を隅から隅まで読んだとしても、心にストンと落ちない部分は山のようにあるかもしれませんね。ポイントを教科調査官にズバリと聞いたインタビュー集『新学習指導要領ここがポイント』で、学習指導要領の理解に1歩2歩と近づきたいものですね。
目次
新学習指導要領の全体構造をつかめる
今回の学習指導要領改訂は、明治維新以来の大改革(!)といわれるそうです。すべての教科等で目標や内容が、「知識及び技能」「思考力,判断力,表現力等」「学びに向かう力,人間性等」の3つの柱で統一整理され、「資質・能力」中心の考え方に大きく転換が図られました。先生方にも発想の転換が求められています。でも、そう言われても、これまでと何がどのように変わるのか、どう授業を変えていけばいいのか…、正直曖昧な先生も多いかと思います。
そこで、前・文科省視学官の田村学先生(國學院大學教授)が、学校の先生方がいま優先すべきことを、
①学習指導要領の改訂の背景や理念の理解
②「主体的・対話的で深い学び」の実現を目指した授業改善を行うこと
③新学習指導要領を踏まえたカリキュラム・マネジメントを行うこと
の3方向からポイント解説してくださいます。学習指導要領改訂を前に、どう授業改善に取り組んでいったらいいか悩んでいた頭の中が、整理できるのではないでしょうか。
対談形式なので、読みやすい!
13教科等それぞれ、文部科学省教科調査官と現役教師をはじめとする聞き手による対談となっているので、難しい雰囲気になりすぎず、読み進めやすくなっています(総合的な学習の時間と国語は除く)。
各教科等によって、新設された項目がある科目もあれば、大きく変化した部分はないものの、資質・能力の3つの柱で整理されて捉え直されたものもありますが、それぞれの教科等の調査官が、本質的な部分まで深く細かく解説してくださいます。
「ちょっと言い回しが変わっただけじゃ…? 何が変わったというの?」などと、この文を書いている私などは浅はかにも思ってしまうものでしたが、この本を読んで、「なるほど…。こんな思いが込められているのか。すごいな」と納得しきりでした。同じように感じる先生方も多いのではないでしょうか(いっしょにするな)。
また、移行期間中の指導のポイントなども具体的に説明されていたりするので、今すぐ役立てることができると思います。
特別活動実践フォーラムのレポートも
3月に行われた、特別活動についての実践フォーラムの模様がレポートされています。質疑応答では、「学級活動の時間が不足するのですがどうしたらいいでしょうか?」といった質問に回答されているので、参考にできるでしょう。
レビュー/編集部
『何が変わるの?教科等の要点が簡潔にわかる!新学習指導要領ここがポイント』
編/小学館「教育技術」
定価 本体1400円+税 発売日 2019年3月18日 発行 小学館
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