業務改善アイデアをベテラン教師が紹介

特集
小学校教員の「学校における働き方改革」特集!

コロナ禍による多忙化のうえに、三学期は年度末ならではの業務も山積み。ベテランの先生方は、どのように効率よく対処しているのでしょうか。「仕事の知恵」を多数取材しました。

「業務改善」私のアイデア

宿題

フォーマットを決める

(東京未来大学非常勤講師、元栃木県公立小学校教諭・山中伸之)

宿題のフォーマットを決め、いつも同じにし、内容は子供が考えます。毎日、宿題に何を出すのかを考えなくてすむ工夫です。

宿題のフォーマット(例)

  • 大学ノートを使い、毎日見開き(2ページ分)が宿題。
    子供によっては4ページ、6ページとやってくるが、必ず偶数にする。
  • 罫線の場所や長さは変更可。
  • 漢字の練習、計算の練習は毎日、授業の復習も毎日。
  • 自分で関心のあることを自由に書けるスペースもつくる。
  • 名前を書かせておくと効率的。
  • 教室で1、2回練習する。
  • 軌道に乗るまでは個別指導が必要になる。
宿題のフォーマット(例)

掲示物 

安全かつ効率的な掲示システム

(埼玉県公立小学校教諭・栗原龍太)

書写作品は、台紙の色画用紙(藍色)に清書を貼り、教室後方、棚の上に掲示している学級が多いかと思いますが、この掲示(下の写真参照)はその上に2回目、3回目と重ねていきます。毎回、棚の上を行ったり来たりして、作品を掲示する手間をなくし、一発で掲示できます。

書写作品掲示

①壁にフックを付ける。
②丸材の棒に画用紙をつるしておく。

書写作品掲示

③清書の時間になったら、フックからはずし、床に並べておく。

書写作品掲示

④清書が終わった子供から各自、作品をのりで貼る。

書写作品掲示

⑤全員分そろったら、棒を壁のフックにかける。

子供たちに任せる

(埼玉県公立小学校教諭・大橋和浩)

学級の掲示物は、1班は係の表、2班は委員会の表、3班は学校便りの掲示台紙…など、分担して子供に任せます。見栄えはともかく、学級じまいの際、「持ち帰りたい」と希望する子が出るほど愛着のあるものになるなど、「自分たちでつくった学級」を感じます。担任は、紙やマジックなどを用意するだけです。

提出物と配付物

システムをつくる

(埼玉県公立小学校教諭・大橋和浩)

教師はほぼノータッチで、子供が集めたり、配ったりする方法を紹介します。

配付物を配る方法(テスト返却などは除く)

  1. 職員室からの配付物棚係が教室まで運搬。
  2. 「配付してください」のカゴに入れる。
  3. 配付係が配付する。
配付物を配る方法

テストなどを集める方法 その1(集金などは除く)

  1. 出席番号1~5番の子供は、1番の子供の所に集める。
  2. 1番の子供は順番に整理しながら、5人分まとめる。
  3. 5人分まとまったら、教師に提出する。
  4. 出席番号6番以降についても同じ。

※「集め係」などが全部を集約してから担任へ提出するのでもよい。

テストなどを集める方法 その2

  1. 100円ショップなどの提出用カゴを1~5番などの番号ごとに用意する。
  2. 子供は自分の番号のカゴに、順番になるように提出する。
  3. 全員提出したら教師がカゴから回収する(すでに番号順になっている)。

テストの丸付け

部分丸付けで高速採点

(埼玉県公立小学校・戸田 克)

テストの丸付けは、1枚ずつではなく、部分で行います。部分の範囲の答えだけを覚えればよいので、高速で採点できます。

準備するもの クリップ(目玉クリップ)

  1. 答案用紙をそろえ、指でめくりやすいように少しずらして、クリップで止める。
  2. 一番上の答案をすべて採点する。
  3. 答案をいくつかの部分に分ける。
  4. ペンを持たないほうの手で1枚ずつめくりながら、部分ごとに丸を付けていく。
部分丸付けで高速採点

通知表・要録などの所見

写真や動画で撮る

(埼玉県公立小学校・戸田 克)

図画工作の作品をデジカメで撮っておくと、評価が楽。撮影するときは作品表(児童名・作品名・工夫点)なども入れておきます。完成品だけでなく、作業中も適宜撮っておくと便利です。上手であることを撮るのではなく、単元(題材)の課題に迫る活動を写しておきます。また、跳び箱やマット運動などの体育実技はビデオに録っておきます。技ができる、できないはその場で判断するが、課題にどれだけ迫れていたかは判定しづらいこともあります。そこで、ビデオ(デジカメのビデオモードで十分)で撮影しておくとふり返ることができます。

写真や動画で撮る

一人ずつファイルを作成

(埼玉県公立小学校教諭・大橋和浩)

年度はじめからファイルを作成すると、学期末に一人ひとり頭を悩ませて所見をつくるより、はるかに楽にできます。

  1. 年度はじめに、個人用カルテのファイル(エクセル、ワード、一太郎など)を作成する。一人分を1シートとして人数分のシートを作る。個人ファイル内で、道徳、総合など別の所見の記入欄を設けてもよい。
  2. 週に2~3日ほど「子供のよいとこみっけ日」を設定する。例えばこの週の月曜日は1班、火曜日は2班…というように集中して子供を観察する日をつくる。
  3. 何かしらよいところ(授業中、休み時間など)が見付かるので、作成した子供のシートにメモのつもりで入力する。
  4. 学期末・学年末に「所見」としてまとめる。
一人ずつファイルを作成

事務系業務

チェックリストで仕事漏れゼロ

(東京都公立小学校主任教諭・松村英治)

年度末や学期末(はじめもそうですが)はやるべき仕事が毎年ほぼ同じなので、チェックリストをマイナーチェンジしながら使っています。見通しももて、仕事の漏れもなくなります。

チェックリスト

書類はそのままファイリング

(埼玉県公立小学校主幹教諭・藤井隆光)

校内で配付された書類は縮小化して、A4オリジナルノートに添付。書類をなくすこともなく、探す手間も要らないので、とても便利です。

書類はそのままファイリング

学年会の議事を前もって作成

(東京都公立小学校主任教諭・吉岡泰志)

学年会の議事を前もってワードで作成します。学年会までに共有が必要な情報をそれぞれ書き込み、学年会の際に書記担当が追記しながら学年会をします。この方式を取ると、効率的に時間が使えるだけでなく、学年会後には議事録も同時にできあがり、学年会開催日と主なテーマでファイル名を保存することにより、翌年の担任にも役立ちます。

議事の項目(例)

  • 子供たちの様子
  • スケジュールの確認(1~2週間の動き)
  • 各教科から進行の確認と見通しと評価
  • 行事など
  • その他
学年会の議事を前もって作成

取材・文・構成/浅原孝子
イラスト/嵯峨根明日香(オーデザインチャンネルズ)

『教育技術 小三小四』2021年1月号より

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