• 勉強マーク小学館ロゴ
  • facebookアイコン
  • twitterアイコン

【教師の働き方改革】「年・月・週・日」で仕事の全体像を把握しよう

2019/7/19

小学校の先生とこどもたちのイメージ

先生自身が毎日機嫌よく、笑顔で子どもたちの前に立ち続けることは、実は、教育における大切な前提条件です。自分の時間を大切にしながらも、子どもに向き合う時間の確保と質を高められる仕事の進め方の工夫をして、教師の働き方改革を実践してみませんか?

執筆・ 北海道公立小学校教諭 山田洋一

教師の働き方改革は子どものために

私たちが、働き方改革を目指すのは、仕事の質を高めるためです。もちろん、仕事の絶対量が多いという方もいるでしょうし、そうした方に必要なのは、むしろ職場改革でしょう。ここで提案する働き方改革は、通常の仕事量である人が、子どもに向き合う時間の確保と質を高めるために行う工夫です。ここを間違うと、ただ早く帰ることが目的になったり、手を抜くことが目的になったりします。あくまで、教師の働き方改革は、子どものためにあると肝に銘じましょう。

第一に、仕事の全体像を把握する

第一に行うべきことは、自分の仕事の全体像を把握することです。全体とは、「年間」「月」「週」「日」の4つを言います。まずは、年度はじめの職員会議で提出される「学校行事予定表」を見て、「二計測」「一年生を迎える会」「運動会」「校外学習」「遠足」「通知表下書き提出」……のように手帳に黒い文字で書き込んでいきます。

こうした年間行事予定表に書き込まれるような業務は、当然準備に多くの時間がかかります。実施期日を書き込むだけではなく、「着手時期」や「締め切り」を書く必要があります。例えば、運動会が6月であれば、4月の末には、子どもたちが取り組む種目を決定しなければならないでしょう。そこで、4月26日までに種目を決めると手帳で書き込みます。こうした締め切りに関わることは赤で書き込むようにします。

「刻む」ほうが効率がよい業務がある

「年間」の行事

ところで、行事には、その期日に対して早めに取り組みさえすれば支障がないものと、業務を「刻んだ」ほうがよいものがあります。

後者の最たるものは通知表の所見です。これを一気にやると、書いている時間より悩んでいる時間の方が長くなり、効率が悪いです。そこで、6月初旬に運動会がある場合、運動会終了後に所見を半分仕上げてしまうと決めます。

つまり、6月初旬にはすでに運動会に関わる部分の所見ができあがっていることになります。残りは、6月中旬から、生活や学習について1日5人ずつ付け加えていけば、余裕を持って書き上げることができます。また、書いているうちに「書けない子」が出てきたとしても、そうした子の観察を、その時点から特に念入りに行っていけば十分に間に合います。このように年間の業務に関しては、「刻んだ」方が効率よくできるものがあります。

「月」の行事

「月」の行事については、前月の職員会議で確認された際に手帳に書き込むようにします。ここでは、行事と合わせ、主要な教科の進度も調べましょう。生活科などでゲストティーチャーを招く、地域の施設を訪問する場合は、1か月前には少し詳しい打ち合わせを行わなければなりません。手帳に書くと同時に管理職に話を通し、すぐに先方にコンタクトしましょう。

「週」の行事

「週」の行事に関しては、学年の打ち合わせや学年便り(時間割)を作成する段階ではっきりします。この段階では、単元テストの実施日の目処と、次の学級通信の記事を何のテーマで書くのかを決めます。また、そのテーマはできるだけ通知表所見でも活用できるようなものを選んでおきます。こうすることで、無理なく学級通信を書くことができ、その上、通知表所見の「種」も蓄積できることになります。

日々の業務は質×場所×時間規模を意識

最後に、その「日」の業務の進め方について書きます。

まず、すべての業務を書き出す必要があります。一つ一つを付箋に書き出したり、通勤時間が長い人はスマホのタスク管理アプリを活用したりするとよいでしょう。このように、すべての業務を書き出したら、取り組む順番や場所を決めていきます。業務をいつ、どこでするかは、その質に大きく関わってきます。

まずは、すべての業務を書き出す
まずは、すべての業務を書き出す
イラスト/コダシマアコ

仕事の質に合った場所を選択する

例えば、それが頭を使う作業であるのか、手足を使って行う仕事であるのかを考えます。

国語の教材解釈をするには、さすがに賑やかな職員室では難しそうです。そこで、放課後の教室ということになります。一方で、諸費納入袋への記名は、放課後、周辺の教師たちと雑談をしながらでもできそうです。

放課後、難しい仕事に、周囲の人に話しかけられたり、電話によって中断させられたりしながら取り組むのはいかにも効率が悪いと言えます。仕事の質に合った場所を選択することは、働き方改革において小さな問題ではありません。

取り組む場所と順番を決める
取り組む場所を決める
イラスト/コダシマアコ

時間規模を考えて仕事の順番を決める

また、その業務を行うのにかかる時間規模も、仕事の順番を決めるに当たっては大切な要素です。時間規模が小さい場合は、業間5分や給食の時間などを活用して、さっと終了させることにします。また、本来は時間規模が大きくても、刻んで行うと、後で楽になることが、1日の業務の中にもあります。

例えば今、国語の文学的文章の読解に力を入れて指導しているとしましょう。こうした場合、学級通信の材としてこの授業を使わない手はありません。授業後の5分間で、「7月15日 山田 登場人物の気持ちを会話文から想像して発表する」といったように、子どもの様子をすぐにパソコンに打ち込み、保存しておきます。

このたった5分の仕事を積み重ねるだけで、生き生きとした授業記録を学級通信に記載できるようになります。また、授業後すぐに数名のノートを回収して、職員室に戻ったついでにコピーしておけば、学級通信の材料になったり、通知表の所見の「種」になったりもします。

業務を「刻」んで取り組む
業務を刻んで取り組む
イラスト/コダシマアコ

所詮、一人の人間ができる業務の量には、さほど差がありません。一つの業務をいくつもの業務に転用し、活用することで、より効率的な仕事の仕方を具現できるはずです。一石二鳥や一石三鳥を狙える仕事をすることが、働き方改革のポイントです。


山田洋一先生

山田洋一(やまだ・よういち)1969年北海道札幌市生まれ。北海道公立小学校教諭。教育研修サークル「北の教育文化フェスティバル」代表。著書は『気づいたら「忙しい」と言わなくなる教師のまるごと仕事術』(黎明書房)ほか多数

『教育技術 小一小二』2019年7/8月号より

★小学館『みんなの教育技術』Webサイトでは小学校の先生に役立つ情報を毎日発信中★ぜひお気に入り登録して最新記事をチェックしてください!
↓↓↓
『みんなの教育技術』トップへ

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

関連する記事

『働き方の知恵』の記事一覧

「苦手な子どもがいる」そう感じてしまう自分を否定しないで

教師たるもの、全ての子どもを好きでいなくてはならない。と思う人が多いことと思います。しかし、「苦手」と感じてしまう、その感じ方まで否定する必要はないのではないで…

特別対談「若手女性教師を育てるために大切なこと」

若手教師の指導・育成に日々取り組む女性教諭のお二人、樋口綾香先生と岡本美穂先生のスペシャル対談企画! 若手教員の現状や指導の苦悩に触れて、効果的なアドバイスやN…

保幼小連携&情報共有 おさえておきたい大切なポイントとは

幼稚園・保育所・こども園と小学校との引継ぎ会、情報共有会で取り入れたい実践法を俵原正仁先生が提案。お役立ちアドバイスやポイントを参考に、子どもへの愛を共有した有…

2020/1/13

仕事術 働き方改革
教師の名もなき仕事を効率化!自分でできる26技【♯三行教育技術】

「みんなの教育技術」をご覧いただいている先生方からTwitterで募集している♯三行教育技術(【技の名前+3行程度の箇条書き説明】に ♯三行教育技術 のハッシュ…

主任の仕事術&職員室コミュニケーションの技17【♯三行教育技術】

「みんなの教育技術」をご覧いただいている先生方からTwitterで募集している♯三行教育技術(【技の名前+3行程度の箇条書き説明】に ♯三行教育技術 のハッシュ…

いつやるの?今でしょ!即実践可能な働き方改革のススメまとめ

日本の教師は世界でもっとも労働時間が長いと言われています。働き方改革については『教育技術』でもいろいろ紹介してきました。これまでの記事のまとめを参考にしながら、…

管理職がいますぐ取り組むべき学校改革・学校経営7大まとめ

「学校改革」や「学校経営」をテーマにしたこれまでの記事をまとめて紹介します。全国学力・学習状況調査で実力を上げた北海道の小学校や、「すべての子どもが安心して共に…

小学校教員が知っておきたい「保護者対応」ポイント3つまとめ

保護者対応に悩んだ経験がある小学校教諭は少なくないでしょう。うまく信頼関係が築けない、要望やクレームやどう対処したらよいものか…。ここでは、これまで紹介したもの…

1分でわかる仕事術|教師が持つべき3つの視点と2つのアプリ

働き方改革は周りが変えてくれるのを待つのではなく、「自分でできる」ことから進めていくのが一番の近道!! 一日15時間労働+土日も仕事をしていた小学校教諭が、いか…

学校に客としての対応求める「ユーザー化する保護者」どう対応すべき?

令和時代の保護者対応とは――? 来年度から新学習指導要領が小学校で全面実施。教育現場には、保護者や地域との連携も求められますが、現実には難しい面が多くあります。…

2019/12/17

もっと見る