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楽しんで主体的に取り組める「自学ノート」指導のポイント

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関西学院初等部教諭

森川正樹

学びが楽しければ、子供たちは進んでどんどん取り組みます。自学ノートを子供たち同士がワイワイ見合ったり、教師が明確に評価したりすることで、子供たちはさらに上を目指そうとするでしょう。お手本を示してあげれば、低学年の子供たちにも難しいことではありません。「自学指導の達人」森川正樹先生が、自身の担任した子供たちの自学ノートの実例を見せながら解説します。

執筆/関西学院初等部教諭・森川正樹

  右端の付箋は子供から教師へのメッセージ付箋です。
 「評価をつけるときいいことと悪いこと両方書いてください。
いいところはのばして、悪いところはなおします」
そして 「絶対G(ゴッド)とるぞ」の文字。評価は燃えるやる気をもたせるのです。
右端の付箋は子供から教師へのメッセージ付箋です。「評価をつけるときいいことと悪いこと両方書いてください。いいところはのばして、悪いところはなおします」。そして 「絶対G(ゴッド)とるぞ」の文字。評価は燃えるやる気をもたせるのです。

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「学びは遊び」を実感できる「自学」

「学び」は「遊び」。そう考えています。

子供たちには「学び」を「義務」だと捉えてほしくありません。学びは本来ワクワクするもののはずです。「学び」は「権利」です。それを具現化する大きな手立てが「自学」。

私の学級では毎年子供たちに自学を課します。しかしそれは子供たちにとっては「遊び」です。

自学には様々ありますが、学級では「ノート見開きのまとめ」のことを指します。子供たちが各々好きなテーマについてノート見開きにまとめてくる取り組みです。本稿で用いる「自学」も同じ意味です。

私が自学に取り組ませる一番の理由は「学びの遊び化」です。「学ぶって楽しい、勉強って楽しい」という状況の継続です。自学は宿題で取り組ませているので、授業と宿題の両面から「学びの遊び化」を図るのです。宿題側の代表が「自学」というわけです。

自学に意欲的に取り組むための4つのポイント

子供たちが「遊び」として熱中して取り組む自学。そうでなくては「学び」そのものに価値を見出すようにはなりません。結論から書きますが、熱中する自学の要因は、以下の四つです。

  1. イメージできること
  2. 上手になっていく実感があること
  3. 取り組むテーマの自由度が高いこと
  4. 明確に評価されること

子供たちは評価されると、次の評価を得たいので工夫します。これが次への意欲向上につながります。一年生でも一度評価を入れれば、次からの作品が激変します。「なぜAなのか」を子供たちに簡単に説明できることが大切です。この中でも一番熱中度を促進させるのが「4.明確に評価されること」です。

評価の内訳は、

B:普通
A:良い
S:素晴らしい
K:大変優れている(キング)

といった簡単なものでかまいません。 そして、毎回子供たちにはポイントを教えます。「タイトルの見やすさ」「字が丁寧」「色塗りがきれい」「自分の感想が入っている」などです。

放課後に貼り出しておくと、次の日の朝、子供たちは 集まってワイワイと話しながら見ています。この時にAだった子はSやKの子の作品を見ながら「どうしてこの子はKなんだろう」
と考えます。
放課後に貼り出しておくと、次の日の朝、子供たちは 集まってワイワイと話しながら見ています。この時にAだった子はSやKの子の作品を見ながら「どうしてこの子はKなんだろう」と考えます。

一年生や二年生にとって、自学に取り組み始めたころは、実物を貼りつけてしまうなどの〝現物(実物)型〟が取り組みやすいと思います。図工作品のように楽しみながら作成していくイメージです。

五年生の作品。 実物をうまく利用してセンス(扇子)よくまとめた例。 
タイトルの飛び出す仕掛けが 目を引きます。
五年生の作品。 実物をうまく利用してセンス(扇子)よくまとめた例。 タイトルの飛び出す仕掛けが 目を引きます。

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イメージできることで、自学の世界ヘの道が開ける

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