スケジュールはノートと週案でシンプル管理!多忙な教師の簡単アイデア

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教員の「働き方改革」特集:仕事効率化から学校改革まで

「忙しい」を理由に自分の時間が持てず、仕事に追われている先生も多いはず。同じように時間に余裕のなかった現役教師が一念発起し、日々実践しているスケジュールの管理術をここで公開。キーワードは「見える可」。さあ、どんなアイデアでしょう。

執筆/東京都公立小学校教諭・谷口大樹

スケジュールはノートと週案でシンプル管理!
写真AC

スケジュール管理は教師の必須スキル

期日を守ることは相手への心遣い

教師の仕事は多岐・多忙です。学校全体、担当校務、学年、学級、個人的な仕事など、たくさんの仕事や予定を抱えながら、締め切りを守り、対応していくことは簡単ではありません。

私は仕事が遅く、やるべき事を忘れてしまっていることもしょっちゅうで、周りの人たちには随分と迷惑をかけていました。全力で取り組みながらも「できるだけ頑張って、間に合わなければ謝るしかない」と、そんな思いを抱えながらやり過ごしてきました。

しかし、最近では考え方が変わってきました。それは「仕事の後ろには依頼者がいる」ということです。どんな仕事も、期日までに終わらせてほしい依頼者がいて、その人の願いがあります。

たくさん迷惑をかけ、困らせてきた経験から、「仕事の期日を守ることは依頼者に対する誠意」と考え方が変わってきたのです。

記憶せず、記録する

仕事のスケジュールを把握するため、世の中にある様々な手帳術を試すものの、使いこなすことができませんでした。ノートや手帳など、何度買い替えたことか。

それでも「失敗を減らしたい。迷惑をかけたくない」という思いから、試行錯誤し、工夫し続け、シンプルな方法でスケジュール管理ができるようになってきました。その方法は「記憶せず、記録する」ということでした。

必要な道具は3つ

そんな私がたどり着いたスケジュール管理術。使用するのは以下の3つです。

A ノート1冊

本日のToDoをこのノートに記して、その日の行動を把握します。常に持ち歩いている相棒です。

B バインダー形式のスケジュール帳1冊

スケジュールはこれで一括管理します。ページを追加したり、不要なページを抜いたりするのでバインダー形式をおすすめします。

C ペン

すぐに書き込めるよう、ノートに挟んで持ち歩きます。当日のページに挟むことでしおり代わりにもなります。

頭の中のことはすべてノートに「見える化」

まず、頭の中にあることを「すべて」Aのノートに書き出します。書き留める際に心がけているのは次の4つです。

1、今日の予定を書く

ある日の私のノートを見ると以下のようなことが書かれています。

  • 学級通信を印刷する
  • 教室に大型ディスプレイを準備する
  • 同僚の先生に授業の手伝いをお願いする
  • パソコン室が5時間目に使えるかを確認する
  • 今日の時間割(だいたいの学習予定)
  • 授業の準備
  • 欠席した子の家庭への連絡へTEL

私は朝、自宅でノートを開き今日の仕事の予定を考えます。学校に着いたらすぐにやること、子供のいる時間にやること、放課後やることなど、この日に予定したことや思いついたことを書きます。

スケジュール帳や「WISHリスト」(後に説明します)を確認しながら今日の予定を書いていきます。この作業の効果は大きく2つです。

①1日の仕事が明確になり、見通しをもつことができる。
②やることが減るわけではないが、漠然とした不安がなくなる。

2、何かあったらすべて書く

学校に行けばやるべきことはどんどん増えるものです。急な依頼、トラブルの対応、どこからともなく浮かんだアイデアなどいろいろありますが、すべてノートに書いておきましょう。

考えたことや思いついたことはすぐに消えてしまいます。とりあえず記録することが大切です。子どもがいる時間はじっくり考える時間がありません。取捨選択はあとで落ち着いてからやりましょう。

3、終わったら赤ペンで消す

頭の中のことをすべてノートに書き出します
とある日のノートはこんな感じ
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ノートに書かれている仕事が終わったら赤ペンで横線を引いて消します。書いたものの中には、「もういいや」「必要なかった」という仕事もあります。それらもすぐに消しましょう。私はこの片付いた仕事や不要な仕事にサッと線を引く瞬間が大好きです。頭の中がすっきりし、達成感も出ます。

予定したけど退勤までに終わらなかった仕事もあるでしょう。よくあることです。明日やることがわかっているのなら、ノートの明日の予定に書いておきましょう。後日ならスケジュール帳にいつやるのか書いておきましょう。いつかやりたい仕事であれば、「WISHリスト」に書いておきましょう。

スケジュール帳など、どこかに書き写した時点でその仕事は終了です。横線を引いて消しましょう。職員室を出るまでに全ての仕事が横線で消えていれば今日の仕事は完了です。すっきりとした気分で気持ちよく帰りましょう。

4、すぐにできない「〜したい」は「WISHリスト」へ

「WISHリスト」に書きます
WISHリストの記入例
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「学級通信を書きたい」「教材を作りたい」などのアイデアが、ふと浮かぶことがあります。これらは「やりたい仕事だ。でも急ぐ必要はないし、場合によってはやらなくてもいい」。そんな仕事でもあります。

本当は一番時間を費やしたいところですが、忙しい毎日の中、つい後回しにしてしまうのが現実ではないでしょうか。でも、諦めないでください。とりあえずその気持ちをノートに残しておきましょう。ノートの最後のページに「WISHリスト」を作り、そこに書いておきます。

毎朝計画を立てるときや落ち着いた時間に、「WISHリスト」を眺めてみます。その時「今日はやれそうだ」という気持ちが湧いたら、ぜひ今日の予定に書き込んでみてください。

「でもやっぱりできなかった」となればもう一度「WISHリスト」に戻してあげましょう。時間が経つと熱が冷め、関心がなくなる時もあると思います。その時は「WISHリスト」から消してしまいましょう。

スケジュール可する

やることが思い浮かんだらいつやるのかを決め、スケジュール帳に書きます。

1、週案のコピーをそのままスケジュール帳にする

やることが思い浮かんだらいつやるのかを決め、スケジュール帳に書きます
実際にスケジュール可したもの
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長期休みのうちに学期分の週案を印刷し、スケジュール帳にとじておきます。自分の学年に関わる行事、校外活動などを全て週案に書き込みます。予定を書き込む作業を通じて、その学期の見通しをもつことができます。

校外活動や行事ではお世話になっている通級や講師の先生に時間割変更のお願いが必要になります。そのようなことにも、早めに気づき調整することができます。職員会議などで新たにわかった予定もすぐに書き込みましょう。

  • 週案など決まった曜日に対応するもの
  • 学年だよりや出席簿など月末に対応するもの
  • 成績表など学期末に対応するもの

学級や学年を運営するためのルーティンになっている仕事があると思います。これらの予定もわかる範囲で全て書いておきます。

2、締め切りと着手する日を書く

ノートで仕事を見える化したものの、「今は対応できない」「後日対応した方がよい」ということもあると思います。例えば運動会の指導なら、子供の指導開始は1か月前くらいにならないと始められません。

そのようなときは「締切(運動会の日)」と「着手する日(指導を開始する)」をスケジュール帳に書き込んでおきます。着手する日を決めておくのがコツです。締切だけだと当日になってから思い出し、間に合わなくなってしまいます。

子供の指導だけでなく、同僚の協力や管理職への起案など、たいていの仕事は自分の見積もりより時間がかかってしまうものです。

自分が必要だと思った時間より少し余裕をもってスケジュールを書き込んでおきましょう。余裕があればスケジュールの修正も簡単です。

3、確認をする日を書く

「担当からの提案が出ないと始められない」というような仕事もあると思います。「着手する日」を自分で決められないケースです。そのような時は備忘として「確認する日」をスケジュール帳に書いておきましょう。私はとりあえず一週間後にスケジュールすることが多いです。

もし、なかなか提案が出てこないときは担当者に聞いてみてください。実は担当者が提案を忘れていることもあり、「助かりました!」と感謝されることもあります。仕事に主体的に関わることができ、とても嬉しい気持ちになると思います。


以上、多忙な教師に役に立つスケジュール管理のアイデアを紹介しました。「記憶せず、記録する」ということが一番大切だと思っています。

これらは、「スケジュール管理が苦手」な私が生み出した方法です。ぜひ一度試してみてください。

【参考文献】
◆「バレットジャーナル 人生を変えるノート術」ライダー・キャロル (著)、栗木さつき (翻訳)
シンプルな箇条書きだけで、短期的・長期的スケジュールを管理していく方法をこの本から学びました。「WISHリスト」もこの本から学んだものです。
◆「自分を操る超集中力」メンタリストDaiGo
考えたモヤモヤをノートに書くことでワーキングメモリーをリセットする考え方や、やることを明確にして、集中力を高める仕事のすすめ方をこの本から学びました。
◆「仕事の成果を何倍にも高める教師のノート術」大前暁政
実践家の先生がされているノート術がわかります。大前先生も「1冊のノートにとにかく書いていく」という提案をされており、大変参考になりました。教員になる前に友人からおすすめされた本です。教材研究は新年度準備のノート術など教師に役立つノート術がたくさん書かれています。
◆「情報は1冊のノートにまとめなさい」奥野宣之
様々な手帳術の本を読み、使いこなせないことに悩んでいた頃にこの本を読み、ずいぶんノートに書くことへのハードルが下がりました。「分類や整理をしすぎると活用できない」という考え方に励まされました。書いたことが自分の「ライフログ」になるという考え方もこの本から学びました。


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