あの教師がおすすめするGW中に読みたい本と見たい映画9選
どんなにぽかぽか日和でも外出できない今年のゴールデンウィーク…。新型コロナウィルス情報をチェックしながらただただ時間が過ぎるのを待つか、家の中でできる何かを探して有意義に過ごすか。それはあなたの心がけ次第! ここでは、『教育技術』でおなじみの俵原正仁先生と赤坂真二先生が、教育者として読んでおきたい本やおすすめの映画を教えてくれました。
(『小一教育技術』2014年6月号より再構成しています)
目次
学級づくり・授業づくりに役立つ|俵原正仁先生のおすすめ本&映画
仕事を忘れて没頭できる小説やマンガを読んだり、音楽を聴いたり…といったお楽しみも、そればっかりだと最初のときめきは薄れてくるもの。そんな先生! この機会に、「学級づくり」や「授業づくり」に役立つ本をじっくり読んでみませんか? 俵原正仁先生のユーモアあふれる推薦コメントを読めば、手にしてみたくなるはず!
兵庫県公立小学校教諭・俵原正仁
たわらはら・まさひと●1985年兵庫教育大学卒。座右の銘は、「GOALはHAPPY ENDに決まっている」。著書に、『若い教師のための1年生が絶対こっちを向く指導!』(学陽書房)他多数。
笑顔あふれるクラスへの指南書
『学級づくりの教科書』
著:有田 和正
(さくら社)
第1章「明るくユーモアのあるクラスをつくる」をはじめ、笑顔あふれるクラスをつくるための実践が満載、明日からの授業に生かせます。特に、72、73ページに掲載された1年生のユーモア感覚あふれる作文は圧巻です!
新任教師の時に先輩にすすめられた一冊
『新版 授業の腕を上げる法則』
著:向山 洋一
(学芸みらい社)
教師1年目が終わろうとした春のある日、先輩の先生が、「これ読んでみて」と渡してくれた1冊。教師として身につけるべき授業の基礎・基本が書かれています。自覚はなかったのですが、よっぽどひどい新任教師だったのでしょう。
一年生への読み聞かせに最適!
『でんせつの きょだいあんまんを はこべ』
作:サトシン
絵:よしながこうたく
(講談社)
私の大好きな絵本を紹介します。1年生を読書好きにするポイントの一つが、教師の読み聞かせです。最初から最後まで繰り広げられる予想外の展開に、子どもたちの目と耳は釘付け。来春ハリウッド映画化…あっ、嘘です(笑)。
洗練された言葉遊びを楽しむ
『KENTARO KOBAYASHI LIVE POTSUNEN 2011「THE SPOT」』
発売元:TBS ラジオ&コミュニケーションズ
販売元:ポニーキャニオン
知る人ぞ知るコントユニットラーメンズの一人、小林賢太郎氏のソロ公演DVD。随所に見られる洗練された言葉遊びは実際に授業にも応用可。……とむずかしいことを考えずに、息抜きとして楽しんで見るのもオッケー。
子どものやる気を引き出す|赤坂真二先生のおすすめ本&映画
ハウツー的な指導本も忙しい毎日には役に立つものですが、たっぷり時間のある休みの日には、本質的なことが語られた本を読んでみたいものです。赤坂真二先生がおすすめしてくれたアドラー心理学流の教育論とは、どんなものなのか。気になります!
上越教育大学教職大学院教授・赤坂真二
赤坂真二(あかさか・しんじ)●19年間の小学校での学級担任を経て、2008年4月より現所属。現職教員や大学院生の指導を行う一方で、学校や自治体の教育改善のアドバイザーとして活動中。日本学級経営学会共同代表理事。『最高の学級づくり パーフェクトガイド』(明治図書)など著書多数。
アドラー心理学を伝える代表作
『子どもの教育』
著:A・アドラー
訳:岸見一郎
(アルテ)
自分の気持ちをうまく表現できない子どもを理解し寄り添い、そして、彼らのやる気を引き出すには、どうしたらいいか。説得力のある言葉を通して、深い理解が得られます。何度もくり返し読みたい本です。
自分のよさに気づける絵本
『えらいえらい!』
文:ますだゆうこ
絵:竹内通雅
(そうえん社)
自分にもよさ、自慢するところがあることを、楽しい絵と短くわかりやすい言葉で伝えてくれる絵本です。最後には歌もついているので、教室で読み聞かせた後に、子どもたちと一緒に歌うこともできます。教室でブームになること間違いなし!
葛藤と向き合うことが人生
『人間にとって成熟とは何か』
著:曽野綾子
(幻冬舎)
教師の仕事は葛藤の連続だろうと思います。しかし、その葛藤と向き合うことこそが人生であり、その喜びであることをこの本は教えてくれます。落ち着いた筆者の語りが、自分らしく生きるヒントを優しく伝えます。
ロボットが深い愛のあり方を教えてくれる
『アイアン・ジャイアント』
販売元:ワーナー・ホーム・ビデオ(スペシャル・エディション)
泣けます。休日にリラックスするために見てもよいのですが、いつか教室で子どもたちといっしょに見られたらいいと思います。私の教室では、小一の子どもたちがボロボロ涙を流しました。一体の巨大なロボットが深い愛のあり方を教えてくれます。
子どもたちと接するヒントに
『おさるのジョージ』
販売元: ジェネオン・ユニバーサル
いたずらっ子のおさる、ジョージが人間社会でいろいろな騒動を起こしますが、そのときの周囲の人の対応が圧倒的に優しい。そこには子どもたちに接するときのヒントが満載であることに気付かされます。
いかがでしたか? こんな時だからこそ、普段は読む時間のない古典や、自分では選ばないジャンルの本や映画を見てみるのもよいかもしれませんね。
『小一教育技術』2014年6月号より再構成