小学校の係活動を活性化させる4つの簡単アイデア
活気が続かない、何もしない係が出てくる…。充実した係活動を続けることは難しく、「名前だけの係活動」が出てきてしまうことも。そこで、時間がない中でも、係活動を活性化することができる4つの工夫を、愛知県公立小学校の佐橋慶彦先生(@sassy384)に教えていただきました! 係活動をとおして、子どもたちに「自分たちの生活を、自分たちの力でよりよくしていく」経験を重ねてほしいものですね。
執筆・イラスト/愛知県公立小学校教諭・佐橋慶彦
目次
「ランチミーティング」で話し合う時間を
係活動において、特に確保することが難しいのが、「話合い」の時間です。しかし、話合いがないと、みんなの合意がないまま計画が進んでいったり、誰かが一人で準備をしたりといったことが起こってしまいます。
そこで、係のメンバーで給食を食べる「ランチミーティング」の時間を設けます。気さくに話をすることができ、様々なアイデアが出てきます。
また、「毎月第2火曜日」「3のつく日」のように日付を決めて行うことで、係活動への意欲の低下を防ぐことができます。
「係ボックス」でやりっ放しを無くす
せっかく作業や計画を始めても、時間が足りずにやりっ放しになってしまうことがあります。
そんなやりっ放しを解決してくれるのがこの「係ボックス」です。
やりかけの仕事を収納し、いつでも自由に取り出せる場所があれば、時間を見つけて気軽に作業を再開することができます。教室の棚に係ごとの引き出しを設けたり、ファイルとスタンドを準備したりと、色々な方法が考えられます。
「みんなのために」を当たり前にする計画シート
係活動が活発になってくると、イベントやキャンペーンを計画するようになります。しかし、準備が不十分だったり、学級全体のことを考えていない計画だったりすると、かえって雰囲気が悪くなってしまうこともあります。
そこで、「クラスのみんなのために計画する」ことが自然とできるように、この計画シートを作成しました。
イベントやキャンペーンを行うためには、次のことをクラスの決まりとします。
- 計画シートを作成
- シートを提出し、担任の承諾を得る
- ポスターでみんなに告知する
シートが事前に提出されていれば、それぞれの係がどんな計画をしているかを簡単に把握することができます。また、直接話をする時間が取れないときでも、シートに返事を書いておくことで、アドバイスを送ることができます。
プリントを1種類用意するだけですが、子どもたちの自主的な取り組みを、ぐっと後押しすることができるようになります。
やりがいを可視化する「ThankYouカード」
「ThankYou カード」は、「イベントが楽しかった」「いつも優しく教えてくれてありがとう」など、それぞれの係への感謝の気持ちを伝えるカードです。
係活動を通して「誰かの役に立つ喜び」を実感できるように、みんなの喜びの声や感謝の気持ちが目に見えるようにします。
子どもたちは、用意されたカード(紙を小さく切ったもの)にメッセージを書き、係のポスターの下に貼っていきます。カードは、手が空いた時などに、さらっと書くことができるような大きさがいいでしょう。
みんなからの感謝の気持ちを知ることで、さらに活動が活発になります。また学級全体に、他の仲間のがんばりを見る目が育っていきます。
係活動を活性化させる一工夫を紹介させて頂きました。新学期の係活動に、少しでも役立てれば幸いです。
佐橋慶彦(さはしよしひこ)●1989年、愛知県生まれ。教職9年目。日本学級経営学会、教育サークル「せあいと」所属。子どもがつながる学級を目指して日々実践に取り組んでいる。