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廊下や体育館のつらすぎる寒さ。カイロや機能性インナーでぐっと耐えるのみ〈287人のリアルな現状〉

特集
教員の本音がわかるデータベース【みん教総研アンケート】
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「みん教総研アンケート」で明らかになった学校現場の「冷え問題」。屋外での授業や底冷えのする体育館での行事など、一日中、暖房のついた教室だけにいられるわけもなく、この時期、先生方は過酷な寒さと闘っています。対策としてできることといえば、機能性インナーを着込み、さらにカイロで補強するのみ。全館暖房、蛇口からお湯といった設備改善への期待をもちつつ、個人の工夫と努力でしのいでいるリアルな声をお伝えします。

【調査概要】
■調査期間:2026年1月25日~2月15日
■調査機関:自社調査。Webメディア「みんなの教育技術」でのアンケート調査
■有効回答数:287人

※本アンケートでは、回答者の負担軽減のため設問を任意回答としています。そのため、設問ごとの有効回答数は異なります。

学校の冬は「かなり寒い」――寒さレベルの実態

あなたの勤務校の「冬の寒さレベル」は?

「かなり寒い」「つらすぎるほど寒い」と回答した教員は全体の約半数にのぼり、学校現場における冬の寒さが深刻であることが明らかになりました。

寒さが集中するのは“体育館・廊下・朝と放課後”——時間帯と場所の傾向

とくに寒さを感じる「時間帯」はいつですか?

寒さを感じる時間帯としては「朝(登校指導・朝の会)」や「放課後(清掃・会議・部活動)」が多く挙げられました。暖房が十分に利く前や、人の出入りが減る時間帯に冷え込みを感じやすい実態がうかがえます。その他の回答として、体育館(暖房なし)での授業や集会、外の体育授業などが挙げられました。

とくに寒さを感じる「場所」はどこですか?(複数選択可)

廊下・階段が最も多く、次いで校庭・外での見守り、体育館が上位となりました。教室よりも“移動空間”や“屋外空間”で寒さを強く感じている実態が明らかになっています。その他の回答として、理科室や家庭科室などの特別教室などが挙がり、少数派として職員更衣室などもありました。

防寒対策は“個人努力”が中心——インナー・カイロ・足元対策が主流

その寒さに対して、実際にやっている対策は?

寒さ対策として最も多かったのは「機能性インナー(ヒートテック等)」で、次いで「重ね着」「靴下・足元対策」が続きました。設備改善よりも、身につける防寒アイテムによる“個人努力”が中心となっている実態がうかがえます。その他の回答からも、独自の工夫で対策していることが分かります。

〈その他の回答より〉

・温かい飲み物を飲む
・首元を冷やさないように常にタートルネックのトップスを着用しています
・ひたすら耐える
・足元対策で、最近、ちょっとお高いですが、羽毛のサポーターを導入しました
・ボアの椅子シート、机に階段マット(ともに百均)
・窓際で日に当たる

「この時間・場所ではこれが利く!」と、シェアしたいグッズや技がある方は、具体的に教えてください

自由記述では、足裏カイロやレッグウォーマー、メリノウール靴下など“足元対策”がとくに多く挙げられました。また、丹田や仙骨など体の箇所にカイロを貼る工夫、ダウンベストの活用など、具体的かつ実践的な防寒テクニックが多数共有されています。

〈回答より〉

・UNIQLO超極暖ヒートテック、こたつ靴下、靴用カイロ、温熱ベストすべて活用してます
・とにかくヒートテックの下着で重ね着をすること。とくに下半身が冷えるので、タイツは必需品です
・足裏に貼るカイロは最強です
・子どもたちと一緒にしこを踏みながら「寒くぅ〜〜〜ないっ!」と大きな声を出し、ガッツポーズをする
・ハイネックニットとヒートテックは最強でした
・スキー用ソックス、足の甲に貼るカイロ、背中に貼るカイロ
・寒冷地ですが、冬の足の冷えの原因が足の汗だと気づきました。体育のあとなどは靴下を履き替えるのもありですし、メリノウールだとすぐ乾くのでよいです。登山用メリノウールや5本指メリノウールがよいです。しもやけができなくなりました
・開けたら閉めよう、と扉に書きました
・職員室で湯たんぽ。ウルトラライトダウンを常時着用。裏起毛のズボンの下に超極暖のももひき
・ヒートテック。体育館暖房が入り助かっています
・ユニクロの暖パン。寝る前にストレッチすること。湯冷めしないうちに布団に入る
・ヒートテックレギンスの上に、「まるでこたつソックス」のレッグウォーマー !
・肩甲骨の真ん中にカイロ。ワークマンの裏地がアルミのベスト !!
・水筒に熱いお茶!場所問わず水分補給兼暖を取る
・使い捨てカイロのあったか靴下(足袋タイプ)は、とっても暖かくなるのでおすすめです
・まるでこたつレッグウォーマーは暖かいです !
・レンジでチンする湯たんぽが放課後に役立つ
・廊下で掲示物を貼る時、あまりの冷えにおなかを壊したことがあります。そのとき、先輩からレッグウォーマーを借りました。それ以来、冬はレッグウォーマーをロッカーに常備。放課後作業が長いときや職員室で足元が冷えるときは見た目を気にせず付けています。 ひざ掛けを手放さない女性教員もいますが、動きが鈍くなるので、私はもっぱらレッグウォーマーです
・寒い朝、教室に暖房が順番に入ります。入ってないときに子どもたちと準備運動と称して、その場かけ足やジャンプ、エアロビをします。そうすると暖房が入ってなくても暖かくなります
・職員室はブランケット必須です。さらに足先を温めるミニヒーターがあればなおグッド。使用電力によっては本校のように禁止されているところもありますよね。古い校舎だとすぐブレーカー落ちるので

現場が困っていることと、求められる設備改善

寒さ対策で「困っていること」は?

「卒業式など式典のときに寒い」が最も多く、特別な行事での冷えが大きな負担となっていることが分かります。また「動くと暑く、止まると寒い」「着ぶくれして動きにくい」など、業務特性による寒暖差や動きづらさも課題として挙げられました。他にも、せっかく暖房をつけているのに、感染症対策で換気せざるえなくてもったいないといった声も。

〈その他の回答より〉

・暖房つけても足が寒い。トイレが寒く、ヒートショックを起こしそう⋯。マンモス校で職員室も通常の1.5倍。職員が少ないと暖房をつけても寒い
・寒冷じんましんが出る
・職員室はガンガン暖房入れるので、かえって汗をかく。ボーッとする
・冬は流感対策もあり、換気を余儀なくされるところ。正直言ってエネルギーの無駄も感じます
・生徒も上着制服のみなのに、指導者側がジャンパー等着るわけにいかないため

「こんな防寒ができたらいいのに!」という理想のモノやコトがありましたら教えてください。(自由記述)

理想の防寒環境として最も多く挙げられたのは、体育館や廊下、トイレを含む全館空調の整備でした。あわせて、床暖房や温水が出る水道など、設備面の改善を求める声が多く、個人対策ではなく環境そのものの見直しを望む傾向が見られました。

また、この時期、先生方を悩ませるのが式典の服装問題。きちんと感を重視すると寒さ対策が手薄になってしまうという傾向が。暖かなフォーマル服を望む声が多く寄せられました。

〈回答より〉

・全館暖房や体育館も空調が入ったらいいと思います
・水道の水が冷たすぎるので、手洗いや掃除時間にお湯が使えたらといいのに…と思います
・あったかいスーツがほしいです。 かしこまった式はスーツですが、体育館の冷えが尋常じゃないので式典のたびに泣きそうです
・式典にストッキングだけでなくタイツもはけると寒いので助かります
・廊下までエアコンを入れられるような造りの校舎
・廊下や階段にも暖房があれば教室や職員室との寒暖差がなくなる
・緊急時の避難所としての体育館に暖房がない、特別教室や更衣室に暖房がないなど、まずは設備面を充実してほしい。ネタとしては暑さ寒さ対策としてウォーターサーバーがあれば飲んだり、掃除とか使えるのでは?
・体育館に暖房がついてほしい。石油ストーブは危ないので体育の授業時は使えないし、準備に時間がかかる
・全館暖房。蛇口からお湯
・校庭での体育はベンチコートのようなものを着られたらいいと思います。児童も長ズボンをはいてもよいと思います。(学校として許可していません。このような学校は多いのでは)
・卒業式は毎年まだ雪が降る地域なので、スーツが寒くてたまりません。普段の服装はいくらでも暖かくできますが、式典だけはどうにもなりません。ブラウスは薄すぎるし、インナーを着込むと着ぶくれてスーツがきつくなってしまう。 「薄着できちんとして見えるけれどものすごく暖かいフォーマル服」があればいいのにと思います
・勤務校の駐車場の除雪費用を職員全員で支払っているが、同じ市内でも支払いのある学校とない学校があり、不公平を感じる。家計の防寒のためにも学校運営の必要経費として支給してほしい
・子どもも大人も教室でブランケットが使えるようになったらいいのに…
・超理想ですが…私立なのでユニクロとコラボしてフリース校内着とか作ってほしい!!

その他、ご意見・ご要望があれば自由にご記入ください

その他の自由記述では、校舎の老朽化や地域格差、暖房予算の不足など、構造的な課題への言及が多く見られました。また、寒さが健康や業務効率に与える影響を懸念する声も寄せられ、学校環境全体の見直しを求める意見が目立ちました。

〈回答より〉

・古い学校で隙間風だらけ。けど予算も掛かるし、どうにもならないのでしょうか
・体育館にエアコンが入りました。それでも卒業式は足元が冷えます。その日ばかりはレッグウォーマーをつけるわけにもいかず。見えない場所にカイロを貼りまくります。式典が早く終わることを願うばかりです
・お湯も出ない。便座も冷たい場所なんて、公立の小、中学校以外無いのではないかと思う。行政が何を大事にしているかがよく分かる。本当に早急に対応してほしい
・自分自身も寒いですが、生徒に我慢させているのも忍びないです
・教室の暖房機器の使用について規定があります。暖房用途でのエアコン使用禁止(電気代がかさむから)。教室に設置されているヒーターを使用すること(ガス代の方がまだ安いから)。放課後、個々に教室で仕事をするためにヒーターを使わない、職員室で仕事をしなさいという暗黙のルールがあります
・体育館に暖房をつけてほしい。トイレの便座が温かくなってほしい。 水道水が一般家庭より冷たい。お湯を出してほしいとまでは言わないが、せめて一般家庭と同じくらいの温度になってほしい
・一般企業のオフィスとは訳が違うので、仕方ないかと考えている。しかし、体育館は冷暖房対策も期待はしたい
・教室内ではコートが着用禁止になってますが、どこまでが上着なのか分かりにくく、室内で着てはいけない上着の定義に困ってます(ボアコートなどは分かりにくい)
・体育館にエアコン入れるのは電気の無駄遣いだと思う。暖まらないので。体育以外の行事は時間短縮が良いと思います
暖かくしすぎると、子どもが外に出たがらないのが悩み。 外の体育は唇が青くなっている子が多い。低学年は、汗と冷えで体温調整が難しい
・自分自身も寒いですが、生徒に我慢させているのも忍びないです


いかがでしたか。学校の冬は、子どもたちにとっても教員にとっても避けて通れない季節ですが、アンケートからも「かなり寒い」「つらいほど寒い」と感じながら日々の業務にあたっている現状が明らかになりました。授業や行事を滞りなく進めたいという思いがあるからこそ、防寒対策を個人の工夫に頼らざるを得ない実態に、課題を感じている教員も少なくありません。

足元対策やインナー、カイロなど具体的な防寒アイテムの活用でしのいでいるものの、体育館や廊下を含む全館空調の整備、トイレや水道環境の改善など、設備面での見直しを求める声が多く挙がりました。個人の努力だけでは限界があると感じている教員が少なくないことがうかがえます。

その一方で、「子どもたちと元気に活動したい」「できる工夫は続けたい」と前向きに取り組む声も寄せられており、学校環境をよりよいものにしていくためには、現場の実態に即した支援や環境整備が不可欠であると考えられます。

今後も「みん教総研」のアンケートを通じて、教員の働き方や教育現場の課題に向き合い、教員のQOL向上につながるヒントを多角的に探っていきたいと考えています。

文/みんなの教育技術編集部

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