小5家庭科 「生活を支える物やお金」

今回は、「生活を支える物やお金」の授業実践を紹介します。買物の仕組みや消費者の役割、物や金銭の大切さと計画的な使い方、買い方、購入するために必要な情報の収集・整理の仕方について理解し、実践的な態度を身に付けることを目指します。また、実践を通して学習したことを家庭や学校生活で生かそうとする態度を養うことを目指します。
執筆/東京都公立小学校主幹教諭・神前珠美
編集委員/東京都公立小学校校長・飯島典子
監修/元文部科学省教科調査官・筒井恭子
目次
年間掲載内容
04月 私の生活大発見!(ガイダンス)
06月 ひと針に心をこめて 手ぬいにトライ
08月 食べて元気に~おいしいご飯とみそ汁を作ろう~
10月 ミシンにトライ!手作りで楽しい生活
12月 あなたは家族や地域の宝物
02月 物やお金の使い方
1 題材名
生活を支える物やお金
2 題材について
本題材は、「C消費生活・環境」の(1)「物や金銭の使い方と買物」のア「(ア)買物の仕組みや消費者の役割、物や金銭の大切さ、計画的な使い方」「(イ)身近な物の選び方、買い方、情報の収集・整理」及びイ「身近な物の選び方、買い方の工夫」を扱います。
消費生活と環境に関する学習は、課題をもって、持続可能な社会の構築に向けて身近な消費生活と環境を考え、工夫する活動を通して、消費生活・環境に関する知識及び技能を身に付け、それらを活用して課題を解決する力を養い、身近な消費生活と環境をよりよくしようと工夫する実践的な態度を育てることをねらいとします。
また、限りある物や金銭が大切であることや自分の生活が身近な環境に与える影響に気付き、持続可能な社会の構築に向けて主体的に生活を工夫できる消費者としての素地を育てます。
指導計画の作成に当たっては、「A家族・家庭生活」の(3)「家族や地域の人々との関わり」や、「B衣食住の生活」の(2)「調理の基礎」、(5)「生活を豊かにするための布を用いた製作」及び(6)「快適な住まい方」などと関連を図り、生活で使う身近な物などを取り上げ、子供や家族の生活と結び付けて、実践的に学習できるようにします。さらに、社会科や理科、総合的な学習の時間など他教科等との関連を図ることで、各学校の実態に合わせたより実践的な学習を展開することも考えられます。
3 題材の目標
〇買物の仕組みや消費者の役割、物や金銭の大切さと計画的な使い方、身近な物の選び方買い方、購入するために必要な情報の収集・整理の仕方について理解するとともに、それらに係る技能を身に付ける。
〇身近な物の選び方、買い方について問題を見いだして課題を設定し、様々な解決方法を考え、実践を評価・改善し、考えたことを表現するなどして課題を解決する力を身に付ける。
〇家族の一員として、生活をよりよくしようと、物や金銭の使い方と買物について、課題の解決に向けて主体的に取り組んだり、振り返って改善したりして、生活を工夫し、実践しようとする。
4 題材の評価規準
●知識・技能
買物の仕組みや消費者の役割、物や金銭の大切さと計画的な使い方、身近な物の選び方買い方、購入するために必要な情報の収集・整理の仕方について理解するとともに、それらに係る技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
身近な物の選び方、買い方について問題を見いだして課題を設定し、様々な解決方法を考え、実践を評価・改善し、考えたことを表現するなどして課題を解決する力を身に付けている。
●主体的に学習に取り組む態度
家族の一員として、生活をよりよくしようと、物や金銭の使い方と買物について、課題の解決に向けて主体的に取り組んだり、振り返って改善したりして、生活を工夫し、実践しようとしている。
5 指導のアイデア
対話的な学びにおける指導
〇子供から多様な意見を引き出す工夫
基礎的・基本的な知識及び技能を確実に身に付けさせるためには、各家庭や子供のプライバシーに十分配慮しながら、すべての子供が意見を交流しやすい共通の課題を設定します。
例えば、買物の仕組みを理解する場面(第3時)では、「予約した本」の購入について取り上げます。本は事前に発売日が分かること、予約して購入ができること、同一の商品が他店で売られていることなど、子供にとって身近であり購入場面をイメージしやすいことなどの理由から、買物の仕組みについて考え、意思決定をする場面として適していると考えます。予約した本の注文をキャンセルして他の書店で買うことは可能かについて、生活体験を基にグループで意見を交換し、考えを深める場面を通して、売買契約の仕組みを明確にしていきます。
また、目的に合った計画的な買物の仕方を考える場面(第4時)では、共通の課題として「靴下」の購入について取り上げます。子供が日々身に着ける身近な物であり、値段や品質、デザイン、着用場面などをイメージしやすいため、自らの生活に即した多様な意見を引き出すことができます。さらに、「B衣食住の生活」の(4)「服の着用と手入れ」において、子供が洗濯する衣服の1つとして靴下が取り上げられることもあり、題材間のつながりを意識した指導に生かすことができます。
〇理由を明確にした意見交流
商品を選んだ理由を明確にしながら意見を交流することで、購入する際に重視する観点が場合によって異なること、人によって様々な工夫があることに気付くことができるようにします。このことは、自らの商品選択を振り返る観点を豊かにするとともに、改善して、実践したいという意欲の向上につながり、より深い学びへと発展することができます。
例えば、買物に必要な情報を集めて、買いたい物を適切に選ぶ場面(第5時)では、家族と過ごす「家族でほっとタイム」で飲むジュースを選ぶ活動を取り上げます。様々な値段、分量、品質などのジュースを提示し、商品に付けられた表示やマークなどを確認したり、広告などを活用して情報を収集・整理し、なぜそのジュースを選んだのか理由を明確にして交流したりする活動を行います。
個に応じた指導
〇1人1台端末によるワークシートの活用
課題に対する子供一人一人の進捗状況を把握しやすくするために、1人1台端末のワークシートを活用します。ワークシートをデータで提出させることで、教師は進捗状況を一覧で即座に確認することができ、適切なタイミングで個別の指導をしやすくなります。
〇家庭との連携
これまでの学習を振り返り、これからの生活に生かしたいことを考えた後、その買物の計画を家庭で実践できるようにします。その際、事前に家庭科通信を発行したり、保護者会などの機会に学習内容を家庭へ周知したりするなど、家庭との連携を積極的に図ります。
また、家庭での買物の工夫を事前にインタビューしたり、家族の生活スタイルや食べ物の好みなどを日頃から話題に挙げたりすることで、自らの家庭生活に即した計画を立て、家族の一員として生活をよりよくするための実践的な活動につなげます。
6 題材の指導計画(全6時間)
| 時間 | 学習内容 |
|---|---|
| 課外 | 買物アンケートの実施 |
| 1 | 生活を支える物やお金の大切さを考えよう。 |
| 2 | これまでの買物の仕方を振り返り、課題を設定しよう。 |
| 3 | 買物の仕組みについて知ろう。 |
| 4 | 目的に合った計画的な買物の仕方を考えよう。 |
| 5 | 買物に必要な情報を集めて、買いたい物を適切に選ぼう。 |
| 6 | 学習を振り返り、これからの生活に生かしたいことを考えよう。 |
