数値とどう付き合うか、結果整理を一歩具体的に|中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑯

前回は、個別実験・調査で得られた結果を、どう分析・評価するかという、研究の山場とも言える場面について話題にしました。今回はその続きとして、結果を扱う際に避けて通れない「数値の準備と扱い方」について、もう少し具体的に見ていきます。やや細かい話も出てきますが、最終ゴールに向かうための大切な土台となる部分です。
執筆/四天王寺大学教育学部准教授・仲野純章
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◆中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう①~考えを整理して、テーマを決める~
◆課題研究の実現可能性をチェックしよう! 中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう②
◆先行研究をチェックして、研究テーマにストーリーをもたせよう! 中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう③
◆研究テーマが決まったら、研究の道すじを考えよう─中・高等学校の【課題研究】はこう進めよう④
◆研究の「最終ゴール」を明確にしよう~中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑤~
◆「やることリスト」を整理して、研究の全体像をつかもう~中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑥~
◆個別実験・調査項目の中身を具体化しよう~中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑦~
◆「個別ゴールに届いたといえる事象」を考えてみよう~中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑧~
◆「どうすればできる?」の見通しをつかむ~中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑨~
◆「どうすればできるか」を具体化する~中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑩~
◆本番の成功は予備実験・調査にかかっている|中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑪
◆“仮の本番”で磨き上げる、本実験・調査の完成度|中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑫
◆いよいよ本番の実験・調査。あらためて慎重に|中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑬
◆本実験・調査をやり切る覚悟と、やり直す勇気|中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑭
◆「結果」をどう扱うか|中・高等学校の探究学習【課題研究】はこう進めよう⑮
目次
「どんな結論を出したいか」から集める数値
結果を整理するとき、つい「集まったデータをどう並べるか」から考え始めてしまいがちです。しかし本来は、最終的にどんな結論を示したいのかを先に思い描き、そこから逆算して数値をそろえていくことが重要です。研究は、個別実験・調査の積み重ねによって最終ゴールを目指します。その途中に設定されるのが、それぞれの個別ゴールです。個別ゴールで示したい結論が決まれば、「その結論を支えるには、どんな数値が必要か」が自然と見えてきます。たとえば、「水温が高いほど、ある水生生物の活動量が増える」という結論を示したいとします。この場合、必要なのは「水温」と「活動量」を表す数値です。個別実験・調査で得られたデータの中には、そのまま使えるものもあれば、複数のデータから計算して新しい数値を作る必要があるものもあります。
数値には性格の違いがある
研究で結果を分析・評価していく際には、数値をすべて同じように扱えばよいわけではありません。まずは、数値そのものの「性格の違い」を整理しておく必要があります。研究で扱う数値は、大きく分けると次の2種類に整理できます。
・測定値
・測定値ではない数値
たとえば、温度計で水温を測って「18.6 ℃」と読んだ場合、この「18.6」は測定値です。一方、「測定した回数が4回だった」という「4」は、測定値ではない数値です。結果の分析や評価を行う際には、この数値がどのような性格のものなのかを意識しておく必要があります。測定値と測定値ではない数値とでは、後述する不確かさの考え方や、その後の扱い方が異なるためです。

