小3理科「ものと重さ」|「問題の見いだし」単元導入のポイント【理科の壺】

単元の導入場面で、子どもたちから単元のねらいに沿った「問い」を引き出すことに悩む先生も多いのではないでしょうか。原因の1つは、どの程度子どもの「なぜだろう?」を引き出したらいいのか、具体的なイメージがわきにくい点にあるようです。今回は、3年生の「ものと重さ」の導入場面について、教材や先生と子どものやり取りを通じた「問いの見いだし」までのポイントを、具体的な授業展開とともに紹介します。優秀な先生たちの、ツボをおさえた指導法や指導アイデア。今回はどのような“ツボ”が見られるでしょうか?
執筆/北海道公立学校教頭・平井佐知
連載監修/國學院大學人間開発学部教授・寺本貴啓
子どもたちの「なぜ?」を大切にしながら単元のねらいへ導くコツをお伝えします
子どもたちが自然事象と関わり、「あれ?」「どうして?」と思ったことから、解決したい問題を見いだすことで、「知りたい」「調べたい」と子ども主体の学習へとつながっていきます。
でも、子どもたちの「なぜだろう」「不思議だ」と思う視点が広がりすぎてしまい、「この単元は、そこに目を向けてほしいわけじゃないのに」と困ってしまったことはないでしょうか。
今回は、3年生「ものと重さ」の単元で、子どもたちに目を向けさせたい部分に自然と導き、子どもたちの「あれ?」「どうして?」を大切にしながら、「形を変えると物の重さはどうなるのかな」という「形による重さを探る」問題を子どもたちが見いだしていけるような流れを紹介します。
重さに目を向けさせよう
「今日は、物の重さの勉強をします」と先生が言ってしまわずに、子どもたちに「重さ」に目を向けさせたいですよね。
そこで、はじめに身近なもの(ペットボトル・粘土・画用紙・空き缶・鉛筆など)を提示し、 「ここにある物を重さの順に並べてみよう」と重さの順に並べる活動を行います。
このとき、子どもたちは自然と手に持って重さを比較し、重さの順に並べます。この活動を通して、身の回りの物には重さがあること、ものによって重さが違うことを確認することができます。
