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教室でよくある『ちょっと困った』シチュエーションへの具体的対応策

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新人教員のための即効型『学級安定実践』13選
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熱海 康太

新人教員のための学級安定実践13選⑫

教室では毎日様々な問題が発生します。授業中の私語、集中できない子、忘れ物、友だち同士のトラブルなど、理論では対応できない具体的な場面に直面したとき、経験の浅い教師こそ戸惑いは大きくなるでしょう。しかし、よくあるシチュエーションには、それぞれ効果的な対応パターンがあります。事前に引き出しを増やしておくことで、冷静かつ適切に対処できるようになります。また、これらのことは決してネガティブなことばかりではなく、すべてが子どもたちの成長につながるのだという意識も大切です。

執筆/私立小学校教諭・熱海康太

授業中の私語への対応

授業中の私語は、経験の浅い教師が最もよく遭遇する問題の一つです。まず重要なのは、私語をしている子を感情的に注意することではありません。効果的な対応は、私語をしている子の近くに自然に移動し、その子を見つめることです。多くの場合、これだけで私語は止まります。

それでも続く場合は、「○○さん、今の説明で分からないことがありましたか」と、授業内容に関する質問を投げかけます。叱るのではなく、授業に参加させることに重点を置くのです。

複数の子が私語をしている場合は、授業の進め方そのものを見直す必要があります。子どもたちが飽きているのか、理解できていないのか、活動に参加できていないのかを分析し、授業改善につなげます。大きな声などの力技で押さえることは現実にはあるとしても、そればかりに頼ると根本的な解決が難しくなってしまいます。

集中できない子への支援

集中できない子には、まずその原因を探ります。姿勢が崩れている、机と椅子の距離が適切でない、周りに気が散るものがある、といった環境要因を確認します。「椅子を前に引いてみよう」という簡単な声かけで改善することも多くあります。

また、その子に適した課題を提供することも重要です。難しすぎても簡単すぎても集中は持続しません。個別にプリントを用意したり、理解度に応じたヒントを出したりして、「ちょうどよい課題」を設定します。

集中が続かない子には、短時間での達成感を味わわせることが効果的です。特に発達に特性がある子の中には、短期的な報酬(認め)や見通しを持つことでモチベーションが上がる子も少なくありません。「まず5問だけやってみよう」「10分間だけ集中してみよう」といった小さな目標を設定し、達成できたら大いに褒めます。

よくそれでは報酬(認め)がなくなったら何もできなくなるのではないか、と質問されることもあります。これは目的の違いで、もちろん、そのように報酬がなくてもできるようになることも大切です。ここではもっとその前の段階として、成功体験を積み重ね、学習の流れや感覚を身につけさせることを目的としています。まずは、子どもの前向きな気持ちを喚起する最初の一歩として、このようなアプローチは大切になるのです。

忘れ物への建設的対応

忘れ物をした子には、叱るよりも問題解決能力を育てることを重視します。「明日忘れない方法」「ずっと忘れない方法」「今日どうするか」の3つを考えさせます。

明日の対策としては、ランドセルの中やよく見る場所に付箋を貼る方法が効果的です。また、家で準備した絶対に忘れたくないものについては、必ず持っていくことが確定しているものと紐づけます。たとえば、体操着を忘れたくないのなら、明日履いていく靴の上に乗せておけば忘れる確率は極めて小さくなるでしょう。

長期的な対策としては、習慣化のためのシステムを考えさせます。例えば、帰ってきたら必ず宿題をやる、準備のためのリストを作成するなどが考えられます。

今日の対応策も重要です。先生に借りる、代替手段を考える、といった問題解決の方法を自分で考えさせることで、忘れ物をしても困らない知恵を身につけさせます。

全体の流れに乗れない子の対応


バナーイラスト/futaba(イラストメーカーズ)

熱海康太

著者:熱海康太(あつみこうた)
一般社団法人日本未来教育研究機構 代表理事
大学卒業後、神奈川県内の公立学校、私立学校で教鞭を取る。
大手進学塾の教育研究所を経て、現職。
10冊以上の教育書を執筆し、全国10,000人以上の先生方に講演を行うなど、幅広く活動している。

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