朝活ルーティンで、学校経営は半分終わったようなもの! 管理職は朝の時間を活用しよう

「おはようございます!」児童生徒の元気な声が聞こえてくる前の、誰もいない静寂な校舎に一番乗りして、学校が安心安全に運営されるためのチェックと準備を行う。それこそが、教頭(副校長)の最大の仕事と言っても過言ではありません。今回は、朝の効率的なルーティンについて一緒に考えていきましょう。
執筆/元山形県公立小学校教頭・山田隆弘

目次
仕事の本質はリスクアセスメントにあり
わたしは少し早めの登校を心がけ、
「校舎巡視10分、職員連絡事項整理5分、メールチェック10分、待機時間15分」
と、時間を割り振った行動を毎朝のルーティンとしていました。これは教頭生活を送ってきた経験則から、教頭(副校長)のいちばんの仕事は、一日の始まりに適切なリスクマネジメントをすることが、円滑な学校経営にとって最も効果的であると学んだからです。実際に起きた事例をひもといていきましょう。
①校内巡回
学校が無人となる夜間から早朝の時間に、何か問題が生じていないかどうかを巡回して確認しましょう。
エピソード「ガラスの破片」
ある朝、いつものように誰もいない校舎を静かに歩いていました。すると、視界の隅にキラリと光るものが。「あれっ?」と足を止め、確認すると、それは小さなガラスの破片でした。
「誰かが割ってしまったのだろうか?」
と考えながら急いで児童昇降口へ向かうと、案の定、窓が割れていました。
もし、このガラス片を教頭が先に発見していなければ、どうなっていたでしょう。おそらく、登校してきた児童がけがをしていたかもしれません。あるいは、朝会直前に、
「せんせい! 窓が割れてます!」
という報告で対応に追われ、他の準備が遅れていたかもしれません。実はこの事案は、投石によるものでした。その後は警察に連絡し対応しました。
誰もいない校舎を歩くことは、単なる巡視ではありません。それは、児童生徒が登校する前に危険の芽を摘み取る時間です。五感をフル活用し、電気の消し忘れ、水の出しっぱなし、そしてわずかな異変も見逃さないようにしたいですね。