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ダブルダッチは難しいと思っていませんか? 【使える知恵満載! ブラッシュアップ 体育授業 #94】

連載
使える知恵満載! ブラッシュアップ体育授業

筑波大学附属小学校教諭

平川 譲
使える知恵満載! ブラッシュアップ 体育授業

ダブルダッチは、名前の通り2本のなわをリズミカルに跳ぶ技です。なわの中で様々な技を披露する競技にもなっていて、子どもたちも「かっこいい!」「跳んでみたい!」と思う憧れの技です。
2本のなわを回すため一見難しく感じるかもしれませんが以下の解説のように子どもの実態が育っていればダブルダッチに挑戦することはそれほど難しくありません。

執筆/東京都公立小学校教諭・今田菜美
監修/筑波大学附属小学校教諭
 体育授業研鑽会代表
 筑波学校体育研究会理事・平川譲

1.こんな実態ならダブルダッチOK!

#43「ひょうたんとび」#44「ひょうたんダブル」のような技がスムーズにできていれば、学級全体の長なわ跳びの技能はかなり高まっていると言えます。大きなつまずきなく、ダブルダッチに入っていけるでしょう。
小学生の授業では、既習を生かして2本の回旋するなわに入って跳ぶことができれば十分です。2本のなわから抜けたり、これを生かして8の字跳びをしたりするのは発展的な課題とするのがいいでしょう。

図表1

2.どうやって跳ぶの?

①なわ回し

ダブルダッチは2本のなわを回すため、回し手の技能がポイントになります。中に入って跳ぶことよりも先に、なわを回す練習をしましょう。
まず、2人でなわを両手に持ってピンと張ります。2本の長さが違ったら、長いほうのなわを手に巻いて長さを揃えます。
次になわを体の前で左右交互内側に回します。最初は手首を使って小さく回し始め、2人が近づいていきます。床になわが当たる位置まで近づいたら、手を体の前で丸く大きく回し、なわの回旋を安定させます。
2本のなわが当たることなく、丸く10回程度回せるようになったら、次の回し手に交代して練習します。

図表2

②なわに「入る」

全員がなわ回しに慣れたら、回旋する2本のなわに入ってみます。
回し手の横からなわに入ります。なわが2本あるため、はじめは難しく感じますが、しだいに入れる子が出てきます。その子を手本とし運動観察をさせ、「〇〇くんは、手前のなわと奥のなわ、どっちのなわを見ていると思う?」と問います。すると多くの子が「手前のなわを見ていると思うよ」と答えるでしょう。また、本人に「どっちのなわを見ている?」と問うてみてもいいでしょう。
子どもたちの中には「奥のなわ」のほうが入りやすいという子もいますが、基本的は「手前のむかえ回しのなわ」に合わせるのが入りやすいと考えていいでしょう。入る際には、班の仲間が「はい!はい!」と口伴奏をしてやるのも効果的です。

図表3

なわに入れない子のつまずきは、入るタイミングがつかめないことです。なわが2本になったことで、今まで跳べていたむかえ回しのなわを急に難しく感じてしまうのです。このような子は、再度なわを1本にして、むかえ回しを跳んでみるのがいでしょう。感覚が戻って、2本のなわも入れるようになっていきます。
この段階では、2本のなわの中に「入る」を課題としておきます。全員がなわの中に入れるようになる頃には、「〇回跳べた!」と言って、中で跳ぶ子が現れてきます。そのタイミングで、次のステップに進みましょう。

図表4

③なわの中で「跳ぶ」

全員がなわに入れるようになったら、いよいよなわを跳びます。最初はたくさん跳べなくて当たり前。中で3回程度跳ぶことを目標にします。
全員3回程度跳ぶことができたら、連続跳びを課題にします。このときに見られるつまずきは、必要以上に高く跳んでしまうことです。高く跳ぶと、なわのリズムに間に合わずに引っかかってしまいます。ダブルダッチは2本のなわを跳ぶので、跳躍のリズムが速くなります。このリズムを体感することをねらいとして、1本のなわで1回旋2跳躍の練習をさせます。この練習で速いリズムの跳躍を体感すると、なわを2本に戻した際に、抵抗なく跳ぶことができます。
連続跳びの回数を増やすには、回し手も上手になっている必要があります。回し手は跳び手の足元を見ることと、上でなわが揺れないように丸く回すことがポイントになります。跳び手の足の下を通そうと意識して、利き手でないほうの手がクロールのような動きになりやすいので、体の前で手を丸く回すことを、ここでも意識させます。

図表5

10回跳ぶことができると、「もっと跳びたい!」という声が聞こえます。目標回数を少しずつ増やしていくとよいでしょう。
中には、「先生! 抜けられた!」となわから抜ける子が出てくることもあります。10回跳べれば十分ですが、抜けられる子が多くなれば、ダブルダッチ8の字も可能です。発展的に扱ってもよいでしょう。
冒頭で述べたような子どもの実態を条件に、スモールステップを意識して取り組んでいくことで、憧れのダブルダッチも跳ぶことができます。

次回は、ダブルダッチの抜け方、そしてダブルダッチアレンジを紹介します。子どもたちの「できた」の集大成です。ぜひ、取り組んでみてください。

【参考文献】
平川 譲(2018)『写真でわかる運動と指導のポイント なわとび』大修館書店
筑波大学付属小学校体育研究部・平川 譲・清水 由・眞榮里耕太・齋藤直人(2017)『1時間に2教材を扱う 組み合わせ単元でつくる筑波の体育授業』明治図書出版

イラスト/佐藤雅枝

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今田菜美教諭

執筆
今田 菜美
東京都公立小学校 教諭
大阪府生まれ。学びの系統性を考えることで、子どもたちの「できそう・できた」を保障する授業を目指して、日々実践中。


平川譲教諭

監修
平川 譲
筑波大学附属小学校 教諭
体育授業研鑽会 代表
筑波学校体育研究会 理事
1966年千葉県南房総市生まれ。楽しく力がつく、簡単・手軽な体育授業を研究。日本中の教師が簡単・手軽で成果が上がる授業を実践して、日本中の子どもが基礎的な運動技能を獲得して運動好きになるように研究を継続中。『体育授業に大切な3つの力』(東洋館出版社)等、著書多数。


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