ページの本文です

教師力向上のためにやるべきこととは?<中高教員の実務>

連載
中高教員の実務

創価大学大学院教職研究科教授

宮崎 猛

文京学院大学名誉教授

小泉博明

研究会に参加したり、初任者研修で他校の教師と関係を構築したりすることで切磋琢磨しながら自己研鑽に励みましょう。また、教養を身につける、情報収集をすることも大切です。

編著/小泉博明・宮崎 猛

【特集】中学校・高校教師 実務のすべて#51

毎日、反省ばかり。授業をするほど、教師として自信がなくなってきます。教師力を向上させるために、自分には何が必要なんだろう?

教師力とは、「授業力」「生徒指導力」「学級経営力」の三位一体で構成されるものであり、これらの3つがバランスよく備わっていなければなりません。「授業力」を高めるためには、生徒を授業に引きつけるだけの「生徒指導力」がなければなりませんし、担任としては「学級経営力」も問われます。教師にとって重要なのは授業ですが、しかし、それがすべてではないのです。

教師力向上のために

研究会に参加する

研究会は大きく2つに区分されます。1つは教科教育の研究会であり、もう1つは学級経営、進路指導、生徒指導などの研究会です。どちらの研究会にも参加し、教師力を向上させるべきですが、多忙な状況を考えれば、現実的ではありません。今の自分に必要な研究会を1つに絞り、積極的に参加しましょう。

また、参加するだけではなく、研究会で発表することもおすすめです。さらには、「研究紀要」の執筆、学会への参加、学会での研究発表、文部科学省科研費をはじめとする研究費の獲得など、ステップアップも可能です。

教養を身につけ、自己研鑽

新任教師の頃には教材研究に多くの時間をかけ、授業準備をしたのに、何年かすると、その情熱をなくしてしまう教師もいます。あるいは、雑務が多いのでと多忙を言い訳にする場合もあります。しかし、教師たる者、専門とする教科に関しては常に最新の情報を仕入れ、さびつかせてはなりません。そして、同時に、教科以外の幅広い教養を身につけることも、教師力向上には欠かせない自己研鑽です。

年間、月間、週間の目標を立てて、計画的に実行していきましょう。例えば、月に一度は観劇や音楽鑑賞を、週に一度は映画鑑賞を、など……。「そのうちに」や「暇ができれば」では、何も実行できずに終わってしまいます。

初任者研修の有効活用

初任者研修の主な目的は、教師としての基礎的・基本的な資質や能力の養成を図り、教師としての自覚と責任をもたせることにあります。また、基礎的な「授業力」「生徒指導力」「学級経営力」などを身につけるための研修でもあります。

こうした研修は自己を研鑽するためのものですが、研修会で知り合った他校の教師とも親しくなり、ヒューマンネットワークを構築しておくことも大切です。一人ではなく、ともに歩む仲間がいるということは心強いものです。

日々の授業実践に学ぶ

1週間に15時間(コマ)の授業を、1年間に30週担当すると、450時間(コマ)となります。要するに、1年間に約500時間(コマ)の授業を教師は担当しています。20年のベテランの先生は1万回の授業を実践したことになります。

数多く実践すれば授業がうまくいくわけではありませんが、先輩の技を盗み、自分のものにしていくことも大切です。

教師力向上を考えるうえで重要なのは、テクニックや理論ではなく、人間力の向上です。教師自らが輝
き、魅力ある先生となることです。生徒に憧れをもたれるような教師になることをめざしましょう。生
徒や保護者のご機嫌をうかがい、生徒や保護者に迎合するようでは、教師力は向上しません。

イラスト/タバタノリコ・畠山きょうこ

この記事をシェアしよう!

フッターです。