オールコートでバスケットボールを楽しむにはどうすればいいの? 【使える知恵満載! ブラッシュアップ 体育授業 #90】


#88ではシュートに特化した教材、#89ではハーフコートゲームの教材を紹介してきました。今回は、2つのゴールを使うオールコートでバスケットボールを楽しむための教材を紹介します。
執筆/栃木県公立小学校教諭・下野誠仁
監修/筑波大学附属小学校教諭
体育授業研鑽会代表
筑波学校体育研究会理事・平川 譲
3on1でシュートに関わる場面をたくさん経験したら、2つのゴールを行ったり来たりするオールコートゲームに進むことができます。オールコートの試合になると、攻守がめまぐるしく変わり、状況判断がとても難しくなります。5年生の3on1(ハーフコート)でボールを持ったとき、ボールを持ってないときの判断や動きを高め、6年生でオールコートゲームという進み方だとカリキュラム上のバランスも取りやすくなります。
目次
1 ドリブルなしのルールで
オールコートのゲームも3on1と同様に、ドリブルはなしで、パスのみでボールを相手ゴールに進めて行きます。バスケットボールチームに所属している子やボール運動を得意とする子が、「ドリブルありにしたい!」と言うかもしれませんが、ドリブルをOKにしてしまうと、技能差がより顕著になり、ボール運動の苦手な子がゲームに参加しづらくなってしまいます。
2 チームの人数・チームづくり
1チーム8人で、前半4人、後半4人が交代でゲームに参加します。クラスの人数が少ない場合は、1チーム6人で前半3人、後半3人でもOKです。また、班の人数に差があったり、欠席者等がいたりする場合は、誰かが前後半と2回出場するようにします。2回出場する子が特定の子に偏らないように、順番に回しましょう。
チームをつくる際は、チーム編成委員会を立ち上げ、その子たちに各チームの強さが均等になるように話し合って決めさせます。チーム編成委員会の子たちは必ずばらけて、各チームに入るように指示します。チーム編成委員会の子たちの決め方は、希望者を募る方法や、やってほしい人を推薦させるなど、学級の実態に合わせて考えるとよいでしょう。
チーム編成委員会の子たちが考えたチームをクラス全員で確認し、承認されたらチーム決定となります。その後に、チームに関して不満は言わないということをしっかりと約束してから、ゲームに入ります。