【連載】坂内智之先生の 愛着に課題を抱えた子が伸びるアプローチ~学級担任にできること~#7 愛着の課題を乗り越える授業、どうつくる?<後編>―実践編その3―

近年、教員たちが対応に苦慮し、学校現場を根底から揺るがしている「愛着障害に苦しむ子どもたち」。そうした子どもたちによって荒れた学級を何度も立て直してきた坂内先生が、今、学級担任に何ができるのかを提案し、これからの学級のあり方について考えていく連載第7回。今回も授業を変えるための具体的なポイントについて提案していきます。
執筆/福島県公立小学校教諭・坂内智之
目次
愛着障害を抱える子も学べる授業づくり
前回に引き続き、授業の改善策と、それを実践する際の具体的なポイントについて提案していきます。前回(第6回)に示した「改善策その1」と合わせてお読みください。
改善策その2 「授業の中で選択や決定の機会を増やす」
前回の改善策その1、「安心できる環境づくり」の項でも少し触れましたが、授業の中での選択場面、自己決定場面を増やすことはとても大切です。より詳しく解説していきたいと思います。
じつは、愛着の課題を抱える子どもは「選択」や「決定」がとても苦手で、「誰かに決めてほしい」という子が多いのです。ですから、「自分で選んでいいよ」「自分で決めてごらん」と言うと、困惑して固まったり、中には怒り出したりする子どももいます。
それでも、選択と決定を授業の中で大事にするのは、そこに愛着の課題を抱える子どもの回復の鍵があるからです。
まず理解する必要があるのは、「なぜ自分で決めることを嫌がるのか」です。
これまで私が子どもの言動を追ってきた中で分かってきたことは、愛着に課題のある子どもたちは、「自分が決めたことでうまくいかなかった経験がある」「自分で決めるとその責任は自分でとらなければならない」という恐れや不安をもっている、ということです。そうであるならば、授業の中でこうした恐れや不安を解消し、選択と決定の場を増やすことで、自ら選ぶことの楽しさと安心を感じさせることができるのではないか、と私は考えました。
それができるなら探索へと子どもの行動は広がり、愛着の課題からの回復を目指すことができます。そんなこと、本当にできるの? とお感じの方もいらっしゃるかもしれません。
じつは、とても簡単なことなのです。
ポイント1 そもそも何を「選択」「決定」させるか
私は授業中、子どもにかなりの部分を任せています。
例えば、学ぶ環境です。理科の授業では、実験など、どうしても理科室でしかできない学習以外は、廊下や自分の教室、図書室など、自分が学びやすい場所で学んでよいことにしています。
もちろん、こんな実践はかなり特殊で、普通に授業をする多くの先生にとって現実的ではありません。でも、これを教室内に限定したらどうでしょうか。
「席を自由に移動しても大丈夫」「学びやすい人と一緒に学んでもよい」「授業中は自由に座れるテーブル席を設置する」など、範囲をある程度限定することで、教師側も見取りやすくなります。
まずは、こうした「学習環境を自分で選べる」ということを、子どもに経験させてみることをお勧めします。
また、誰と学ぶのかという選択、決定も、とても重要です。誰とどう学ぶのかは、学習を理解し深めていく子どもにとって、とても大切なことです。しかし、我々大人と同じように、子ども同士にも相性というものがあります。教師が意図的に子ども同士を組み合わせたとして、それが効果的かどうかなど分かりませんし、その組み合わせのパターンは膨大です。それならば、子ども自身が誰と学ぶのかを選択、決定できる環境をつくってあげた方が間違いありません。
また、近年では「個別最適化」という言葉も広がってきました。自分の学びに合わせ、自分に合った学び方をしていくというものです。具体的な実践方法を学ぶ機会や授業を観る機会も増えてきました。そうした実践を参考に、自分の授業の中に取り込んでみるとよいでしょう。
ポイント2 選んだことを大切にする
子どもの選んだことや決定したことは、我々大人からすると見栄えせず、見通しも甘いですから、いろいろと口出ししたくなるものです。
でも、そこには自分が考えた、自分が選んだという強いこだわりがあります。ですから、子どもの決めたこと、子どもが決定したことに関しては、できるだけ口出ししないようにしています。
例えば、理科の授業で子どもが考えた実験方法は、そのままでは失敗することが分かっていますが、危険がない限り止めません。そこには、子ども自身が考えたというこだわりがあるからです。体育の持久走では、走る距離を子どもたち自身が決めることにしています。子どもたちが決めたことに対して、「あなたはもっと距離を伸ばして」とか「無理しないで」とは言いません。子どもたちが自分で決めたこと、取り組んだことを大切にします。
自分の選んだことが否定されない、自分が選んだことを先生が認めてくれるという信頼が、子どもが安心して学べる環境をつくってくれるのです。
なお、教師から見てあまりにも不適切な内容(誰かが傷つくようなことや周りの人が不快に思うようなこと)に関しては、見直させた方がよいでしょう。その場合には、なぜそれを選んだのか、それで何を得ようとしているのかを子どもとの対話を通して聞き出し、その意図をくみ取りながら、軌道修正していくことが大切です。その場合も「指導」ではなく、あくまで「教師(大人)からのアドバイス」、という立ち位置を意識するとよいと思います。
ポイント3 失敗を大切にする
子どもが選択、決定したことは、初めはたいてい失敗してしまうものです。「思ったように学べなかった」「仲良く学べると思ったけどケンカが多くなった」「思ったように学習内容が身につかなかった」…など、やってみて初めて分かることも多いのです。
大切なのは、「そんな失敗こそが大切で、ダメだなと感じたら何度でもやり直せばよい」という教師の姿勢です。私たち教師は、「子どもに失敗させたくない」「ちゃんとやらせたい」という考え方に囚われがちです。しかし、よく考えてみてください。まだ10歳前後の子どもです。そして、学校という場は、失敗を重ねながら自分にとっての最適を探す場所であるはずです。
「どんどん失敗してごらんなさい」という、教師が子どもの失敗を保障する姿勢は、「選んで失敗しても叱られない」「自分で決めて失敗してもまたやり直せる」という子どもの安心につながっていくのです。
これを妨げているのは、教師自身が囚われている常識です。教師がもっと楽に子どもの失敗に付き合ってあげれば、子どもも、教師自身も楽になります。
「人は失敗を積み重ねながら生きていく」。そんなごく当たり前のことを、学校の授業の中に取り戻していく必要があるのだと、私は考えています。
ポイント4 「決められない子」「どうでもよいと言う子」に無理強いしない
愛着の課題を抱える子どもの中には、上記のような対応の中でも、決めようとしない子、「どうでもよい」と距離をおく子もいます。そんな子どもに対しては、どうすればよいでしょうか。もっと教師が積極的に関わってあげるべきでしょうか。私は、放っておいてよいと思います。
もちろん、「いつでも歓迎だよ」という姿勢は大切ですが、愛着に課題を抱えている子どもは、長い年月の中でそうなっているわけで、その回復には時間がかかります。安心もない中で「選択決定していいよ」と言われても、すぐには動き出せないものです。
でも、そんな子もきっと大丈夫です。周りの子どもたちがどんどんポジティブに動き出すと、そうした動きを見て、次第に気になっていきます。そのうちに、周りの子が「一緒にやろう!」「一緒に考えない?」と言葉をかけてくれることでしょう。機が熟したら、そういう言葉をかけるよう、周りの子どもたちに声をかけて促しておくとよいかもしれません。
教師は気になる子どものことをあれこれと心配しがちですが、クラスの大半が選択決定して動き出すことにより、その子も周囲の動きに合わせて、自分で決めて動き出すようになります。
周りの子どもの「安全」「安心」の感覚が伝播し、不安を抱える子どもを変えていくのだと考えています。
改善策その3 「共同(協働)学習を広げる」
一斉指導型の授業は、「古臭い授業スタイルだ」と批判されることも多いのですが、子どもと教師の間に深く強いつながりをつくっていく上では、決して悪い授業スタイルではありません。
しかし、近年のように愛着の課題を抱える子どもがクラスに複数いる場合には、このモデルで授業を成立させるのはかなり難しくなります。
なぜなら、教師との個としてのつながりを強く求める愛着障害の子どもは、「私は指名されなかった」「〇〇さんばかり…」「どうせ先生は私を指してくれない…」などと、他の子が先生とつながること自体を不満に感じるからです。
最初にお伝えしたように、私の授業の多くは共同(協働)学習スタイルで展開しています。私の強みの一つがこの共同(協働)学習だと言えます。
しかし、このスタイルにも大きな課題があります。愛着に課題を抱える子どもの多くは先生とのつながりを求めますから、子ども同士のつながりに軸足を置く授業の中では、その子は不安を感じやすく、予期せぬトラブルが発生しやすくなるのです。
「そうした子が複数いて、クラスをコントロールしにくい」という不安を抱いている教師は、こうした授業を展開することが、とても怖いのではないかと思います。
しかし私は、「不安定だからこそ」と考え、共同(協働)学習でそういう学級を立て直してきました。
なぜなら、愛着に課題を抱える子どもたちの回復において、クラスの仲間たちはとても大切な存在だからです。従来の愛着障害、愛着に課題を抱える子どもへの対応においては、キーパーソンとして主に担任の教師(大人)との関わりが重要視されてきました。
ところが、これまでも何度かお伝えしてきたように、近年の学校現場には愛着の課題を抱える子どもたちが複数存在します。その場合、従来の1対1の関係だけでは、対応がとても難しくなると考えています。
私が提案する「新しい愛着からの回復モデル」では、教師との関係性だけでなく、子ども同士の関係性をうまく利用しながら、当事者の子どもの安全や安心を担保していきます。
そのためには、共同(協働)がとても重要なカギとなります。
ここからは、私のこれまでの実践を振り返り、愛着に課題のある子が複数在籍する学級で共同(協働)学習を進めていくための大切なポイントを3つ、紹介していきたいと思います。
ポイント1 共同(協働)学習のよさを感じ取らせる
「みんなで考えて学習しましょう」と言われても、すぐに動ける子どもは少ないものです。
ましてや愛着の課題をもち、探索へと踏み出せない子どもたちなら、なおさら難しいものです。
こうした子どもたちに対して私が最初にすることは、「共同(協働)学習の大切さ」を伝えていくことです。みんなで学ぶことがなぜ大切なのか、みんなで学ぶとどんなよいことがあるのか、そうしたことを日常的に話します。
「そんなこと誰だってやっていますよね」と思われる方も多いかもしれませんが、それが子どもにしっかりと伝わっているのかどうかを真摯に考えると、そう簡単ではありません。
長年実践している私でも、その大切さを子どもにすぐに伝えられるのかというと、とても難しいと感じています。ですから日常的に、授業の始まりや朝の時間などに、何度も話していきます。
そうした関わりを繰り返す中で、その価値観が子どもたちに少しずつ浸透していきます。私には、子どもたちへの話の中で大切にしていることがあります。それは、「自分だけでは不可能なことが友達となら可能になる」という意識です。私は、そのことを子どもたちに認識、実感させる機会を逃さないようにしています。
「Aさんと一緒にやると、こんなに進めちゃうんだね」「Bさんの考えを聞いてどう思った?」「分からなかったところ、誰に聞いたの?」「他の人からもっといろんな話が聞けそうだね」といった言葉を多用します。こうして子どもと子どもをつなぎながら、同時に担任である私(先生)も、ちゃんと自分を見てくれているのだなという安心感を与えていきます。
自分を見てくれている先生がいる教室の中で、友達との関わることのよさを感じ取れることが大切です。まずはこうした共同学習の心地よさを実感させていくことを大切にします。
ポイント2 最初は小さく行う
初めから大きく共同(協働)学習の規模を広げようと欲張ると、次第にコントロールができなくなり、子どもを叱ったり、諦めてやめてしまったりすることにつながります。
最初からあまり欲張らずに、10分だけ自由に学び合える時間をとるなど、「小さな共同(協働)学習」から始めることをお勧めします。10分でも不安なら、5分だけでも十分だと思います。
自分のコントロールできる範囲の中で、子どもたち同士のつながりを促し、子ども同士を結び付けていければよいと考えています。愛着に課題のある子は、それだけで十分に新たな「学級の仲間」という安心のつながりをもつことができます。
一つの教科でもそうした授業ができれば、他の教科にも広げていくことが可能になります。教科が広がれば子ども同士のつながりも次第に多様になり、より一層深くなっていきます。
ポイント3 難しい教科にこそヒントがある
不適切な言動をする子、授業から逃げ出す子、諦めて何もしない子……こうした子どもの姿が多く見られる教科の代表として、体育科が挙げられます。
他の教科に比べて、なぜそうした姿が多く見られるのでしょうか。
体育科の授業には、常に「比較」や「競争」が付きまとうからです。図画工作科や音楽科など、他の技能授業と違うのは、この比較や競争です。であればとこの比較や競争を排除してしまったら、体育の授業はどうなってしまうと思いますか?
私はこの数年間、その実験を子どもたちとの授業で行ってきました。結果は予想通り、比較や競争を排除した後は誰もが安心できる楽しい授業になり、トラブルもほぼ起こりませんでした。
では、どうやって体育の授業から比較や競争を排除したのか。そのポイントをお伝えします。
体育科の授業内容は、大きく個人を中心とした種目と、ゲームなどのチーム種目とに分かれます。まず、個人種目においては、私の授業では緩やかに「苦手な人」と「得意な人」に分け、それぞれが自分の体力や技の向上を目指していきます。
その過程では、友達にアドバイスをもらったり、助けてもらったりすることを大切にします。明確な数値目標は立てず、「自分が楽しいと感じる」ことを大切にして練習に励ませていきます。
多くの学校で開催される持久走の記録会なども、本校では廃止し、気持ちよく走ることを楽しむイベントに変えました。本校の持久走では走る距離を自分で選ぶことができ、コースの途中には水やスポーツドリンクを飲める給水場を設置、疲れたら歩いてもよいことにしています。
結果、多くの学校で発生する持久走の練習中のトラブルが、本校では全く起きません。
じつは、授業中のトラブルが最も頻発するのは、ゲーム等のチーム種目においてです。対戦相手とトラブルになったりチーム内の雰囲気が悪くなったりしやすいからです。
そこで、私の授業では次のような取組をしています。
まずは、チームの中には運動が得意な人と苦手な人が当たり前にいることを伝えます。
次に、チームの目標は相手に勝つことでなく、自分のチームが強くなることだと伝えます。
そして最後に、負けることの大切さも伝えます。負けることによって自分たちのチームの足りていないところが分かるので、負けた後チームみんなで話し合い、今後の練習でどんなところを大事にするかを考えるよう促します。
運動の得意な子どもには、「チームのリーダーとしてみんなにアドバイスしたり、練習の計画を立てたりして、チームを盛り上げてほしい」と伝えます。こうした言葉かけの威力は絶大です。
これまで愛着の課題を抱え、比較や競争になる度にトラブルを起こし、チームから逃げ出していた子どもが、チームの中心としてみんなに優しい言葉をかけてまとめたり、チームの一員としてみんなと協力して活動したりする姿が増えていきます。
ですから、私の体育の授業では、ゲーム種目でもトラブルが起きません。ゲームに負けても誰も怒ったりいじけたりしないからです。こうした取組は、体育の授業だけでなく、図画工作科での共同制作や、音楽科の合奏などでも同じような効力を発揮し、共同的な学びを促進させていきます。
改善策その4 「授業改善の効果を確かめる」
初めに話したように、学校における多くの時間は、授業の時間です。
上記のような小さな改善策の積み重ねによって、確実に子どもたちの姿が変化していくはずですが、授業が本当に改善されているのかどうかについては定期的に確かめる必要があり、それを正確にできるのは担任自身だけです。
授業改善編の最後に、担任として授業の改善効果を見極める際に大切な二つのポイントをお伝えしたいと思います。
ポイント1 子どもたちの姿を「微分」する
子どもたちの姿を「微分」するとは、もちろん比喩ですが、細かな変化を気にせずに単純化して、その成長の傾き(上向きか下向きか)だけに着目した方がよいという意味です。
私は子どもの日常は曲線グラフのように複雑に上り下りしているようなものだと捉えています。
「あの取組はうまくいったな」と思う日もあれば、「あの言葉かけは失敗だったな」と思う日もあります。子どもたちの曲線のグラフは、1日の中でも上がったり下がったりしていますし、1週間の中でも上下します。「微分する」というのは、そうした細かな変化に囚われすぎず、それらをあえて直線グラフに置き換え、子どもが上り調子なのか、それとも下り調子なのか、その変化の兆しを捉えるようにすることです。
具体的には、週単位や月単位でクラスの状況を眺めます。
「自分自身が心地よいな」「子どもの表情が明るいな」「子どもの肩の力が抜けているな」、そう感じるのなら上り調子ですし、逆であれば下り調子です。
大切なのは毎日の小さな事柄に左右されず、少し長めのスパンで子どもの調子を把握し、対応することです。その際に大事なのは、特定の子どもについての曲線ではなく、学級集団の成長の状況を直線の連続として捉えることです。
当たり前ですが、子ども一人ひとり、全員の状況を全て曲線で捉えることなどできません。
しかし、学級全体として見れば、その雰囲気を捉えることはできます。
もし、一定期間における教室という場が上り調子だなと思えればそのままでよいですし、下り調子だなと感じた時には、もう一度授業を見直し、新たな手立てを考えていけばよいのです。
授業を見直し、新たな手立てを考える際に、最もよい方法があります。
それは、子どもたちに聞いてみることです。
「最近、みんなの雰囲気が悪いなって心配しているんだけど、みんなはどう感じる?」「授業でもっとこうしてほしいってことはある?」「先生に変えてほしいことはあるかな?」などと率直に聞いてみる(相談する)と、子どもたちは真剣に考え、改善策を伝えてくれることでしょう。
子どもこそが一番よい相談相手なのだと私は考えています。
ポイント2 学力の向上
学力向上への圧力が近年の学校の不安定さを招いていることを伝えてきました。
学習規律や宿題の強化、行き過ぎた学習スタンダードの徹底などの圧力が子どもの不安を増大させてきたことは確かです。
学力向上は大切な指標ではありますが、もっと大切なのはその目的です。
学力向上を最優先の課題としてしまうと、前回述べたように苦しい授業、耐える授業になってしまいがちです。
そうではなく、前回と今回で提案したような取組を積み重ね、子どもが安心して学べる環境、何度でもやり直せる、誰とでも学べる環境を整えると、結果として学力は上がってきます。
それはテストの点数だけではなく、発言の多さや、課題に取り組む速さ、粘り強く学ぶ姿となって現れてきます。もちろん、テストの得点も高くなってきます。
こうした様々な学力向上が感じられるようになったら、授業の改善がうまく進んでいる、と言えるでしょう。その逆であれば、何かがうまくいっていないのですから、自分の授業を見直すきっかけにすればよいだけです。
前回と今回(授業改善編)のまとめ
授業は、子どもの愛着の課題を悪化させてしまうトリガーにもなりますし、回復させていく力にもなります。 授業の方法には、正解があるわけではありません。10人の教師がいれば、10通りの授業があります。
ですから、私の実践をトレースすることが正解なのではなく、これを読まれた先生方が私の実践の意図を解釈し、自分の持ち味や特性に合わせて考え、アレンジして実践することが大切です。
まずは、一歩踏み出して、いろいろと試してみることです。いろいろと試していくうちに、きっと苦しい現状を突破できる大きなヒントが生まれるに違いない、と私は考えています。

坂内智之プロフィール
ばんない・ともゆき。1968年福島県生まれ。 東京学芸大学教育学部卒業。福島県公立小学校教諭。協働学習の授業実践家で「学びの共同体」から『学び合い』の授業を経て、20年以上にわたり、協働学習の授業実践を続ける。近年では「てつがく」を取り入れた授業実践を行う。 共著に『子どもの書く力が飛躍的に伸びる!学びのカリキュラム・マネジメント』(学事出版)、『放射線になんか、まけないぞ!』(太郞次郎社エディタス)がある。
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