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変わらない学校にイライラしているあなたが確実にできる一つのこと

特集
職員室の人間関係あるある:リアルな改善策を集めました!

心理カウンセラーとして30年以上対人関係などをテーマにセミナーやカウンセリングを行い、小学校教師からの相談も数多く受けてきた石原加受子さんに、教師の、人にはなかなか言いづらい悩みについてアドバイスをいただきます。

執筆/心理カウンセラー・石原加受子

漫画「できることから」
イラスト/小泉直子

自分が楽にできる範囲とは?

あきらかに改善すべきことについて、「前例がないからといって、頭から否定する教頭がいて、困っています」という相談がありました。

ボス的な男性で、気が利いていて行動力があるため、頼りになる反面、彼と違う意見を提案すると強く否定されてしまうのだといいます。

「誰も何も言えない雰囲気になっていて、私も萎縮いしゅくしてしまいます」
「面倒な仕事になるとやりたがらないので、たらい回しになって、結局、自分のところに回ってきます」

といった相談もあります。こんなときの対処方法として、まず、ひとつ、共通することがあります。

それは、個人的な問題としてすぐに対処できるものなのか、時間がかかるものなのかを、しっかりと見極める力が必要だということです。

どんなに気をんでいるとしても、歯がゆい思いをしているとしても、自分が直面していることが学校全体にかかわる問題で、自分一人の力だけではどうにもならないということもあります。

例えば、学校が掲げている教育方針というものは、自分の力ですぐに変えることはできません。指導方法が自分にとって適切でないと思っても、それが全体で決まっていることであれば、それをすぐに変えることはできません。

職場という単位で見ても、一人のボスがその全体を仕切っているという場合であれば、その体制をすぐに崩すことはできません。そんなときは、その中で、「自分のできることは、何だろう」という発想をすることです。  

もちろん、条件があります。

例えば、

争いを引き起こすのが目的ではないということ。
自分が怖くない範囲で実行できること。
そして、自分が傷つかないようにするということです

それらをまとめて言うと、「自分が楽にできる範囲」ということになるでしょう。

それぞれの立場に思いをはせよう

楽な範囲なんて、じれったいと思う人もいるかもしれません。とりわけ正義感の強い人だと、すぐに「不正をただしたくなる」でしょう。けれども、すぐに形にならないとしたら、それには理由があります。

それは、校長の立場、教頭の立場、職員それぞれの立場によって、見え方や事情が異なるということです。

例えば、あなたが、「自分のやり方のほうが正しい、子どもたちのためにもなる」として、それを教頭に求めたとしましょう。教頭も、それに賛成しました。にもかかわらず、教頭は、なかなか動こうとしません。あなたはごうを煮やして、教頭に迫りたくなるかもしれません。

けれども、そうやって迫れば、心理的摩擦が起こるでしょう。あるいは、あなたは校長に直談判したくなるかもしれません。これも争いになるでしょう。

これは、教頭の立場から説明したほうが理解しやすいと思います。

もしかしたら、教頭は新しいことに取り組むことが難しいくらい多忙なのかもしれません。あるいは、校長に主張するのが怖いのかもしれません。仮に言えたとしても、前例のないことでは校長が動かないということを知っているのかもしれません。

校長は校長で、前例のないことを断行すれば校長がその責任を負わなければならないということを考えれば、なかなか決断ができないのも理解できるでしょう。

つまり、相手が動こうとしないのにも、理由があるのです。

「小さな行動」が自分を育て、状況を変えていく

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