【相談募集中】校内人事に対する不満、どうやって解決するべき?

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神奈川県公立学校 教頭

鈴木夏來

音楽専科教員の行き過ぎた指導が子どもたちを苦しめていると、管理職に改善を求めた相談者の男性教諭。ところがその意見は聞き入れてもらえなかったそうです。「みん教相談室」に届いたこの相談に、神奈川県公立学校教頭・鈴木夏來先生が回答した内容をこちらでシェアします。

写真AC

Q. 学校の人事に対する不満は、どうすればよいでしょうか

現在小学校で勤務をしております。昨年度から抱えている問題点をお話しさせていただきます。本校では音楽専科教員がおり3年生以上の音楽を担当しています。この専科教員の音楽指導は、本人のこだわりだけが強く、教員の立場から見ても、子どもたちを苦しめています。

実際に保護者からは、音楽専科の指導について 「子どもが音楽の授業が嫌で登校したがらない」などの声もあがっています。管理職に音楽専科の指導について、改めるべきではないかと相談をしましたが、改善は見られませんでした。

このままでは子どもたちのために指導を改めるべきという声は消され、教育的ではないこだわりだけが強い音楽授業が続いてしまいます。どこに訴え、どのようにすれば正しい人事が行われるのでしょうか?(ケノービ先生・30代男性・5年生担任)

A. 管理職は承知の上で、校内人事に踏み切ったかもしれません

ケノービ先生、ご相談いただき、ありがとうございます。

音楽専科の先生の指導方法と、そんな音楽専科ありきの校内人事に、ケノービ先生は問題点があるとお考えなのですね。「音楽の授業が嫌で登校したがらない」ような子どもがいるのに、そんな声が管理職を動かすことはなく、改善の様子も見られないのですね。
子どもも保護者も、ケノービ先生も、それでは困りますよね。ケノービ先生がおっしゃるように、音楽専科の先生に何かしら問題点があるのかもしれません。

しかしそれでも、音楽専科の問題点について、校長は重々承知の上という可能性もあると思います。例えば、こういったケースが考えられます。

  1. 音楽専科の指導について、その改善を管理職は何度も試みた。しかし、いっこうに改善の様子が見られなかった。
  2. 代わりの音楽専科の人員配置について、再三再四、教育委員会に頼んではいるが、教員志望者不足で、そんな余裕はどこにもないと断られ続けている。
  3. 校内で代わりの教員が音楽専科をしたり、音楽を担任が行ったりすれば、現在の音楽指導の問題はとりあえず解決できる。しかし、その分だけ周囲の教員の持ち時間が増え、負担が増してしまう。教職員の働き方を考えると現実的ではない。
  4. 問題の音楽専科の先生が、学級担任などを担当すれば、学級崩壊になったり、クラスの子どもの多くが不登校になったり、保護者からクレームが来たりして、問題が余計に複雑になる可能性もある。
  5. 上記を総合的に勘案して、音楽専科として続けてもらうかたちを取った。

以上、勝手に想像を膨らませてみました。

どんな教科も上手に教えることができ、どんな子どもも上手に導いてあげることができるスーパーマンのような先生は稀です。学校には得手不得手いろんな特性を持った子どもたちがいるのと同様、いろんな先生方がいらっしゃいます。

幼いわが子の子育てでいっぱいだったり、親の介護で心身ともに疲労していたり、自身の健康・体調が万全ではなく不安を抱えていたり。本来であれば、授業改善に努めたいところだけれども、そんな余裕すらない先生もいらっしゃいます。

学校はそんな先生方も含め、お互いの弱さを認め尊重し、協力し合い、だましだましでもなんとかやっていくものなのです。人事について、不満を感じた時には、このように考えてみてはいかがでしょうか。


みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。

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