【相談募集中】養護教諭です。自分が必要とされていない孤独を感じます

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採用2年目の養護教諭の方から「みん教相談室」に相談が寄せられました。勤務校では仕事がなく、必要とされていないと感じていて、現状に不安を抱えているそうです。これを受けて回答したのは、新潟青陵大学で養護教諭の育成をしている塚原加寿子先生。その内容をこちらでシェアします。

イラストAC

大好きな養護教諭になれたのに仕事がなく、必要とされていない孤独を感じます

講師1年、正規採用2年目の養護教諭です。田舎にある極小規模校に勤めて2年目になります。

しんどいです。何がしんどいかと言うと、仕事がないこと、自分が必要とされていない孤独感を感じることです。来室はほぼなく、保健指導や委員会活動もなく、これと言った仕事はありません。

「保健室へ行くくらい痛いなら早退しなさい」と児童へ話す担任、「適応障害は誰でも診断を受けられるから、教員はすぐ休職できるんだよね」と話す管理職、最近は遠回しに嫌味を言われていると感じたり、私が居ないところで物事が進んでいると感じたりすることが多くなってきました。

暇な私は、人のやることなすことが目について過敏になっています。おそらく暗い表情で毎日過ごしているのでしょう。子供達の健康を支えるはずの養護教諭がこんなんで良い訳ないのは分かっています。大好きな仕事です。運良く、正規採用もしてもらえました。でも、やることがない。期待されてない。もう辞めた方がいいのでしょうか。

心療内科に一度行った時には、異動したら治るでしょと言われました。
家族には、休職も一つの手と言われていますが、診断を受けるというのはかなり勇気のいることです。

私は子供達のために何ができるのでしょうか。

(誰にも迷惑かけたくない・20代女性・養護教諭)

A. 時間に余裕のある今、子どもと関わったり学んだりする機会ととらえてみては

しんどいですね。私も新採用の時、複式学級がある田舎の小規模校で勤務していました。誰にも迷惑かけたくないさんと同じような状況でした。だから、お気持ちは分かります。

ご相談の中で、「暇」と書いていらっしゃいましたが、逆に言えば、いろんなことができる時間があるということではないでしょうか? まずは、子どもと関わってみましょう。保健室に来ないのであれば、休み時間に子どものところに行って話してみるのもよいかもしれません。一緒に遊んでもよいと思います。そして、子どもの様子が見えてきたら、子どものために何ができるか考えてみましょう。自校の健康課題は何ですか? その解決のために、できることを探してみるのもよいのではないでしょうか? 時間に余裕がある今だからこそ、本を読んだり、勉強したりする時間にしてもよいと思います。

健康課題の解決のためには、いろいろな人との連携も必要になるでしょう。休み時間や放課後、教職員と話してみませんか? まずは、雑談からでもよいと思います。日常のコミュニケーションをとってみませんか? そこからいろいろなヒントがもらえるかもしれません。

具体的な案としては、次のようなことが考えられます。

・発育測定が終わった後、ミニ保健指導をする
・子どもが驚くような保健室の掲示物を作る
・子どもが読みたくなる保健だよりを作る

このような新しいことをするだけでなく、できていることをグレードアップするのもよいかもしれません。

文面から、大好きな仕事、子どものために何かしたいという思いが伝わります。それだけで十分素敵な養護教諭だと思います。辞めることはいつでもできます。けれど、迷っているなら急いで決める必要はありません。すごくつらいのなら休んでもよいと思います。自分の中に子どものために何かしたいという気持ちがチャージされたら、少しずつ、できることからやってみませんか? 子どもの健康課題の解決のために、できることはたくさんあると思います。


みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。

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