【相談募集中】初任者に指導をするも、プライドが高いのか受け入れてもらえません

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初任指導をしても反論されてしまい指導が入らないという相談が「みん教相談室」へ寄せられました。これに回答をしたのは、EDUPEDIA(エデュペディア)の初代プロジェクトリーダーで、現在は神奈川県の公立小学校で働く栗田一輝先生。その内容をシェアします。

写真AC

Q. プライドが高い初任者へ指導するにはどうすれば?

初任者指導を担当しているものです。報告レポートから通知表の所見などを添削するのですが、その度に反論されたり泣き出したりします。間違いを認められず、自分の意見を押し通そうとし、 まったく指導が入っていきません。プライドが高い初任者にはどう指導したらよいですか?

(ぴぴぴ先生・40代・女性)

A. 関係構築のために私が大切にしている3つのことをお伝えします

初任者を育てるのは大事なことだけれども、正直なところ大変なことも多いですよね。多様性がより大切にされてきている昨今ですが、大人もいろんな方がいますよね。ましてや、知らないことがたくさんある一年目の先生です。まずは、そんな状況をなんとかしようと行動しているぴぴぴ先生がすてきだと私は思います。私はそんな方と一緒に仕事ができるのはうれしいことだと思うので、少しでも力になれたらと思います。

これまでの先輩方が育ててくださったことを思うと、私も若い先生の育成に励みたいと思うのですが、難しい経験もしてきました。関わりが難しいと感じるとき、私が大切にしていることは3つあります。

①個人の背景を考える

子どももそうですが、反論するときは何かしら理由があります。初任者の先生をA先生としましょう。A先生がプライドが高いのはどんな背景があるのでしょうか。空想ですが、いくつか考えてみると、A先生はそもそも人間関係を築くのが不得意なのかもしれません。または、否定的な指摘は受け入れにくい可能性もあります。あるいは、すぐに感情的になる性格かもしれません。

はっきりとした答えになるとは限りませんが、個人の背景を考えることで対策を打ったり、A先生を少しは受け止めたりすることができると私は考えます。

②先に視点を提示する

通知表の所見は、職場や個人によって様々です。例えば、「○○さん」と個人名を記述したり、「素敵です。」などの気持ちを記述したりすることは、主観が強すぎてしまうのでやめることになっている職場がありました。このような決まり事がある場合、先にA先生と確認するのはいかがでしょうか。そうすれば、何がよくて何が悪いのかはっきりしているので、反論の余地はなくなります。むしろ、できていることを認めてもらえるので、A先生のプライドも保たれるのではないでしょうか。

③A先生の得意分野の仕事を振る

プライドが高い人は、弱さを見せたくはありません。それを活かして、A先生の得意分野の仕事を振るというのはいかがでしょうか。例えば、好きな教科の授業の計画を立てるよう指示をします。そして必要に応じて一緒に考えながら、「頑張ってよかった」とA先生が思える瞬間をつくるようにします。相手の強みを活かすことで、関係を築いていくのです。成功体験を積むことができれば、距離もいっきに縮まります。関係が築ければ、心を少しずつ開いてくれるようになっていくことも多いです。

以上、私が大切にしていることを3つ述べさせていただきましたが、大前提としてぴぴぴ先生のように、「A先生のために何とかしたい」という思いが大切です。気づくのはまだ先かもしれませんが、こんなにぴぴぴ先生に思ってもらえるなんてA先生は幸せ者ですね。少しでもぴぴぴ先生のお役に立てれば私もうれしいです。


みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。

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