【相談募集中】担任の先生から「外に出ていってくれ」と廊下へ追い出されました

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兵庫県公立小学校校長

俵原正仁

教員業務支援員として働く相談者の方から「みん教相談室」へ相談が寄せられました。担当ではないクラスの支援をしていたところ、担任の先生から「外に出ていってくれ」とショックな言葉とともに、廊下へ追い出されたそうです。この件に回答したのは兵庫県公立小学校校長・俵原正仁先生。相談者の方がまずやるべきことがあると伝えた、その内容を紹介します。

ショックを受けている女性
イラストAC

Q.担当ではないクラスへ支援に入ったところ、担任から追い出されました

私は小学校で教員業務支援員という職種で、主に1年生の支援をしています。1年生のサポートは4年目で、同じ小学校では9年目に入りました。その間、勉強も兼ねて、発達支援事業所で3年間、ダブルワークしていました。

今回相談したい内容は、簡単に言うと教員から受けた圧力です。ある日の下校時刻に、新採用で同じように町で採用された30代の先生と、まだ下校していない子はいないか校内を見回りしていました。3年生の1クラスが、まだ帰りの会も始まっていないようでした。他クラスの子どもたちは既に校舎から出ています。担任の先生は職員室にいるようです。

私が見回りを任されていたわけではないですが、持ち物の用意ができていない子が何人もいたので、上着、水筒を忘れている人に渡したり、話を聞くよう声掛けしたり、ランドセルから物が落ちた人に拾ってあげたりしていました。2年前に関わっていた子たちで、子どもの名前も全員知っていました。久々に関わるからと言って子どもたちとおしゃべりをするわけでもなく、淡々と物を渡していました。

ところがいきなり、帰ってきた担任の先生に肩をぐいっと押され、「あーもう! 先生は外に出ていってください!!」と廊下へ追い出されました。いきなり押されたので一瞬よろけました。おっとっと…となりましたが、先生はおかまいなく廊下まで押し出してきました。まだよくわからない人に勝手に体に触れられたことが、私は不快でした。しかし、先生も、よくわからない人に教室に入ってこられて不快だったと思い、反省しています。邪魔だったのでしょう。謝りたいと思っています。

その後、帰宅して、お風呂で体が温まったからか右肩から肘にかけてと左足(昔靭帯を切った古傷)が痛みました。そばにいた新採用の先生に被害が及ばずホッとしましたが、一部始終を見ていたので、「先生方のサポートに入るのが恐怖になりました」と言われました。「みなさんがそうではないし、私の入るタイミングが良くなかったんです」と伝えました。聞くと、他校でも被害者がいるようで、関わるときに注意するべき先生だったそうです。

養護の先生に相談したのですが、一切関わらないこと、私と新採用の先生はあくまで1年生担当だから、他のところで気付いても関わらないこと、それが身を守る術だと言われました。なので、校長にも相談できず、このまま泣き寝入りするしかないのかなと思っています。

病院へ行って診断書をもらって来ようかとも思いましたが、無駄になるだけな気がするのでやめました。 家にある湿布でも貼っておくのが妥当ですかね。悔しいです。(櫻葉先生・40代女性・教育支援員)

A.校長先生へ相談を! 泣き寝入りする必要はありません

櫻葉先生、お話を聞かせていただきありがとうございます。

教員業務支援のお仕事、お疲れ様です。私の学校でも、教員業務支援員の先生には大変お世話になっています。今や学校現場に欠かすことのできない存在です。教員業務支援員は、特別なゲストではなく学校現場で一緒に働く仲間です。「チーム学校」として、子どもたちの教育に携わっていくにあたって、今回のような状況は、決していいことではありません。

先生からの圧力についてですが、そりゃあ、いきなり押されたら、誰だっていやな気分になりますよね。櫻葉先生が不快な気持ちになったこと、よくわかります。ただ、そのような思いをしたのにもかかわらず、櫻葉先生は、自分が教室に入っていたことで、担任の先生に不快感を抱かせてしまったのではないかと反省されています。一方的に相手を責めるのではなく、自らの行動を顧みる姿に、櫻葉先生のお人柄がうかがえます。

では、本題に入ります。

担任の先生が何を思って、そのような行動に出たのか、その真意はわかりませんが、何か誤解をしている可能性もあると思います。本来なら、その先生に対して、教室に入った理由や櫻葉先生が感じた不快な思いを直接伝えることができればいいのですが、これはかなりハードルが高いですよね。学校のことをよく知っているであろう養護の先生が「関わらない方がいい」と言われているのには、ことなかれ主義だけではなくそれなりの理由があったのかもしれません。櫻葉先生自身も直接話をすることにはかなりのストレスを感じるはずです。労多くして功少なしです。では、櫻葉先生は何をするべきか?

やはり、「校長先生への相談」です。泣き寝入りすることはありません。

文部科学省が発行している「教員業務支援員との協働の手引き」にも、困りごとへの対応の項目に、

・教員業務支援員や依頼する教師の困りごとに対しては、管理職が率先して解決に向けて検討する姿勢を示すことが大切です。

と明記されています。信頼のおける校長先生なら、間違いなく、桜葉先生の話を聞いて親身に対応してくれるはずです。万が一、櫻葉先生の学校の校長先生が信頼できないような人だとしても、ぜひ相談をしてください。話すことによって、何らかの対応を行うべき責任を校長先生が負うことになります。

あっ、それと、診断書うんぬんではなく、痛みが続くようであれば、お医者さんに相談することをお勧めします。櫻葉先生のサポートで、助かっている子どもたちがたくさんいるはずです。無理せず、ご自身の健康を大切にしてください。


みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。

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