宿題の出し方とは【教科担任制 最前線!! 算数専科を楽しもう】⑦

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教科担任制 最前線!! 算数専科を楽しもう
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今回は、頃橋先生が様々な方法を試した上で行き着いた、宿題の出し方について紹介します。この方法は算数専科以外でも活用できる方法です。教務主任も兼務しているという点から、働き方改革的な視点の内容もお届けします。特に、オンライン上で連絡帳を共同編集するというのは、1人1台端末があるからこその方法です。ぜひ試してみてください。

執筆/奈良県公立小学校教諭・頃橋真也

宿題準備も算数専科の仕事の1つ

みなさんの学校では宿題を出していますか? 昨今宿題に関しては、出す必要性も含めて話題になっていますが、私の勤めている学校では、出しています。現在も多くの小学校で宿題を出していると思います。

では、算数の宿題は、どのくらいの頻度で出していますか? おそらく毎日出している学校が多いのではないでしょうか。量に差はあるものの、家庭学習を定着させるという目的で国語や算数などの宿題を毎日出している先生は多いと思います。

私は現在、教科担任制の算数専科として、3~6年生のすべての算数の授業コマ(各学年週5コマ×4学年=全20コマ)を担当しています。つまり、毎日1つ算数の宿題を全学年分準備する必要があるのです。

算数専科として、毎日4つのクラスの宿題の準備をして、各クラスに知らせることの難しさを4月当初の私は気付いていませんでした。

宿題の出し方で 子供が家庭学習で宿題をしている様子

宿題の出し方と回収方法

私が出す宿題は、以下の4つのどれかです。

  1. 計算ドリル
  2. 算数プリント
  3. タブレットによる算数ドリル(Qubena) [4年~6年]
  4. 単元末の算数の振り返り記入

タブレットによる学習ドリルを採用している学校が増えてきていると思います。私も週末に1回程度の頻度で、タブレットによる宿題も出すことがありますが、平日は基本的に「計算ドリル」と「算数プリント」です。

4月当初、1週間の宿題計画を作り、担任の先生に紙で手渡していました。しかし、この方法だと、授業の進度によって宿題の内容を変えたいときに困ることがありました。また、伝達ミスが起きてしまうこともあり、学級担任の先生にうまく伝わっていないときなどもありました。

そこで、本校では、教科担任制が始まったことにより、連絡内容を担任が黒板に書いて、それを子供が連絡帳に書き写すというやり方を見直すことにしました(私は教務主任も兼務しているので、働き方改革の観点から提案しました)。

1 連絡帳革命

連絡帳の目的とは何でしょう?

〇子供(保護者)に明日の連絡・宿題・持ち物を伝えること。
〇保護者と連絡を取り合うために使うもの。

が主な目的だと思います。本校では、令和5年度から保護者との連絡を「さくら連絡網」というアプリを使って行っているので、上記の「連絡を取り合うため」に連絡帳はいらなくなりました。しかし、子供(保護者)に伝えるという意味では、連絡帳は欠かせないものだったので、1人1台端末が利用できるようになったことで、連絡帳をオンラインで行うことにしました。

本校の端末は、Chromebookなので、Google Classroomに毎日連絡帳を記入するという方法や、Google スプレッドシートに記入する方法を取りました。

しばらくは、この方法で行いましたが、これでは保護者が連絡帳を見られないということが分かりました。そこで、Padlet というアプリ(オンライン掲示板アプリ)を活用して、連絡帳の代わりとすることにしました。このPadlet のアプリのよさは、

1 学級担任以外も、共同編集者として連絡帳を編集することができる。
2 リンクを教えておけば、保護者も見ることができる。
3 明日だけでなく、2~3週間先の連絡帳を書くことができる。

という点です。

実際に私は、全学年のPadlet 連絡帳の共同編集者なので、2週間程度先までの宿題を打ち込んでいます。そのため、学級担任と話をしなくても、毎日の宿題について子供に伝えることができるようになりました。

Padletを使った連絡帳の例
Padletを使った連絡帳の例
Padletウェブサイト https://padlet.com/

2 学級別のレターケース

先生方の学校では、各学級に手紙などの配付物をお願いするときは、どのようにしていますか?

〇学級担任の机の上に置いておく。
〇学級担任の先生が持って行くカゴの中に入れておく。

などの方法を取っていませんか?

これまで私が勤めていた学校では、上記のような方法を取ってきました。しかし、この方法だと、机の上が片付いていないときに、配付し忘れがあったり、机の上が手紙であふれたりすることが何度もありました。

そこで、本校では、手紙の配付をより間違いなく行うために、レターボックスに配付してほしい文書を入れるようにしました。

学級担任の先生は、必ず毎朝教室に行く前にレターケースの中をチェックして、その日に配付しなければならない文書がないかを確認します。

私は、いつも1~2週間先の算数の宿題まで一気に準備をするのですが、それらは準備ができ次第、そのレターケースに入れておき、「配付日:○月○日」と書いておきます。このようにするだけで、算数専科の宿題の準備の手間は大幅に減ります。

この「各学級別レターケース」を使っていない学校があれば、ぜひ使ってみてください。配付忘れが限りなく0になりますよ!

学級別のレターケース 配付の仕方

3 自己採点の習慣作り

以前私が学級担任をしているときは、計算ドリルの裏に付いている答えを外して、教師が管理しておき、学期末に子供に渡していました。そのため、子供は毎朝学校に来てから朝学習の時間に計算ドリルや算数プリントの答え合わせをするというのがごくごく普通でした。しかし、学級担任ならできる方法も、算数専科の教員では行うことができません。

では、3年・4年・5年・6年のすべての宿題を、毎日休み時間に丸付けすることはできるでしょうか? おそらく難しいと思います。

そこで、考えたのが、宿題の中に自己採点を組み込むという方法です。計算ドリルの場合だと、採点をして、自分の点数を記録してやり直しをするまでが宿題という考え方です。

これは、宿題プリントも同様です。そのため、宿題プリントは、答えも必ず印刷するようにしました。B4 の場合だと、左側に問題、右側に答えのようにして、問題を解いている最中は、半分に折って、解き終わってから右側の答えを見て自己採点をするようにしました。

もしくは、「表面に問題、裏面に答え」のように印刷して配付することもあります。

学級別のレターケース 宿題の準備(プリント編)

このようにすることにより、手間が減るだけでなく、子供たちも間違えた理由をその瞬間に考えて解き直すことができ、一石二鳥の方法であることに気付きました。

そのため、私がいつも中休みや昼休みにする4学年の宿題チェックでは、丸付けをするのではなく、

〇丸付けができているか確認。
〇自己採点をして得点を記入しているか確認。

をしています。

さらに、計算ドリルノートの裏表紙の内側に、「日付」「点数」「間違い確認」「先生チェック」を記入できる自己採点記入用紙を貼り付けさせるようにしています。

これで、教師は確認しやすく時短になります。さらに児童も点数を記入するのを忘れることが少なくなって、おすすめです。

自己採点記入用紙

自己採点記入用紙
ダウンロードしてご利用ください。

算数専科の宿題の出し方について説明しました。この方法は、算数専科以外でも活用できると思います。できるところから実践してください。

 

頃橋真也(ころはし・しんや)
教員歴14年。県の道徳研究会に13年間所属し、道徳の授業作りについて研究を深める。2021年度「第27回日教弘教育賞奨励賞、2022年度「第21回ちゅうでん教育大賞」教育奨励賞、授賞。X(旧Twitter)でも、情報発信中(ro5ro5先生@小学校の先生 @ro5r_o5)。

構成/浅原孝子 イラスト/畠山きょうこ

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