【相談募集中】1年担任。学級経営がうまくいきません
落ち着きのない子どもたちへの指導がうまくいかなくて悩んでいるという1年生担任の先生から、 「みん教相談室」に相談が寄せられました。ここでは、広島県公立小学校教諭・友田真先生からのアドバイスをシェアします。
目次
Q.1年担任です。自分の学級経営に自信がもてません
年齢的にベテランと呼ばれる年齢で、幼稚園からの引き継ぎで大変だと言われていた1年生を担任することになりました。「去年の1年担任は、とても厳しかったけれど、子どもにも寄り添っていたから、どの子も先生大好きでとても落ち着いていた」と聞き、プレッシャーを感じながらのスタートでした。
私は性格的に真面目さがとりえで、おもしろみがないと自覚しています。子どもをビシッとさせるような言い方や声色が苦手です。それでも、静かにする、話をきく、姿勢よく座るなど、基本的な規律をしっかりと身につけさせたくて、自分なりに厳しめに言うこともあります。一方で、できている子やがんばっている子を褒めることも心がけています。ですが、初めこそ大人しくしていた子どもたちでしたが、入学して10日も経つと、学級経営がうまくいっていないと感じるようになってきました。
具体的には、授業中でも構わず、すぐにお喋りをして騒がしくなる、休み時間には廊下や教室を走ったり大声を出したりする、トイレに行くと騒いだりトラブルになったりする、などです。その都度、どうすればよいか、なぜそうしないといけないのかを話しています。時には子どもに負けないようにこちらが声を張って大声で注意してしまうことも増えてきて、よくないなあと感じています。でもそうするより他ないという感じです。そして同じような指導をしないといけない機会が多すぎて、子どもたちもうんざりしてきた様子でだんだん聞く耳をもたなくなっているように感じます。もちろんそんな中でも、がんばってこちらを向いている子もいます。
小学校での初めての担任がこのような状態だと、よくならないのでは……と、絶望的な気分で、気持ちが落ち込んでいます。周りの若い先生の方が学級経営もしっかりできていると感じ、自分のやり方に自信が持てません。 これから少しでも子どもたちが落ち着いた1年生になるために、私にできることや心がけたらよいことを教えていただけるとありがたいです。 よろしくお願いします。
(さか先生・40代女性)
A.誠実に子どもたちのことを考えている先生の気持ちは子どもたちに伝わっています。指導が子どもたちに入りやすくなるように、工夫をしてみましょう
さか先生、ご相談いただきありがとうございます。担当学年、担当の子どもが変わる春は、心が疲れますよね。私も、ストレスフルな状態になっているのを感じます。そしてどうしても、「他のクラスは……」と比べてしまいがちですよね。
ご担任されている子どもたちにとって「先生」は、「さか先生」です。そして、これだけ誠実に子どもたちのことを考えておられる「さか先生」の気持ちは、伝わっていると思います。
1年生にとって小学校は、未知の場所です。何をすることが「当たり前」で、どうすればいいのか、イメージができていません。「さわいでやろう」、「ルールを無視しよう」などと考えて行っているのではなく、分からないのです。新しい環境、友だちとの時間などが楽しくて、走ったりお話が止まらなくなったりしているのです。子どもたちも、どうしたらいいのか「困っている」のだと思います。
誠実な「さか先生」は、「どうすればよいか、なぜそうしないといけないか」話されているとのことでした。ステキだと思います。
一度で伝わる子もいれば、なかなか伝わらない子もいます。言葉だけでは伝わりにくい子もいます。休憩時間の過ごし方として「①次の授業の教科書を机に出す、②トイレに行く、③座って待つ」ということを絵で表すなど、視覚化することで、スッキリする子もいると思います。
また、確認したことをすぐにその場で「やり直してみる」ことも効果的です。例えば、授業が終わった時に、子どもたちがそのまま教室を出て行きそうになったら、「まずは机の上に次の授業の国語の教科書を出して。よしっ、できたね。次はトイレに行こうか」など、全員で確認しながら行います。「やり直す」ことで「叱られたまま」ではなく、「できたね」と認めて終えることができます。
子どもたちに「こうしないと」と伝えたつもりでも、子どもたちはすぐに忘れてしまっていることもあります。その都度やり直し、今後も子どもと教師で共有できる「共通の成功体験」を積み重ねることも効果的です。
また、学級のルールを定着するためには、「ゲーム」も有効です。子どもたちは、ゲームが大好きです。ゲームはジャンケンなど、何でもいいでしょう。大事なことは、ゲームを楽しむだけではなく、「なぜ楽しくなったのか?」を、子どもたちと振り返ることです。すると、「先生の話を聞いたから」「友だちと仲良くしたから」「ルールを守ったから」などの意見が出てきます。その時に、「そうだね。先生の話をしっかり聞いたから楽しかったね」など、教師の伝えたい規律などを伝え、定着させていきます。
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