【相談募集中】30代前半で教員採用試験に合格。担任経験がないままになりそうで不安

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「全国教育交流会」代表

中野敏治

担任経験がないまま年齢を重ねていくことに不安を感じている先生からのお悩みが、「みん教相談室」に届きました。この相談に、元中学校校長で「全国教育交流会」代表の中野敏治先生は、どうアドバイスしたのでしょうか。

仲が良さそうな中学校教師と生徒たち
イラストAC

Q.30代前半で教員採用試験に合格して2年目。中学校から小学校に移動することになり不安しかありません

30代前半で教員採用試験に合格し令和6年度で2年目になります。1年目は中学校で担任をもてていたのですが、2年目からは小学校に行くように言われました。中学に帰って来られるのは数年後でその時は30代後半になっています。その年齢からまた担任をできたとしても、ほぼ担任経験がなく使い物にならないのではと悩んでいます。他の先生方が担任をしている姿をみるのも辛いので転職をしたほうがいいのでしょうか。(みりん先生・30代女性)

A.不安に思う必要は全くありません。むしろチャンスです

新年度になり、異動辞令を受け、多くの職員が職場を移る春です。その異動の一人となったのですね。1年目に担任となり、来年はこんなこともしたい、あんなこともしたいと思っていた矢先に異動の話がきたのでしょう。きっと目の前のビジョンが音を立てて崩れる感覚だったのではないでしょうか。「なんで私が」「ほかの人もいるんじゃないの?」という思いが心の奥から湧き出たことでしょう。

教師は、よく知っていることしか子供たちに教えられないものです。そして教師が実際に体験したことは、より具体的に子供たちに伝えることができます。

小学校への異動も、その体験の中に含まれることになります。そしてそれはむしろ、中学校の教員として仕事をしていく上での大きなチャンスです。

小学校で指導経験のある先生が中学校にきてくれる。中学校で指導経験のある先生が小学校にきてくれる。これは、子供たちにとっても教員にとっても貴重です。

例えば、中学校のことしか知らない先生が、中学生になった子供たちに、様々なことを当たり前のように指導してくることがあります。小学校の時とは全く違うことも、さも当然のように。そこに、小学校と中学校の違いを知っている先生がいてくれれば、子供たちはどれほど心強いことでしょうか。小学校での指導経験のある先生なら、その違いに気づき、子供たちに寄り添った行動が取れるのです。

「ほぼ担任経験がなく使い物にならないのでは」とお悩みのようですが、不安に思う必要は全くありません。みりん先生は、ひとまわりもふたまわりも大きく成長して、中学校に戻ってきます。小学校のことを知ったみりん先生は、ぜひ子供たちの相談相手になってください。間違いなく、子供たちもみりん先生を頼ってくるはずです。そして、より良い学級経営ができる力をつけて、中学生の前に立てると思います。

人は経験したことすべてが、人生の貴重な財産になっていきます。悔いのないように小学校で思いっきり活躍してください。そして、小学校勤務で得た経験を携えて、中学校に戻ってきてください。


みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。

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