小6体育「短距離走・リレー【陸上運動】」指導アイデア
文部科学省教科調査官の監修による、小6体育科の授業案です。1人1台端末を活用した活動のアイデアも紹介します。今回は「短距離走・リレー【陸上運動】」の単元を扱います。
執筆/東京都小平市公立小学校主任教諭・川口徹
監修/国立教育政策研究所教育課程調査官・塩見英樹
東京都小平市公立小学校校長・早川和男
目次
単元名
なめらかにつなごう! ~めざせ2.78秒~
年間計画表
単元目標
●知識及び技能
短距離走・リレーの行い方を理解するとともに、一定の距離を全力で走ったり、滑らかなバトンの受け渡しをしたりすることができるようにする。
●思考力、判断力、表現力等
自己の能力に適した課題の解決の仕方、競走や記録への挑戦の仕方を工夫するとともに、自己や仲間の考えたことを他者に伝えることができるようにする。
●学びに向かう力、人間性等
短距離走・リレーに積極的に取り組み、約束を守り助け合って運動をしたり、勝敗を受け入れたり、仲間の考えや取組を認めたり、場や用具の安全に気を配ったりすることができるようにする。
授業づくりのポイント
①運動の特性
短距離走・リレーは、一定の距離を全力で走ったり、バトンの受け渡しをしたりして、記録に挑戦したり、相手と競走したりする楽しさや喜びを味わうことができる運動です。
②学習のねらい
合理的で心地よい動きを身に付けるとともに、仲間と速さや距離を競い合ったり、自己の課題の解決の仕方や記録への挑戦の仕方を工夫したりすることが大切です。また、自己や仲間の能力に適した課題をもち、課題の解決に向けて、互いに学び合えるようにします。
③子供の取組
子供は、全力で走ることに心地よさを感じたり、相手と競走することで課題を解決することへの意欲が高まったりします。一方で、走ることに苦手意識をもっている子供や滑らかにバトンを受け渡すことが苦手な子供もいます。
④指導の手立て
そこで、走り方のポイントを全体で共有したり、競走の仕方を工夫してみんなが楽しめるようにしたり、走り方やバトンの受け渡しの様子を撮影し、自己や仲間の課題や成長を見付けたりして、子供が主体的に学習に取り組めるようにします。
⑤指導ポイント
個人やチームで競走する学習活動が中心となるため、できるだけ多くの子供やチームに勝つ機会が与えられるように指導を工夫するとともに、勝敗を受け入れることができるよう指導します。また、自己の記録への挑戦ができるような場やルールを設定することも大切です。
単元計画(例)
単元の評価規準
●知識・技能
①短距離走・リレーの行い方について、言ったり書いたりしている。
②一定の距離を全力で走ったり、滑らかなバトンの受け渡しをしたりすることができる。
●思考・判断・表現
①自己やチームの能力に適した課題を見付け、課題に応じた練習の場や段階を選んでいる。
②自己の能力に適した競走のルールや記録への挑戦の仕方を選んでいる。
③自己や仲間の動きの変化や伸びを見付けたり、考えたりしたことを他者に伝えている。
●主体的に学習に取り組む態度
①短距離走・リレーに積極的に取り組もうとしている。
②運動の約束を守り、仲間と助け合おうとしている。
③用具の準備や片付け、計測や記録などで分担された役割を果たそうとしている。
④勝敗を受け入れようとしている。
⑤仲間の考えや取組を認めようとしている。
⑥場や用具の安全に気を配っている。
楽しく運動しよう(第1時~第3時)
【単元前半のねらい】
短距離走・リレーの行い方を理解し、競走したり記録への挑戦をしたりすることを楽しもう
●授業のポイント
まずは子供が「やってみる」ことを大切にします。運動の行い方を伝え、安全面の指導を行ったら、子供がやってみる時間を確保しましょう。実際に体を動かすことで楽しさを味わったり、運動のポイントや課題を見付けたりすることができます。第1時から、運動の特性に触れられるようにしましょう。
短距離走
主運動につながる運動
走り方のポイントは、上半身は力まず、地面を強く蹴り、足首をバネのように使って弾むように走ることです。
《基本の姿勢》
1 素早く基本の姿勢へ
太鼓のリズムに合わせて、基本の姿勢から素早く足を入れ替えます。常に基本の姿勢に戻るように声をかけます。慣れてきたら、リズムを速くして、できるだけ地面に接している時間を短くしていきます。
(基本の姿勢)
2 素早く足を入れ替えよう
その場で「トン(右)トン(右)パッ(左)」のリズムに合わせて、足を入れ替えます。
3 両足ジャンプ
イラスト/みながわこう