【相談募集中】4年目の自分が最高学年を担任することに憧れと不安があります
5年生を受け持つ20代教諭から「みん教相談室」に相談が寄せられました。このまま卒業まで子どもたちを見送りたい気持ちと、自分以外の担任で知見を広げてほしい気持ち。この双方で心が揺れているそうです。この悩みに回答したのは高学年担任のプロ、トモチャンネルでもおなじみの千葉県公立小学校教諭・髙橋朋彦先生。その内容を紹介します。
目次
Q. 最高学年を受け持ちたいが、子どもたちのことを考えると躊躇してしまう
6年生を担任することへの考え方について教えてください。私は4年次の素人です。初任の時、2年生で受け持った子たちを、今、5年生で担任をしています。その子たちの心根が非常に素直なので、今のところ学級経営は順調に来ていますが、年度末が近づく今、心が揺れています。
①持ち上がりを希望して卒業を見届けたい
②多くの担任と出会い、子どもたちの知見を広げてほしい
この双方で揺れています。今のところ後者のほうが強く、人事意向調査も「一任」で出そうかと思っています(本校は独特で、この意向書がほぼその通り実現されます)。子どもは私の思い出作りのためにいるのではないと頭ではわかっていても、初任から関わってきて今までよく育ってきてくれた最高学年の子どもたちを、担任として見届けたい気持ちもあります。
このような私情を大いに含んだ考えについてアドバイス頂けたら幸いです。まとまってないことを自覚していますが「6年生を持つこと」に神聖な感情を抱いている自分が常にいます。
(大水 良先生・20代男性)
A. 子どもたちを慮った私情なら、私は素敵なことだと思います
大水先生。素敵な学級経営をされているんですね。いろいろな考え方がありますので、今回はあくまでも私個人としての考えをお伝えいたします。
私は、希望を伝えることは大切だと考えています。
今回の大水先生の希望する理由、確かにおっしゃる通り、私情を含んでいるように見えます。が、私は希望に私情を含んだっていいと思います。
「大切なひとと過ごしたい」
「この子たちの成長を見届けたい」
「最後にきちんと責任を持って関わりたい」
子どもの卒業を担任として見届けたいという、そのような気持ちはとても素敵な私情だと思います。
もし、
「思い出をつくりたい」
「楽な子たちだから」
という自分本位な理由で希望するのならば、反対していたかもしれません。しかし、大水先生の、子どもを大切にしたいという気持ちのこもった私情なら、大賛成です。
私も大水先生と同じで低学年の時に持っていた子を6年生で持ったことがあります。その時に気づいたことは、
「いろいろな方が関わって子どもを成長させてくれたこと」
です。低学年の頃にできなかったことが、6年生になると当たり前のようにできるようになっていることがたくさんあります。今まで関わってくださった先生方がいたからこそ、その子たちが最高学年になっているということを大切にします。
6年生は、今までの積み重ねの成果を存分に発揮し、さらに成長できる時期です。学校の運動会や文化祭などリーダーとして活躍したり、修学旅行など友達と協力したりし、今までにない体験を通して大きく成長することができます。
今まで担任してくださった先生方に感謝の意を持ちつつ、最高学年として活躍して成長していく子どもとの時間を楽しんでいけたらと思います。
希望はあくまでも希望です。そこから先は、管理職が適切な判断をしてくださるはずです。希望は伝え、あとは管理職にお任せしていいのではないでしょうか?
みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。