小3国語「詩のくふうを楽しもう」京女式板書の技術

今回の教材は、「詩のくふうを楽しもう」です。単元学習は、「詩の工夫を楽しみ、詩を作り、友達と読み合う」です。詩を楽しむことや詩を作ることが苦手な子のために、まずは、言葉を楽しみ、詩の工夫を知り、詩を作ることが楽しくなるような活動を設定しています。詩に興味をもち、楽しくなるような板書の工夫を紹介します。
監修/京都女子大学附属小学校特命副校長・吉永幸司
執筆/京都女子大学附属小学校教諭・酒井愛子
教材名 詩の楽しみ方を見つけよう「詩のくふうを楽しもう」(光村図書出版)
目次
単元の計画(全4時間)
1 ・帯時間Ⅰ(25分) 「しりとり5・7・5」を通して、言葉の音のおもしろさを味わう。
・3編の詩を音読して、工夫を見付けながら楽しむ。
2 ・帯時間Ⅱ(25分) 言葉のイメージを広げて、「ころころのはなし」の詩を作る。
・3編の詩を音読して、工夫を見付けながら楽しむ。
3 ・帯時間Ⅲ(20分) 日常生活の中から話題を見付け、「どんまい音頭」の詩を書く。
・これまでに読んだ詩や教科書で出合った詩の中から、おもしろい工夫を見付ける。
4 教科書に掲載されている詩を参考にして詩を作り、友達と読み合う(「しりとり5・7・5」や「ころころのはなし」などで学んだ詩の作り方を生かす)。
板書の基本
〇教材「詩のくふうを楽しもう」は、読む活動を通して、詩の楽しさを体験することを意図しています。一方、子供たちは、詩を作る快さを感じている一面があります。国語科の目標の初めの文言にある「言葉による見方・考え方を働かせ」ということを「詩を学ぶ」という学習活動で考えてみました。そして、「詩を作ること」から始め、詩のおもしろさや快さを体験させ、それを基盤にして、教材「詩の工夫を楽しむ」学習をするという単元構成を考えました。
〇「詩を書く」という活動を、「詩の楽しみ方」につなげるには、「楽しく詩が書ける」ことを目的とする教材が必要です。一般的に実践してきた経験を基にした学習活動では、「楽しむ」という面でも難しさがあると考えました。そこで、教材作りの段階で、次の書籍を参考にしました。書籍の題名は『かんたん!詩の創作指導~子どもが喜ぶ詩の指導』(小学館)です。
〇選んだ詩は、日本語を楽しむことを意図した「しりとり5・7・5」「ころころのはなし」「どんまい音頭」の題材です。指導時間は「しりとり5・7・5」は25分、「ころころのはなし」は25分、「どんまい音頭」は20分です。1時間、2時間と集中するのではなく、帯の時間を設定しました。
〇板書の工夫として、次のことを大事にしました。
①「どんな詩を書くのか」という課題意識に答えることができるように、学習方法が分かりやすい板書にする。
②「詩が書けそう」という期待感が「詩を書きたい」という意欲へと高まるように、詩の事例を書く。
③「詩を書く」という段階で、分からないときや不安になったとき、「手引き」となるような情報が板書に入っている。
なお、限られた時間であるため、できあがった詩の交流は、帰りの会や掲示板を活用して行いました。