【相談募集中】大学2年。教員を目指すかどうか迷っている
教員を目指すかどうか迷っている大学2年生の学生から相談が、「みん教相談室」に届きました。中学教師がよいか、高校の方がよいか。そもそも教師に向いていないのではないかと不安に思う相談者に向けて、元中学校校長で「全国教育交流会」代表の中野敏治先生は、どうアドバイスしたのでしょうか。
目次
Q.大学2年生です。教師になるか普通に就職するか迷っています
社会科(中学・高校)の教職課程を履修している大学2年生です。そろそろ進路を決めないといけないのに、やりたいことが決まっていないため、教師になるか普通に就職するか迷っています。
通っている学部が社会学系で、教育学部や文学部ではない(社会科の専門性がない)ことや、人前で45分も話せるのかという不安があり、決断できていません。
自分が中学のときの授業に不満を持っていたため、学ぶおもしろさを教えたいということと、専門的な知識がないことから、中学教師のほうが良いのではないかと思っています。
ただ、教師に憧れたきっかけが、母校の高校の先生が親身に相談に乗ってくれたからなので、高校の教師に対する憧れもあります。とりあえず来春に学校ボランティアをしてみようと思っています。
私は人前で話すことがあまり得意ではないため、そもそも教師にも向いてないのではないかと不安に思っています。漠然とした質問で申し訳ございませんが、なにかアドバイスをいただきたいです。
(ふみさん・20代)
A.「なんのために就職をするのか」と考えてみてはどうでしょう
いよいよ就職先を絞り込まなければならない時期に来たのですね。就きたい職業があり、そのために大学を選んだ方もいると思います。でも、大学生活を過ごす中で、将来の夢が変わってくる人もいます。
中学生の時に、進路先の高校を選ぶ時はどうでしたか。どんな理由で高校を選び、受験しましたか。「やりたい部活動があるから・自分の学力にあっているから・家庭の経済的なことを考えて・自宅から近いから」など、いろいろあると思います。でも、就職して社会に出るとなると、やはりより慎重になるものです。
「なんのために就職をするのか」と考えてみてはどうでしょうか。私は教育実習にくる大学生に向けて、よくこんな話をしました。
「教育実習を受けて、教員免許状をとっても、教師になるか、ならないかはわからないよね。でも、どんな職業についても大切なことがある」と、話を続けました。
「人生は平均寿命からすると80歳半ば、その人生の中で大学を卒業して就職をしている期間はどのくらいだろうか。人生の半分以下ではないだろうか。就職している期間が人生の全てではないよ。どんな職業についても大切なことは、自分磨きをすること。教師であろうと、会社員であろうと、自営業であろうと、どんな仕事でも、その仕事の中で自分磨きができない仕事は、自分の人生を無駄にしてしまう。どんな職業についても、自分を磨いていこうという気持ちで仕事ができれば、人生が価値あるものになるから」
そんな話をしました。
「なんのために?」と自問自答してみましょう。仕事を選ぶときには、「自分の得意分野を生かせる・経済的に少しでも有利・転勤が少ない」など、いろいろと考えると思いますが、最後は、「自分磨きができる仕事」を選ぶことをおすすめします。
自分の人生、どう生きていくか。価値ある人生をつくり上げることができるのは、自分だけです。そういう思いをもって就職できれば、どんな仕事でも、自分磨きの一つになっていきます。どんなことが起きても、自分の人生を磨き上げていくために必要なピースとなります。覚悟を決めて取り組むことができます。
就職が人生の全てではありません。その仕事を通して自分を磨き上げていけるかどうか。そんな思いで、就職先を検討してはどうでしょうか。自分の人生を豊かにするためには、必要な考え方の一つだと思います。
みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。