教室の荒れを防ぐ!授業での子供との関わり方
今年度の後半を子供たちと楽しく過ごすために、クラスを落ち着かせる「子供との関わり方」について考えます。この記事では、授業での子どもとのコミュニケーションの具体例をご紹介していきます。
監修/奈良県公立小学校教諭・小野領一、東京都公立小学校指導教諭・小島大樹

目次
子供たちの言動に「なぜ?」の視点を持つ
授業中の手いたずら、落書き、おしゃべり、姿勢の崩れ・・・。このような姿が見られたときにどのように対応していますか。直接「手遊びをやめなさい!」と指導してしまうこともあるのではないでしょうか。
しかし、これは子供の「授業が面白くないサイン」です。子供が先生に「面白くない!」と伝えてくれているのです。これを僕らは敏感に察知して、授業改善に生かさなくてはいけないのではないでしょうか。子供のせいにせず、子供たちは私たち教師が成長するためのチャンスをくれていると捉えるべきです。
おしゃべりに対する指導はどうでしょうか。一見おしゃべりをしているように見えても、実は子供たちは授業に関係のあることを話しているのかもしれません。隣の席の子に、先生が言ったことを確認しているのかもしれません。それなのに、このおしゃべりを「うるさい!友達に迷惑だろ!」などと注意してしまうと、子供は一気に冷めてしまいます。せっかくのやる気をそぐ言葉になってしまうので、子供はなぜ、今隣の子としゃべったんだろうと考える癖が必要です。意外と、子供が隣につぶやいた声が全体の学習内容の定着につながることがあります。

子供の表情、つぶやきを大切に拾って生かす
教師が発問をした後の沈黙。この意味は、なんでしょうか? もしかしたら、先生の発問の意味が理解できていないのかもしれません。子供は自信がないのかもしれません。考えている最中なのかもしれません。もっと考える時間が ほしいのかもしれません。ここでも、いろいろな可能性を考えることが大事です。子供の表情やつぶやきを大切に拾うことです。
時には、子供に「先生が聞きたいこと、わかった?」「今、みんなの前で自信をもって話せる人? 友達と相談したい人? もう少し考える時間がほしい人?」などと聞いてもよいかもしれません。子供が主役の授業になっていきやすくなります。
授業は教師と子供とでつくるものです。教師のパフォーマンスを見せる場ではありません。子供が成長しなくては意味がありません。そのことを念頭に置けば、見えてくるものが変わるのではないでしょうか。
