【相談募集中】適応障害の診断を受けたのに、休職させてもらえません
病院で適応障害の診断が出ましたが、学年の皆が忙しく、休職させてもらえないという30代の先生からの相談が 「みん教相談室」に寄せられました。体調に波があり、治る気がしないという悩みに、教員向け法定研修でメンタルヘルス研修の講師をされている臨床心理士・公認心理師の大多和二郎先生からアドバイスが届きました。
目次
Q. 休職したいのにさせてもらえず、不安で治る気がしません
適応障害の診断を受け学校に伝えましたが、休職させてもらえません。配置替えが半端で以前の仕事をまた担当させられます。相談しようにも学年の皆が忙しく、なかなかできません。体調に波があり安定せず、勤務が不安で治る気がしません。どうすればよいのでしょうか。
(まつ先生・30代女性)
A. 主治医に相談し、「休職の必要性があると書かれた診断書」を提出して対応を
「適応障害の診断を受けて学校に伝えても、休職させてもらえない」ということですね。診断を受けたことを伝えただけなのか、診断書を提出したのか、また診断書には治療のために休職の必要性が書かれていたのかというところが、気になります。
仕事を続けながら治療することでも良いと医師が考えているのか、仕事を休んで治療を進める必要があると考えているのか確認していないのであれば、もう一度、主治医に相談してみてはどうでしょうか。自分としては、仕事を続けながら回復することは難しいと感じていて、医師もそう感じている場合には、診断書にそのことを明確に記述してもらいましょう。休職の必要性があると書かれた診断書を校長に提出しても休職させてくれないということになりましたら、教育委員会にその事実を伝えて対応してもらうことになるかと思います。
ストレスによる心身の不調については、誰が見てもはっきりと分かる身体症状が出ている、外出が全くできていないなどのときには、「勤務は難しいだろう」と思ってもらえるのですが、心理的、精神的にはかなり不安や混乱があっても、それが外見上はっきりと見て取れないと、「少し調子は悪いと言っても、これくらいのことはできるだろう」と判断されて、「もう少し頑張ってやってくれませんか」と言われてしまうことがあります。
適応障害の場合、ストレスの影響で精神面、身体面、行動面に様々な症状が出てきます。精神面に主に症状が出ている場合には、外見上わかりにくいことがあります。例えば、「頭が混乱して考えがまとまらない」「ちょっとしたことにもめげてしまう」「不安が常にあるので、判断ができない」などの症状です。健康なときの自分なら当たり前にできるような作業、判断、行動ができなくなったり、とても時間がかかったりします。ですから、「適応障害の診断を受けました」というときに、辛いかもしれませんが、もし自分がそれを説明できるのでしたら、「こういう精神症状が出ている」とか、「普段とは違ってこうなってしまう」というように、精神的なきつさを具体的に伝えてみるということもよいかもしれません。
みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。