【相談募集中】暴言や脅迫めいたことを言ってくる保護者に困っている

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「全国教育交流会」代表

中野敏治

暴言を吐き、脅迫めいたことまで言ってくる保護者との関係に困っているという先生からの相談が、「みん教相談室」に届きました。理不尽な要求を一度受け入れてしまったことで、行動がエスカレートしてしまったとのこと……。ここでは、元中学校校長で「全国教育交流会」代表の中野敏治先生からのアドバイスをお届けします。

イラストAC

Q.暴言を吐き、さらに脅迫めいたことを言ってくる保護者との関係に困っています

学校で設定した宿泊行事の小遣いの金額が少な過ぎると怒鳴り込んできた保護者がいます。その理不尽な要求を、主幹教諭が受け入れてしまいました。そこから行動がますますエスカレートし、放課後に電話をかけてくる際には「おい、おまえ頭使って言ってんのか!」などと暴言を吐かれ、「今から行くからな」と一方的に電話を切られ、学校へやって来ました。話合いの席では、連絡帳の記入について、「イラっとするんだよ、教育委員会に言って明日付けで島に飛ばすぞ」など脅迫めいたことも言われました。理不尽な要求を受け入れたことで、ますますこの保護者を勢いづかせているようにも思え、今後の学級運営や保護者対応に不安しかありません。攻撃するきっかけを作りたくないので、今後、連絡帳の記入や面談など保護者と関わることはやりたくないと思ってしまいます。どうしたらよいのでしょうか。(もも先生・40代女性 中学校 特別支援学級)

A.一人で抱え込まないことが一番大切です

学校として決めるべきことを明確に

こんな事例があります。

「うちの子は修学旅行に、スマホを持って行かせます。家にカメラがないからいつもスマホをカメラとして使っている。だから修学旅行にはスマホを持って行かせますから! 我が子にも思い出の写真を撮らせたい!」と、保護者が学校に申し入れてきたのです。親は親なりの理由があったのですが、果たしてこの申し入れを受け入れるべきか。

その学校はスマホを持って行くことを許可しませんでした。修学旅行は学校生活の延長であることや集団生活であることなど、いくつか理由を保護者に伝えました。それでも保護者は完全には納得をしなかったといいます。でも、当日、その保護者の子はスマホを持ってこなかったのです。思い出いっぱいの楽しい修学旅行だったと保護者に言ったといいます。

集団生活である活動で、どこまでを許可すべきなのか。いろいろな決め事が修学旅行では起きてきますが、その決め事の中で、生徒同士が決めてもよいこと、学校として決めるべきことを明確にしておくことが必要です。ここを曖昧にすると、要求はどんどんエスカレートします。また、学校として決めるべきことは、きちっとした根拠に基づいている必要があります。

対応窓口をはっきりと

今、学校では、様々なマニュアルが必要になっています。不審者が侵入した時、火災が起きた時、未収金がある時など。その中に、理不尽な要求に対するマニュアルもあるかと思います。民間企業でも、電話で問い合わせをすると「念のため、この電話は録音をさせていただきます」というアナウンスが流れる場合があります。これもマニュアルで決められているものです。

まず、勤務している学校にどんなマニュアルがあるかを確認してみましょう。そして、誰が窓口となって対応すべきことなのかを確認しておきましょう。対応窓口がはっきりしていないと、「去年と違う」「あの先生は許可したのに」と、学校側の統一性が疑われます

保護者からの申し入れは、最初は担任が対応することになると思います。その後、内容によって、学年主任や管理職の対応とします。毎年行われている修学旅行に関することなどは、内容によっては、学年主任と管理職が一緒に、保護者の話を聞いてもよいと思います。

担任の判断だけで決めてよいのか、それを間違えると、他の生徒や保護者との間にもトラブルが起きてきます。

学年主任や管理職に、保護者とゆっくり話す場を持ってもらい、それを共有してもらえるようにお願いする

相談内容から、日々の辛さが伝わってきます。保護者のことが気になり、対応に苦慮し、生徒との向き合い方にも戸惑いを感じているはずです。まして、暴言や脅迫めいたことを言われると、心も萎縮してしまうでしょう。

保護者も我が子のことを思って学校に申し入れをしたのでしょうが、我が子のためというより、学校に対して過剰に感情的になってしまっている感じがします。

学年主任や管理職が、保護者とゆっくり話せる場を持つことが必要です(可能であるなら担任も同席)。保護者も学校も子どものためと思っていても、双方ともに感情的になってしまっては、そこでは子どもの姿は見えなくなっています

あまりにもエスカレートするようであれば、管理職が教育委員会に相談するはずです。保護者の言葉の中から、教育委員会の存在を意識していることがわかります。保護者が教育委員会に連絡する可能性を考え、事前に学校からも、教育委員会に状況を伝えておくべきだと思います。

学校としての対応であることをアピールする

連絡帳の記入にも戸惑いを感じているようですね。

特別支援学級では毎日、連絡帳を使って保護者に状況を伝えていると思います。時間のない中だとは思いますが、しばらくの間、連絡帳を書いた後で主任に目を通してもらうのはどうでしょうか。そうすることで、担任一人の考えではないということを伝えることができます。


様々なことが起きている中でも、子どもたちは生活を送り、毎日成長しています。その子どもたちの姿を見つめることを忘れないようにしたいものです。

大切なのは子どもたちの成長です。その成長を支援していくことです。子どもの日々の姿を見ているからこそ、それぞれの子どもの支援するべきところがわかるのです。その子にあった支援に気づき、その子の成長を楽しみに過ごしたいという思いは、もも先生の願いだと思います。

悩みは一人で抱え込まないで、チームで取り組んでいきましょう。もも先生の周りにはたくさんの仲間がいるのですから。

みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。

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