小5らくらくUnit 4「He can bake bread well.」②【モトヨシ先生のスライドde外国語】

連載
モトヨシ先生のスライドde外国語(活動)~パワポで楽しくらくらくICT授業

パワーポイント教材を映すだけで授業を進められる「モトヨシ先生のスライドde外国語」。今回は、NEW HORIZON Elementary English Course 5 Unit 4「He can bake bread well. ~身近な人を紹介しよう~」第2時(can、can’t ってどんな意味なのか、さまざまなことにチャレンジして知ろう)の授業案です。本好利彰先生が作成したパワーポイント(スライド)教材1つで、外国語の授業をらくらくクオリティアップ!

執筆/福島県公立小学校教諭・本好利彰
監修/拓殖大学教授・居村啓子

スライドは学級の実態に合わせて修正して使いましょう

小学5年生の「NEW HORIZON Elementary English Course 5」のUnit 4「He can bake bread well. ~身近な人を紹介しよう~」全8時の2時目の授業の流れです。本時も、私が作成したパワーポイント(スライド)を使った授業を紹介します。学級の実態に合わせて修正し、活用してください。

パワーポイント(スライド)を使った授業の進め方

この記事の最後で、パワーポイントのファイルをダウンロードできるようになっています。必要な教師の発話やイラスト、音源などを挿入してあり、この資料を使うことで1時間の授業を行うことができるように作成してあります。このスライドを活用して、クリックしながら授業を進めてみてください。
パワポダウンロードへボタン

  • クリックでスライドを進めるだけで、スムーズに授業を行えます。
  • デジタル教科書を使用する場合は、パワーポイントから切り替えてください。

目標と授業の流れ

○単元のゴール
身近な人を紹介しよう。
○本時の目標
can、can’t ってどんな意味なのか、さまざまなことにチャレンジして知ろう。

単元の評価規準(クリックすると各領域の評価規準が表示されます)

【聞くこと】
●知識・技能
〈知識〉
I/You/He/She can ~. Can you ~? Who is ~? This is ~. およびその関連語句などについて理解している。
〈技能〉
地域に住む身近な人のできることなどについて、聞き取る技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
相手のことをよく知るために、地域に住む身近な人のできることなどについて、短い話の概要を捉えている。
●主体的に学習に取り組む態度
相手のことをよく知るために、地域に住む身近な人のできることなどについて、短い話の概要を捉えようとしている。
外国語の背景にある文化に対する理解を深めるために、日本在住の外国出身の人について、短い話の概要を捉えようとしている。

【読むこと】
●知識
アルファベットの活字体の大文字・小文字について、理解している。
●技能
アルファベットの活字体の大文字・小文字を識別したり、その名前を発音したりする技能を身に付けている。

【話すこと】やりとり・発表
●知識・技能
〈知識〉
I/You/He/She can ~. Can you ~? Who is ~? This is ~. について理解している。
〈技能〉
地域に住む身近な人のできることなどについて I/You/He/She can ~. Can you ~? Who is ~? This is ~. を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合う(話す)技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、学びたい教科やなりたい職業などについて、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合っている(話している)。
●主体的に学習に取り組む態度
自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、地域に住む身近な人のできることなどについて、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合おうとしている。
外国語の背景にある文化に対する理解を深めるために、町で働く人について、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合おうとしている。

【書くこと】
●知識・技能
〈知識〉
アルファベットの活字体の大文字・小文字について理解している。
〈技能〉
アルファベットの活字体の大文字・小文字を書く技能を身に付けている。

○言語材料
(表現)
Can you ~? Yes, I can. No, I can’t. I/You/He/She can/can’t ~. Who is this? This is ~. He/She is ~. など
(語彙)動作(skateなど)、建物(stadiumなど)、楽器(guitarなど)、家族(fatherなど)、人(friendなど)

本時の流れ(例)

  1. 挨拶
  2. 単元のゴール、本時のめあての確認
  3. Small Talk
  4. 「できる? できない?」チャレンジ
  5. デジタル教科書 Starting Out
  6. 絵本「SWING!」の読み聞かせ
  7. デジタル教科書 Sounds and Letters
  8. ふり返り

各活動の流れ

①挨拶

元気に明るく挨拶をして、How are you? How’s the weather? などの質問をしてみましょう。

②単元のゴール、本時のめあての確認

単元のゴールと本時のめあての確認を行いましょう。単元のゴールに関しては、
前時のビデオ内容を再度視聴させる。
②スライドで提示し確認する。
③児童に想起させ口頭で確認する。
など実態に合わせて行うことができると思います。

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

③Small Talk

教師が「できる」こと、「できないこと」を動画で提示し、Can you ~? を使って児童に問うてみましょう。スライドには、私がバスケットを行っている動画と、一輪車で転んでいる動画を挿入してあります。実際に先生方やALTで事前に録画して提示すると、児童は興味をもって視聴し、Can you ~?のやり取りがやりやすくなると思います。

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

④「できる? できない?」チャレンジ

いろいろなお題を準備して、実際に児童に動作をさせながら can, can’t の表現に慣れ親しんでいくことを目的とした活動です。1つ目は、けん玉ができるかできないかを児童に聞きます。すぐにけん玉の実物を提示するのではなく、下のように徐々に見えていくスライドを見せて、What’s this? と児童とやり取りをしながら進めるとよいでしょう。

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

What’s this?

なんだろう。けん玉だ!

That’s right. This is a Kendama.

Mr. Motoyoshi, can you play Kendama?

Yes, I can.(と言って、けん玉を大皿にポンと載せる。)
Tim, can you play Kendama?

I don’t know. Do you think I can play Kendama?
Yes, I can.” Raise your hand.
“No, I can’t.” Raise your hand.(児童に挙手させ予想をさせる。)
O.K. Let me try!

できてもできなくても、予想が当たった児童は喜ぶと思います。

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

Let’s say it together.
Can you play Kendama?
Yes, I can.
No, I can’t.

Can you play Kendama?
Yes, I can.
No, I can’t.

2つ目からは、スライドを活用して進めてください。2つ目の Can you touch hands? は、背中側で右手と左手をタッチできるか、です。私は、左手が上で右手が下の場合は、手が届きません(笑)。

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

ここでのポイントは、「できる」「できない」について児童が真剣に考えなくてもよいもので進めるということです。このcanの扱いは非常に難しくて、まさに国民性が表れる表現だと思います。
例えば Can you play basketball? と児童に問うと、スポーツ少年団などでバスケットを行っている児童以外は No, I can’t. と答えると思います。以前、アメリカ人のALTに聞いたときに「ドリブルできるから、できるね」と答えていました。日本人は自己肯定感が低いと言われますが、それも関係しているのではないでしょうか。
以前にこの単元の授業をしたときに「ちゃんとできないと、できると言えないと思ってました」等の感想が見られました。英語の時間くらい、25m泳げなくても自分で判断して Yes, I can. / No, I can’t. と言える児童を育てていきたいですね。

⑤デジタル教科書 Starting Out(P38)

デジタル教科書の内容になります。動画で視聴させるのか、音声で進めていくのか、各学級の実態に合わせて進めるとよいと思います。

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

⑥絵本「SWING!」の読み聞かせ

Can you~?の表現がたくさん入っている仕掛け絵本「SWING!」を読み聞かせしましょう。児童とやり取りした後に、この絵本の仕掛け(シルエットがアニメのように動きます!)を見せると、児童がとても喜んで聞いてくれます。

<SWING! ~A Scanimation Picture Book>

Rufus Butler Seder著(Workman Pub Co)

ここでのポイントは、本に記載してある英文をそのまま読むのではなく、児童が習った表現に近付けることです。例えば Can you swing a baseball bat? という表現が出てきます。そのままの形ではなく、Can you play baseball? と表現を変えて読み聞かせを行うとよいでしょう。

Can you swing a baseball bat? → Can you play baseball?
Can you kick a soccer ball? → Can you play soccer?
Can you run a relay race? → Can you run fast?
Can you cartwheel through the air? → Can you do 側転?

仕掛けのアニメーションを見せたら、ALTや児童に Can you play baseball? と質問することで、やり取りをしながら絵本の読み聞かせが可能となります。

大切なことは、英語の音声を最初に聞かせることです。仕掛けのアニメーションと音声を同時に行うと、児童は英語の音に耳を傾けなくなってしまいます。本を閉じたまま教師は Can you play baseball? と聞かせましょう。その後に仕掛けのアニメーションを見せると効果的です。

Can you spin around on ice? → Can you spin on the floor? (と言いながら、教室の床の上で教師がくるっと一回転する。)

このように教師が実演して、Can you spin on the floor? Can you do this? と聞くと、児童の何人かは挑戦すると思います。やり取りは対話するだけでなく、動作を伴って英語の理解を促すことも大切です。

Can you shoot a basketball? → Can you play basketball?
Can you swim across a pool? → Can you swim?

絵本の読み聞かせは、机や椅子を後ろに下げて床の上に児童が座って行う場合が多いと思いますが、コロナ禍のときは座席を移動させずに読み聞かせを行いました。仕掛けのアニメーションについては、教師が絵本をもって列ごとに見せて回りましたが、時間もそれほどかからずに進めることができました。ALTと協力して、2人で仕掛けのアニメーションを見せて回れば、より時短につなげられると思います。

⑦デジタル教科書Sounds and Letters(P94)

音声を聞いて、アクセントのある場所の○をぬりつぶそう。

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

本時は④⑤を行います。短時間で少しずつ行っていくとよいと思います。

⑧デジタル教科書 複数文字の書き取り(P93)

3文字のアルファベットを続けて聞いて書く活動です。音声を挿入してあるので、そのまま使用できます。実態に応じて複数回聞かせたり、Picture Dictionary P42を開かせて、児童がアルファベットを参考にできるように手立てを講じたりしましょう。

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

前時に扱ったのはUFOでした。本時はUSAとなるようにしました。スライドを見せた後に児童に What is U, S, A? と問うと「あっ、アメリカだ!」と答えると思います。児童とやり取りをしながら確認しましょう。

数年前ですと「Come on, baby America.」と元気よく歌う姿も見られました(笑)。

⑨ふり返り

単元のゴールを設定したらCan-Doリストを作成してふり返りを行うとよいです。本時の学習の感想を全体で共有しましょう。


居村啓子

居村啓子(いむらけいこ)
拓殖大学外国語学部英米語学科教授。言語学博士。児童図書出版社、児童英語教育機関勤務、立教大学異文化コミュニケーション学部助教、上智大学言語教育研究センター嘱託講師を経て現職。2020年よりNHKラジオ「小学生の基礎英語」講師を務める。研究テーマは「子どもの第二言語習得」、「フレーゾロジー」。

本好利彰

本好利彰(もとよしとしあき)
福島県公立小学校教諭。福島県小学校・中学校・千葉県小学校教諭を歴任。また地区外国語教育推進リーダーを務める。2018年より拓殖大学外国語学部で「小学校英語教育入門」を担当。2021年東京書籍アドバイザー。 2023年より東京書籍の会員制教育情報サイト「東書Eネット」にて実践事例、指導技術などを連載中。

パワーポイント(スライド)ダウンロード

5年Unit4-2パワーポイント(43スライド)

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構成/浅原孝子 イラスト/畠山きょうこ・やひろきよみ・横井智美  アニメーション/鶴岡信治 歌・チャンツ/本田有紀子

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