• 勉強マーク小学館ロゴ
  • facebookアイコン
  • twitterアイコン

【先生のための学校】漢字つぶやき学習法

2019/10/27

私は漢字学習に自信をもっています。それは私の漢字学習法が子供たちの発達を考えた科学的な取り組みだからです。まず漢字は、読めなければ覚えられません。だから、クラスみんなで「漢字カルタ」をして、読みを確実にマスターさせます。そして、それと並行して書き順をみんなでつぶやいて、確実に2字ずつ学習していきます。
先生のクラスでは、漢字を教えるときに大きな声で「1、2、3、4……」などと愚かなことはやっていませんか。それでは漢字は覚えられません。まずは私の漢字学習についての理論を理解し、新たな取り組みを始めてください。

執筆/「先生のための学校」校長・久保齋

くぼ・いつき●1949年、京都府京都市生まれ。京都教育大学教育学部哲学専攻卒業。教育アドバイザー。40年以上にわたり「学力の基礎をきたえどの子も伸ばす研究会(学力研)」において《読み書き計算》の発達的意義について研究するほか、どの子にも均質で広範な学力をつける一斉授業のあり方を研究・実践し、現在も講演活動を中心に精力的な活動を続けている。

「漢字つぶやき学習法」で漢字学習に新風を

「曜」という字をどのように教えますか。私は「ひへん書いて、ヨ、ヨ書いて、書いて、書いて、よこたて書いて、を書く」と教えました。そして、クラスみんなで同じようにつぶやいて「空書き」や「指書き」を何回もしてから、ノートに書かせます。

ここで大切なことは、書き順を「1、2、3…… 17 、 18 」というのではなく、

意味のある言葉に変えて、クラスみんなで同じようにつぶやいて書かせる

ということです。

このつぶやいて書く漢字学習をすると、漢字の書き方についてのクラスの共通理解、教室文化が生まれるのです。そして、漢字のテスト前には子供たちが、それぞれに漢字をつぶやきながら机に指書きして覚えたり、互いに問題を出し合い、書き順をつぶやきで答えて和気あいあいと漢字テストに備える姿が表れてきます。

「1、2、3……」と教えていたときには、漢字の練習は孤独な取り組みでしたが、つぶやいて書く指導をしてからは、和気あいあいとみんなで楽しくする取り組みに変わっていきました。

「野」という字は

書いて、たてぼう書いて、書いて、はね上げて書いて、書いて、たてぼうはねる

とつぶやいて書く指導《つぶ書き指導》で行うと、7画目のはね上げや 10 画目のはねも、クラス誰一人間違うことなく、全 員きれいな字になるのです。

私の《漢字つぶやき学習法》では、一年生の漢字はカタカナといくつかの記号で、書き順を重視したリズム感あるつぶやきで教え、二年生からは一年生の漢字も活用して教えるという方法です。

この話を講演で先生方にお話ししていると、必ず「久保先生、そのつぶやき方を教えてほしいのです」という話になるのです。私としては 「自分で考えて !! 」と言ってきたのですが、あまりにも希望する先生方が多いので、小学館と相談をしましたら、「日本の子供たちのために、先生方のために、そのドリルをつくりましょう」 ということになりました。

名前はつぶやきながら書いて覚えるので『つぶやき漢字ドリル』。一年生から六年生までのすべての学年、先生方にも子供たちにも使ってもらえる楽しくて素敵なドリルに仕上げました。ぜひご活用ください。

つぶやき漢字ドリル
クリックすると別ウィンドウで開きます。

漢字学習を「孤独な取り組み」から「みんなで楽しく」へ

撮影/大庭正美

書き順を大切にした《つぶ書き指導》は、中学年、高学年と進むにつれて、「偏」や「旁」 など、部首に分け、意味と結合させて覚えていく「会意的な漢字学習」へと進化していきますが、「分解して統合する。あるいは分析して統 合する」という原則・原理は変わることがあり ません。

小学校時代は、幼児期から培ってきた「丸覚え」という伝家の宝刀を武器に、新たな学習方法である「分析して統合する」という学習方法を身に付けていく時期なのです。漢字を読むときには「丸覚え」という伝家の宝刀を大いに生かし、書くということで新たな学習方法をしっかり身に付けさせていかなくてはなりません。

私はこの考えを踏襲、発展させ、さらに漢字学習を孤独な、個別な取り組みから、みんなで楽しくできる教室文化にするために、「漢字カルタ」の取り組みやつぶやき漢字ドリル』の取り組みを提案してきたのです。「学力づくりでクラスづくり」の一環として取り入れてみてください。

「先生のための学校」とは
学力研(学力の基礎をきたえどの子も伸ばす研究会)の仲間たちと大阪で10年以上続けてきた活動が、<教師力を磨くために教師が集まって学ぶための学校>です。
どんな初歩的なことでも質問できて、それをなぜそうするのかがしっかり学べて、自分の実践をみんなに聞いてもらえて、みんなでワイワイしゃべれて『教育とは何か』『授業とは何か』という本質的なところまで深められる・・・。
そんな「教師の学ぶ場」をつくろうよ!という呼びかけのもとに始まりました。本記事は、そこで培われた知見を紹介する連載企画です。

久保齋先生の本・・・
『つぶやき漢字ドリル』1年~6年
つぶやき漢字研究会・著 小学館刊 各900円+税
試し読みコチラから 1年2年3年4年5年6年

編集協力/カラビナ

『小二教育技術』2018年7/8月号より

関連する記事

授業記事一覧

調理の基本がわかる!小五小六の家庭科

調理は、子供たちにとって、楽しい学習のひとつです。ここでは、小五と小六の家庭科授業の基本と、それぞれの学年別で、子供が安全と衛生に気を付けて楽しく活動することが…

外国語授業で学級づくり ~アルファベットに親しもう~

外国語活動の授業の中で、アルファベットに慣れ親しむことができる活動を紹介します。活動を通して友達との仲が深まり、学級づくりの一環としても役立ちます。

【指導計画】6年算数 場合の数(1)

4人でリレーを走る順番が全部で何通りあるかを調べ、順列について、落ちや重なりがないように、図や表を用いたりして、順序よく筋道立てて考えることを学びます。

2019/11/19

【指導計画】5年国語 図書すいせん会をしよう

5年国語「読むこと」「読書」の単元です。本を推薦するには、推薦者が対象となる作品の特徴をよく理解し、その面白さを他の読み手にも伝わるように表現することが大切です…

2019/11/18

【指導計画】1年算数 「ひきざん」(2)

小一算数の「ひきざん」の授業で、10 のまとまりに着目し、具体物の操作、言葉、式を使って考え、説明する活動を通して、減加法を理解することができるようにする。

2019/11/17

帝京大学大学院教授・赤堀博行
明確な指導観をもち、授業改善につなげる「特別の教科 道徳」

小学校では2018年度、中学校では2019年度からスタートした「特別の教科 道徳」。検定教科書の導入など、変わった点も多い中、教科化1年目を終えた小学校ではどん…

【指導計画】1年算数「ひきざん」(1)

1年算数の授業アイディアです。今回は「ひきざん」の前半を扱います。10 のまとまりに着目し、具体物を用いて計算の仕方を考える活動を通して、減加法を理解することが…

2019/11/15

【教育技術小五小六12月号購入者特典】「外国語の授業レポート」動画(PR)

『教育技術 小五小六』2019年12月号本誌に掲載されている「外国語の授業レポート」特集と合わせて視聴するための授業動画です。本誌記事中に掲載されているパスワー…

小一図工 自然の材料で動物づくり

小学校一年生の図工のアイディアです。校庭や学校周辺には、色とりどりの落ち葉や木の実を見かける季節。落ち葉や木の実をたくさん使っておしゃれな動物を作り、キャンバス…

2019/11/15

小六理科のプログラミング教育
誰でもできるプログラミング教育~小六理科 電気の性質や働き~

いよいよ来年度からプログラミング教育が始まります。どのように導入していったらよいか。高学年で必修となる6年理科のプログラミングの授業実践例を紹介します。プログラ…

もっと見る