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【先生のための学校】子供たちをウキウキ宿題に向かわせる方法

2020/5/20

「先生のための学校」の講師の先生と「6月に大切なことは何か」ということを話し合いました。そのとき、宿題が話題になりました。そのベテランの先生は、宿題を出すときに、この子供たちが三学期になったときに、どんな子供でいてほしいかを考えて、出す宿題を決めているということでした。今回は宿題について考えてみます。

執筆/「先生のための学校」校長・久保齋

 学力研「先生のための学校」校長・久保 齋
学力研「先生のための学校」
校長・久保 齋

くぼ・いつき●1949年、京都府京都市生まれ。京都教育大学教育学部哲学専攻卒業。教育アドバイザー。40年以上にわたり「学力の基礎をきたえどの子も伸ばす研究会(学力研)」において《読み書き計算》の発達的意義について研究するほか、どの子にも均質で広範な学力をつける一斉授業のあり方を研究・実践し、現在も講演活動を中心に精力的な活動を続けている。

宿題に予習を一つ入れる

ベテランの先生は、次のような話をしてくれました

「三学期の子供たちには、その学年で履修する学力をしっかりつけてほしい。でもそれだけでなく、キラキラと輝く、自分から学習に取り組む子に育ってほしい。そう考えるならば、もう6月からそのような子になる指導が必要だ」というのです。

その先生が6月にやっていることは、宿題に予習を一つ入れる」ということです。

自主的に学習する子をめざして、子供たちに「自由学習をしてきなさい」と言うのは酷な話です。そんなことをすれば、クラス担任自らが格差をつくっているようなものです。そうではなくて、まず自主的に学習するとはどういうことなのかを、宿題を通して教えていかなければならないのです。

宿題は復習がほとんどなので、子供たちにとって、ウキウキした取り組みにはなりません。 もちろん、学力をつけるためには復習は必要ですが、そこに一つ予習の宿題を入れてやることで、子供たちをウキウキ宿題に向かわせることができるのです。

ウキウキしない宿題、ウキウキする宿題

では、どんな予習の宿題がいいのでしょう。予習には決まった答えのあるようなものは相応くありません。課題に対して自分で考え、答えを書いて、朝、教室に行ったら、すぐにお友達と見比べてみたくなるような宿題がいいのです。

例えば、国語のスイミーならば、

〇「たのしく、くらしていた」と書いてあるけれど、どんなことをしてたのかな。

これを国語のノート3分の1くらいを使って、文章で書かせてくるのです。こうすれば、子供たちはウキウキと宿題をし、ウキウキと子供同士でノートを見せ合って、宿題に楽しく取り組みます。そして、これを授業で活用して、意見交換していくと、宿題としての予習と授業がうまくリンクして相乗効果を生んでいきます。

予習のできる人間が優秀な社会人になる

社会で活躍する有能な人とは、どんな人なのでしょうか。これは難しい問題ですが、一つだけはっきりとしていることがあります。 それは、有能な人は必ず準備して仕事に臨んでいるということです。

「予習」をすること、「予習」して仕事に臨むことこそ、有能さの証なのです。

しかし、社会人になったからといって、すぐに予習のできる人間になれるわけではありません。私は、やはり小学校のときから予習し、しっかりと準備して事に臨む子を育てるべきだと考えています。

このようなベテランの先生たちの意見をいただき、予習としての宿題を国語教材に即して毎時間ごとに整理し、その授業展開を著したのが、『予習展開による国語科授業づくり』です。6月からの授業づくりのヒントにぜひご活用ください。

久保校長からひと言
ベテランの先生って、何か違う。いつもそう思って話を聞いているのですが、それは「見通し」の問題だとわかりました。「三学期を見通して、一学期の今、宿題に予習を一つ入れる」というのは素晴らしいと思います。
 
低学年に予習なんて……と考えていた先生方には目から鱗のお話ですが、よくよく考えて見ると、確かに正しい取り組みです。無理をしないで、一日、一教科、一問でいいので、楽しい予習宿題を出してみてはいかがでしょう。

久保齋先生の本・・・

『主体的・対話的な学びを深める 予習展開による国語科授業づくり』
久保齋 ・著 小学館刊 1700円+税
試し読みはコチラから

 

『小二教育技術』2018年6月号より

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