【相談募集中】初めての担任、自分に何ができるか不安でいっぱいです
今年度、初めて担任を受け持つ男性教諭から「みん教相談室」に相談が届きました。学級が始まるまでは不安でたまらず、この時期に何ができるのか?という相談内容です。この不安を教育アドバイザー・多賀一郎先生が解きほぐした回答内容を、こちらでシェアします。
目次
Q. 初めての担任、始まるまでが不安でたまりません
初任で担任を初めてもちます。始まるまでがとても不安でなりません。初任としての心得だったり、こういうことをしておけばいいよということをご教授いただけましたら幸いでございます。子どもたちの未来のために、仕事をしようと志しております。
ですが、やはり不安には勝てない時があります。いつもそういうことには逃げてきていた自分ですが、今回は逃げないでぶつかっていこうとは思っております。担任となり、自分には何ができるのかなど自問自答の日々です。
何もできない自分には子どもたちのために何ができるのでしょうか? 初任を経験された方は皆さん同じ心持ちでやってこられていたのでしょうか?(匿名先生・20代男性)
A. 今は子供たちとのための具体的な準備をしましょう
まず、日本中の初任者が同じような不安を抱えているのです。あなた一人ではありません。学校が始まって、しなければならない雑務や会議に忙殺され、何を準備したら良いのか分からないままに、子どもたちの前に立とうとしているわけですから、当然の不安です。
初任に限らず、実は多くの先生方もみなさんこの時期は不安なのですよ。不安は、やる気と緊張感から生まれます。不安であることは、悪いことではありません。
わからないことは何でも学年の先生方に相談するのが良いのですが、初任者は、何を相談したら良いのかさえ、分からないものです。ともかく、新学期が始まっての、子どもたちとの出会いをどうするか考えましょう。
まず、子どもたちとのファーストインプレッションは大切です。初日から3日間、話すことを考えましょう。初日は、忙しいです。プリントなど、たくさん配るものがあります。それを配っているだけで、15分くらいはかかってしまいます。だから、前日にプリント類はほとんど配ってしまいましょう。子どもの机の中に入れておけば良いのです。
そうやって、話すための時間を作りましょう。何か子どもたちがわくわくするような楽しい話を考えるのです。「先生は君たちと一緒に遊びたいから、たくさん共に遊びましょう。」でもいいし、自分の得意なことを話してもいいでしょう。子どもたちは、どんな先生か知りたがっていますからね。
子どもたちの心を惹きつける話が思い浮かばなかったら、3日間、毎日読む絵本を用意しておくといいでしょう。絵本は子どもを惹きつける強い力がありますからね。よろしければ、こちらをご参照ください。
*「改訂版 一冊の本が学級を変える」多賀一郎著 黎明書房
2日目は、自分の学級の基本的な考え方を話しましょう。例えば、僕は、いつもこの3つだけを言いました。3つぐらいでいいと思います。たくさん言っても頭に残らないですからね。
①友達の話は、顔と心を話している人の方へ向けて聞きましょう。
②遅刻はダメです。時間を守りましょう。
➂いじめは、絶対に許しません。
それから、アイスブレーキングやゲームを子どもたちとして、学級づくりに生かすといいですよ。
*「学級づくり&授業づくりスキル レク&アイスブレイク(ロケットスタートシリーズ)」鈴木優太編集 多賀一郎監修 明治図書出版
「自分には何もできない」と思うのは、何をして良いか分からないからです。もともと、初任者でそんなに凄い力をもった先生などいません。この仕事は経験が生きてくる仕事なのですから、自分には力がないと自覚することは、大切な事です。
でも、力はなくても子どもはついてきます。若さというのは、それだけで特権なのです。子どもたちの傍にいつもいるだけで充分です。
そして、子どもを大事にしていたら、子どもたちが助けてくれますよ。今から、少しの時間、子どもたちとのための具体的な準備をしましょう。準備ができてくると、気持ちも少し落ち着いてきますよ。
みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。