【相談募集中】児童にプラスとなる読書活動を学ぶにはどうすれば?
20代の女性教諭から「みん教相談室」に相談が届きました。児童にプラスとなる読書活動を学ぶためにはどうすればという相談内容です。これに回答したのは、読書や本に精通した東京学芸大学附属小金井小学校司書・松岡みどりさん。日常的に児童の読書活動を支えている司書の目線での回答をこちらでシェアします。
目次
Q. 読書活動について、どう知識を増やしていけばよいかわかりません
今、教員4年目です。初任校で4年目の勤務をしています。まだまだ未熟者ですが、私なりに教育について考える毎日です。その中で、読書と教育のつながりについて興味をもっています。読書活動を工夫することで、児童にとってプラスになることがあるのではないかと思っています。
そのためにできることをしていったり、研究したりしたいのですが、まずは知識を増やしたいです。大学院に行くべきなのかもと思っているのですが、読書活動を軸にした教育活動について学ぶためにはどうしたらよいでしょうか。(のん先生・20代女性)
A.司書教諭の講習や、関連機関が主催しているセミナーや研修会もあります
もし、司書教諭の資格を未取得でしたら、司書教諭講習を受講されてはいかがでしょうか。講習科目の中に関心をもたれている内容も含まれているかと思います。
また、子どもと読書に関わる多くの機関(文部科学省、全国学校図書館協議会、国際子ども図書館等々)で主催しているセミナーや研修会などもありますので、ご自身の生活スタイルに合った学びの方法を探されてもよいかと思います。
東京学芸大学学校図書館運営専門委員会が運営している「先生のための授業に役立つ学校図書館活用データベース」でも授業実践や研修などが紹介されています。
記事末に参考リンク・文献を掲載しましたので、参考にしてください。
また、他の司書さんからは、以下のようなアドバイスをいただきました。
「授業(教員)とブックトーク(司書)の協働授業がいいと思います。教科書以外の視点が増える、多様な資料の活用につながる、司書と連携して行うので教員自身の本への知識が増える、子どもたちがどんな本に興味を持つか授業を通して理解できる、教員にあまり負担がかからない、などといったメリットがあります。『先生のための授業に役立つ学校図書館活用データベース』内でブックトークの事例も多く掲載されています。ぜひご参照ください」(司書Aさん)
「学校図書館学がご専門の桑田てるみさんが中心となって作った『鍛えよう!読むチカラ』(明治書院)は、今や図書館でしか入手しづらくなってしまいましたが、小学校での読書活動に役立つ1冊だと思います。図書館ってどういうもので、だから自分の授業でどう使えるかについて考えてみたいということでしたら『図書館が教えてくれた発想法』(高田高史著 柏書房)もお薦めです。こちらは勤務校の先生に薦めてもらいました。もし、勤務されている学校図書館に学校司書さんがいるなら、いろいろ話してみることや、いい活動をしている学校に一緒に見学に行ってみるというのもよいと思います」(司書Bさん)
参考リンク・文献
・文部科学省「学校図書館司書教諭講習科目に相当する授業科目について」
・平成28年度 学校図書館司書教諭科目に相当する授業科目の開講等に係る実施予定状況一覧
・司書教諭 よくある質問集
・全国学校図書館協議会(SLA) セミナー・研修会の案内
・日本図書館協会(JLA) JLA主催行事案内
・国際子ども図書館 「子どもの読書活動推進」
・文部科学省 「子ども読書の情報館」
・先生のための授業に役立つ学校図書館活用データベース
いかがでしたか? 先生に合った方法を見つけてみてくださいね。応援しています!
みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。