新学期のわくわく感を生かす!低学年二学期の係・当番の決め方

新学期、特に一年生の子供たちにとっては、初めての二学期です。「二学期はどんなことをするのかなあ」「どんな楽しいことがあるのかなあ」と、学校生活にわくわくと期待感をもって登校してくる子も多いのではないでしょうか。最初の1週目、子供たちのそんな気持ちを、係・当番決めに大いに生かしていきましょう。

執筆/東京都県公立小学校主任教諭・佐藤あすか

イラストAC

決める前にはまず確認! 「係とは?」「当番とは?」

子供たちが係活動と当番活動を混同しないよう、まずは係と当番の違いをしっかりもう一度確認します。

特に一学期の一年生は発達段階に合わせて、当番活動的なものも「係の仕事」として行ってきた学級も多いと思います。

子供たちが学校生活に慣れてきたと感じたら、このように「係と当番の違い」を指導していくとよいでしょう。

係活動とは?

  • あればクラスがもっと明るく楽しくなるもの
  • クラスのみんなも自分も楽しめるもの
  • 自分たちで工夫して、活動できるもの

当番活動とは?

  • クラスに必ずないと困るもの
  • だからこそ全員で分担して行うもの

当番活動の主なものは「日直」「給食」「掃除」の三つですが、教室内にたくさんあるその他の仕事を、「一人1役」という形で行うのが、低学年ではおすすめです。

子供たちの発達段階に合わせた言葉で、板書してあげるとよいですね。

当番=〈一人1役〉を決めよう!

クラスの人数に合わせて決めていきます。低学年の場合は、教師が仕事内容をあらかじめ決めておき、子供たちがそのなかから選ぶ方法がよいでしょう。学期の途中で1回変えると、子供たちはさまざまな経験を積めます。あまり大人数でなければ、数人でやってもよいですね。

一人1役例

  • こくばんかく
    黒板に日付・日直を書く。
  • こくばんけす
    黒板を消し、クリーナーをかける。
  • じかんわり
    時間割マグネットを貼る。
  • ほけん
    保健板を運ぶ。
  • ほうそう
    放送スイッチオン・オフ。
  • ならばせ
    教室移動時、みんなを並ばせ先導する。
  • 手がみ
    クラスに配付される手紙を取ってくる。
  • でん気
    電気をつける・消す。
  • せんぷうき
    扇風機のスイッチオン・オフ。
  • あしたのよてい
    翌日の朝学習の予定を黒板に書いて帰る。
  • おとしもの
    廊下の落とし物チェックをする。
  • まどあける
    朝、窓を開ける。
  • まどしめる
    帰る前、窓とカギを閉める。

  • クラスの花に水やりをする。
  • リサイクル
    今日出たリサイクル用紙をまとめる。
  • 一人1やく
    「一人1役やったよ札」を裏返す。

係決めでは、「係のタネ」を紹介してあげよう!

子供たちはどんなものを係にすればよいかイメージがわかない場合もあるかと思います。

そこで教師が「こんなことが係活動としてできますよ」と「係のタネ」を紹介してあげるのがおすすめです。

教師から教えてもらった「係のタネ」をヒントに、子供たちは「こんな係やりたい!」と意見を出していきます。出された意見を基に、教師が「これはクラスでできそうかな?」と問い、できそうならそれを二学期の係として決めます。

「係のタネ」を教師が紹介することで、今までになかった新しい係が始まるきっかけになります。新たな活動へのチャレンジで、クラスがまた少し、楽しくなっていくとよいですね。

「係のタネ」例 低学年におすすめの係

「自分たちで『もっとこんなことやってみたい!』ということがあれば、ぜひどんどんチャレンジしてみてくださいね」「もちろん、先生が紹介した係をやってもよいですよ」と伝えてあげると、子供たちは安心します。

係の名前こんなことができるよ!
なぞなぞ・クイズ係・いろいろなクイズをしたり、クイズ新聞を作って貼ったりする。
おりがみ・こうさく・折り紙や画用紙でいろいろなものを作り、教室を飾って明るくする。
・作った作品を、欲しい人にプレゼントする。
・休み時間に「折り紙教室」を開き、希望者に教える。
キャラクターしょうかい係・いろいろなアニメのキャラクター紹介や、キャラクタークイズなどをする。
てつどう係・紙で作った鉄道模型を教室に飾る。
おすすめの本しょうかい係・図書館で見付けたおすすめの本を紹介する。
・本を読んでくれた人に、手作りのしおりをプレゼントする。
マンガ・イラスト係・マンガやイラストを描いて壁に貼る。
ぬりえ係・ぬり絵を描いて、みんなに自由にぬってもらう。
おわらい大すき係・ みんなからテーマを募集し、そのテーマのお笑いをやりみんなを笑わせる。
スポーツあそび係・みんなにやりたい遊びを聞き、週2回の全員遊びを計画・実行する。
いっしょにおどろう係・みんなが踊れるような簡単な振付のダンスを考え、休み時間にみんなで踊る。
かんじぶぶんクイズ係・漢字の一部分をみんなに見せ、その漢字が何かのクイズを出す。

「キャラクターしょうかい係」や「てつどう係」のように、自分の得意なこと・好きなものを「○○しょうかい係」「○○係」として係にして、みんなに楽しんでもらうことも、おすすめです。(例えば、魚、動物、アニメ、サッカー、野球、フルーツ、などなど)

『教育技術 小一小二』2021年8/9月号より

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