小6らくらくUnit 1「This is me!」②【モトヨシ先生のスライドde外国語】

連載
モトヨシ先生のスライドde外国語(活動)~パワポで楽しくらくらくICT授業

2024年度教科書改訂に対応した記事もあります。
小6らくらくUnit 1「This is me!」①【モトヨシ先生のNEWスライドde外国語】(4/5公開予定)

パワーポイント教材を映すだけで授業を進められる「モトヨシ先生のスライドde外国語」。今回は、NEW HORIZON Elementary English Course 6 Unit 1「This is me! ~自分についてスピーチをしよう~」第2時(名前や好きなもの、季節や教科などを言ったり、書いたりしてみよう。)の授業案です。本好利彰先生が作成したパワーポイント(スライド)教材1つで、外国語活動の授業をらくらくクオリティアップ!

執筆/福島県公立小学校教諭・本好利彰
監修/拓殖大学教授・居村啓子

スライドは学級の実態に合わせて修正して使いましょう

小学6年生の「NEW HORIZON Elementary English Course 6」のUnit 1「This is me! ~自分についてスピーチをしよう~」全8時の2時目の授業の流れです。本時も、私が作成したパワーポイント(スライド)を使った授業を紹介します。学級の実態に合わせて修正し活用してください。

パワーポイント(スライド)を使った授業の進め方

この記事の最後で、パワーポイントのファイルをダウンロードできるようになっています。必要な教師の発話やイラスト、音源などを挿入してあり、この資料を使うことで1時間の授業を行うことができるように作成してあります。このスライドを活用して、クリックしながら授業を進めてみてください。
パワポダウンロードへボタン

  • クリックでスライドを進めるだけで、スムーズに授業を行えます。
  • デジタル教科書を使用する場合は、パワーポイントから切り替えてください。

目標と授業の流れ

○単元のゴール
名前や好きなこと、誕生日など自分についてスピーチしよう。
○本時の目標
名前や好きなもの、季節や教科などを言ったり、書いたりしてみよう。

単元の評価規準(クリックすると各領域の評価規準が表示されます)

【聞くこと】
●知識・技能
〈知識〉

I’m~. I’m from ~. I like ~. My birthday is ~. およびその関連語句などについて、理解している。
〈技能〉
名前や好きなこと、誕生日などについて、聞き取る技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
相手のことをよく知るために、名前や好きなこと、誕生日などについて、短い話の概要を捉えている。
●主体的に学習に取り組む態度
相手のことをよく知るために、名前や好きなこと、誕生日などについて、短い話の概要を捉えようとしている。
外国語の背景にある文化に対する理解を深めるために、海外の国について、短い話の概要を捉えようとしている。

【読むこと】
●知識
I’m ~.  I’m from ~.  I like ~.  My birthday is ~. およびその関連語句などについて、簡単な語句や基本的な表現を理解している。
●技能
I’m ~.  I’m from ~. I  like ~.  My birthday is ~. およびその関連語句などについて、書かれた英文を理解する技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、名前や好きなこと、誕生日などについて、書かれた簡単な語句や基本的な表現の意味が分かり、声に出して読んでいる。
●主体的に学習に取り組む態度
自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、名前や好きなこと、誕生日などについて、書かれた簡単な語句や基本的な表現の意味を分かろうとし、声に出して読もうとしている。

【話すこと】
●知識・技能
〈知識〉

I’m ~. I’m from ~. I like ~. My birthday is ~. およびその関連語句などについて、理解している。
〈技能〉
I’m ~. I’m from ~. I like ~. My birthday is ~.およびその関連語句などを用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合う(話す)技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、名前や好きなこと、誕生日などについて、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合っている(話している)。
●主体的に学習に取り組む態度
自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、名前や好きなこと、誕生日などについて簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合おう(話そう)としている。
外国語の背景にある文化に対する理解を深めるために、世界の国について、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合おう(話そう)としている。

【書くこと】
●知識・技能
〈知識〉

I’m ~. I’m from ~. I like ~. My birthday is ~.およびその関連語句などについて、英文の語順などを理解している。
〈技能〉
I’m ~. I’m from ~. I like ~. My birthday is ~.およびその関連語句などについて、例文を参考に書く技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、名前や好きなこと、誕生日などについて、例文を参考に書いている。
●主体的に学習に取り組む態度
自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、名前や好きなこと、誕生日などについて、例文を参考に書こうとしている。

○言語材料
(表現)
I’m ~. I’m from ~. I like ~. My birthday is ~. など
(語彙)アルファベット、国(Americaなど)、動物(bearなど)、月(Januaryなど)、日付(first)など
○Do you have (a pen)? Yes, I do. / No, I don’t.

本時の流れ(例)

  1. 挨拶
  2. ゴースト・ゲーム
  3. 単元のゴール、本時のめあての確認
  4. デジタル教科書Starting out  No.4~No.7
  5. スモールトーク(コミック)
  6. デジタル教科書 Let’s Listen! 1
  7. デジタル教科書 Let’s Try2
  8. インフォメーション・ギャップ
  9. ライティング(季節・教科)
  10. Sounds and Letters
  11. ふり返り

各活動の流れ

①挨拶

元気に明るく挨拶をして、児童にHow are you? How’s the weather? などの質問をしてみましょう。

②ゴースト・ゲーム

前時でも行ったゴースト・ゲームの活動です。6年生最初の単元の授業なのでウォーミング・アップとして行ってみてください。行い方の説明動画をスライドに入れてあるので、参考にしてください。

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます。

③単元のゴール、本時のめあての確認

本単元のゴール、本時のめあてを確認しましょう。

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます。

④デジタル教科書 Starting out(P7)→ ⑤スモールトーク(コミック)

世界の子供たちのプロフィールについて、聞こえた順に□に番号を書こう。

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます。

前時にABCの3問、本時でDEFGの4問を扱うとよいでしょう。

なお、デジタル教科書には、映像用のクリックと音声用のクリックがあります。どちらを活用するかも先生の判断になります。私は1問目は映像を見せて、2、3問目は音声のみという使い方をよくします。児童が難しいと教師が判断した場合は、映像を見せた後に音声を流すことも可能でしょう(ただし、この場合は、児童がデジタル教科書の画面を見られる状態だと答えが丸見えですので、画面を隠すなどの工夫が必要となります。それが難しい場合は、通し再生を活用します)。

Open your textbooks to page7. Let’s try D, E, F and G today. You have four questions.
Now, let’s listen. (通し再生をクリック)

通し再生のNo.4~No.7を再生し終えたら、

Now, let’s check the answer. No.4’s answer is D, E, F or G?

D.

Excellent. How about No.5’s answer?

No.4 の時と同じ要領で進めてみましょう。

前回は、視点を与えてリスニングを行う指導法を紹介しました。今回も同様に、児童に視点を与えてリスニング活動を行うこともできます。ただ授業構成によっては、リスニングに時間を割けない場合もあります。今回は No.4~No.6 は簡単に流して、最後の7問目のGがコミックについて話している内容なので、子供たちの好きな漫画について、簡単なやり取りをすることもできます。以下のように進めてみてはどうでしょうか。

How about No.7? No.7 is?

G.

Very good. Martin likes comic books. I like comic books, too. Let’s talk about your favorite comic.
I like basketball. I like SLAM DUNK. How about you? What comic book do you like?

I like ONE PIECE.

Oh, you like ONE PIECE. How about you?

と、何人かの児童に聞いてみましょう。

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます。

Now, let’s make a pair and talk about your favorite comic book.

と言って、ペアで話をさせましょう。

⑥デジタル教科書 Let’s Listen! 1(P8)

2人の自己紹介を聞いて、4線に名前を、(  )に出身国を書こう。また、2人になりきって自己紹介をしよう。

2人の自己紹介を聞いて、名前を書く際は、Picture Dictionary P6、P7 のアルファベットが書かれているページを参考にして書き写すように指示しましょう。ここで予想される間違いは、名前の最初を小文字で書いてしまうことです。児童と答え合わせをする際に、気付かせるとよいでしょう。1人目のDeepa のリスニングを聞いたあとに、

What’s his name?

ディーパ

That’s right. How do you spell it?

d-e-e-p-a

ここで教師が黒板やスクリーン deepa と書いてみます。すると必ず何人かの児童が「違うと思います」と発言するでしょう。

何がおかしいの?

最初は大文字だと思います。

名前の最初は大文字なんだね。みんなの答えのdはどうなってる? 確かめてごらん。

最初に「名前の最初は大文字だよ」とリスニング活動の前に知識を伝えるのではなく、児童に「気付かせるようにする」ことにより、記憶に残ると思います。

次に Martin のリスニングも行いましょう。先程の漫画本のスモールトークをこの後で行うことも考えられますが、教科書に書き写す活動をしているので、私の場合は、リスニングの前に行いました。

⑦デジタル教科書 Let’s Try2(P8)

あなたの好きなもの・ことやできるスポーツなどについて、□に巻末絵カードを置こう。
また
友達とペアでたずね合おう。

ここで児童に I like dog. と I like dogs. の違いに気付かせるように指導しておきましょう。ほとんどの児童は I like cat. や I like dog. と発話しています。そうすると「私は犬の肉を食べることが好きだ」という意味になってしまいます。児童の「気付き」を大切にしたい場面でも、説明的になりすぎないことが重要です。スライドで視覚情報を与えながら、ALTと協力して英語で指導することも可能です。

では、実際どのように指導していくかご紹介します。ALTに I like dog. と I like dogs. でリアクションをとってもらいます。

↑I like dog.のリアクション
↑I like dogs.のリアクション

この段階では、児童は「え? なんで?」というような表情をしています。教師が2、3回同じように英文を言ってALTがリアクションを繰り返しましょう。そうすると「ズって言っているよ」と気付く児童が出てきます。しかし、反応している児童がいるからといって、意味を理解しているわけではありません。そこで次は、意味理解を促す指導をパワーポイントのスライドを使って行います。見せるスライドはこちらになります。

このスライドを見せながら教師は I like dog. と I like dogs. の英文を言うだけです。それだけで児童は意味を捉えます。日本語で「sが付くとね」などと説明する必要はありません。では、意味理解ができたか確かめるために、犬を例にしたスライドを表示します。

I like dogs. Dogs are very cute. I like dogs very much.

と言いながら、スライドをクリックしていきます。この時、まず英文が先に表示され、次のクリックで絵が出るようにしてあります。このように、英文と絵は同時には提示しません。基本原則は、音声→文字→絵とするとよいでしょう。英文と同時に絵も見せてしまうと、絵から意味を捉えてしまうからです。音から入るというステップの積み重ねが大切です。授業では、意識して行っていきましょう。

I like dog. のスライドを見せます。犬のイラストがない状態です。

そしてクリック!

教師が I like dog. と言いながらこのスライドを見せると、多くの児童が「えー」「だめでしょ」などと反応します。意味を理解した時の反応です。このやり方で十分に児童は理解します。使う表現は I like dog. と I like dogs. そしてスライドとALTの演技で、日本語での説明的にならずに、簡単に意味を捉えさせることができます。ぜひチャレンジしてみてください。

⑧インフォメーション・ギャップ

インフォメーション・ギャップは、小学校でも中学校でもよく行われる活動なので、すでに行っている先生方も多いかと思います。

1.児童は、カード(ワークシート)の一番左の列の中から、どのキャラクターになりきるかを決める。そのキャラクターに赤で○をする。

インフォメーション・ギャップカードは、パワポといっしょにダウンロードできます。

2.ペアになった友達とじゃんけんをする。勝ったほうが質問を1つだけする。
例:What color do you like? と質問して、友達が I like blue. と答えたとします。その場合、友達は Mr. Simon、Baby Simon、Simon Dog のいずれかということになります(Mr. Simonのキャラクターの絵は本連載のオリジナルです)。

3.友達が何のキャラクターになっているか、Are you~?を使って質問する。

4.友達がなりきっているキャラクターを当てることができたら、カードを友達からもらう。

5.挨拶をして別れ、別の友達とペアになって2からを繰り返す。

6.カードをたくさん集めた児童の勝ち。

本時では、ライティングの活動で「好きな季節」と「好きな教科」を児童に書いてもらいます。インフォメーション・ギャップの活動の段階から、意図的にそれらの表現を扱い、慣れ親しむことができるようにしましょう。以下のようなやり取りをして、先程と同じようにペアで質問をし合ってもよいと思います。

What season do you like?

I like summer.

Oh, you like summer.

What season do you like?

I like fall.

Oh, you like fall.

私が行う場合は、じゃんけんで勝った児童のみ質問することができ、質問は1つまでと制限しています。2、3問質問をすると、友達がどのキャラクターになっているかが分かってしまいます。ちょっとしたゲーム性も取り入れて行うことで、楽しみながら活動をすることができます。

実施する前にALTとデモンストレーションを行い、何度か見せると児童も理解できるでしょう。パワーポイントでも説明できるようにスライドを作成してありますので、活用してみてください。なお、カードがなくなった場合は、教師やALTからもらうように指示しましょう。

⑨ライティング(季節・教科)

本時で話題にした好きな季節と好きな教科を、Picture Dictionary のスペルを参考にして、前時に配付したワークシートに書かせます。Picture Dictionary の「P14季節」「P24教科」を見て、単語と単語の間のスペースを意識してワークシートに書き写すように指示をしましょう。

ワークシートはパワポといっしょにダウンロードできます。

ここで机間巡視をしながら教師が行うべき指導は「スペース」です。Ilikesummer. と書いてしまう児童は多いです。英語が苦手な中学生も、スペースを空けずに書いてしまいます。英語は、語と語の間にスペースがあり、その語順が入れ替わることにより意味も変わるので、語と語の認識がもてるようにすることが大切です。ただし、小学校の段階では、例を参考にして気付かせることが大切です。ピリオドについても、教師が「ピリオドを忘れているよ」と言うのではなく、お手本の英文を見せ、児童自身の英文と比較して気付かせるとよいでしょう。自分で気付かせることが大切です。
また、ALTと机間巡視しているのであれば、教師が指でなぞったところを児童が言えるかどうかを確認しながら回りましょう。そうすることで、どの児童に対してより支援が必要なのか把握できます。つまり、「記録に残す評価は行わないが、学習状況を確認する」ためです。また、個別で支援していくことで、単元末の発表に向けての積み重ねになります。本時では、例文を参考に色についての文を書くわけですが、ここで自己紹介の文をすべて書くとなると、児童にとっては負担です。単元を進めていくうちに少しずつ英文を書き、それが終末になるとある程度の文量になっているとすると、児童の負担も少なくて済みます。

⑩Sounds and Letters (P90)

教科書の巻末にある Sounds and Letters です。短時間の積み重ねを大切にしましょう。私は YouTube のフォニックスを児童といっしょに行ってから、Sound and Letters を行います。本時はCのフォニックスを扱い、問題に取り組みましょう。

YouTubeへのリンクが貼ってあります
音声付きのスライド

⑪ふり返り

本時のめあてからふり返りを行います。児童の感想を全体で共有し称賛しましょう。⑩の Sounds and Letters と⑪のふり返りを逆にして行ってもよいと思います。先生方の進めやすいようにアレンジして行ってください。


居村啓子

居村啓子(いむらけいこ)
拓殖大学外国語学部英米語学科教授。言語学博士。児童図書出版社、児童英語教育機関勤務、立教大学異文化コミュニケーション学部助教、上智大学言語教育研究センター嘱託講師を経て現職。2020年よりNHKラジオ「小学生の基礎英語」講師を務める。研究テーマは「子どもの第二言語習得」、「フレーゾロジー」。


本好利彰

本好利彰(もとよしとしあき)
福島県公立小学校教諭。福島県小学校・中学校・千葉県小学校教諭を歴任。また地区外国語教育推進リーダーを務める。2018年より拓殖大学外国語学部で「小学校英語教育入門」を担当。2021年東京書籍アドバイザー。 2023年より東京書籍の会員制教育情報サイト「東書Eネット」にて実践事例、指導技術などを連載中。


パワーポイント(スライド)ダウンロード

6年Unit1-2パワーポイント(52スライド)、ワークシート(2点)

パワーポイント(見本)
自己紹介カードワークシート
インフォメーション・ギャップカード

※ダウンロードデータのサンプルをご覧になりたい場合は、こちらの記事にある無料ダウンロードを参考にしてください。

ご利用料金:100円(お申込みから30日間ダウンロード可)

※購入日の翌日を1日目と数えて30日目いっぱいまでご利用いただけます。購入履歴(日時)は マイページにてご確認いただけます。
※月額制ではありません。期間終了後に自動更新して新たなお支払いが発生することはありませんのでご安心ください。
※個別の領収書発行はできません。経費請求等の帳票としては、小学館ペイメントサービスからの購入完了メール、もしくはマイページの購入履歴、クレジットカードのご利用明細等をご利用ください。
※デジタルコンテンツの性質上、ご購入後の返品・返金には対応できません。
特定商取引法に基づく表記>>

構成/浅原孝子 イラスト/畠山きょうこ・やひろきよみ・横井智美  アニメーション/鶴岡信治 歌・チャンツ/本田有紀子

学校の先生に役立つ情報を毎日配信中!

クリックして最新記事をチェック!
連載
モトヨシ先生のスライドde外国語(活動)~パワポで楽しくらくらくICT授業

授業改善の記事一覧

雑誌『教育技術』各誌は刊行終了しました