小6[B友情、信頼]友達との本当のつながりを考える授業【文部科学省教科調査官同行監修】動画・道徳科実践レポート
今回は小6の内容項目[B 友情、信頼]、 主題名「友達との本当のつながり」の授業レポートをお届けします。世の中が不安定になっている時代だからこそ、特に道徳性を養う道徳科の授業が重要視されています。今回はスペシャル企画で、特別に浅見哲也教科調査官の授業実践を動画で分かりやすく紹介します。調査官のふり返りの動画もぜひご覧ください。
授業者/文部科学省教科調査官・浅見哲也
目次
小6[B 友情、信頼]友達との本当のつながりを考える授業
主題名:友達との本当のつながり 内容項目[B 友情、信頼]
教材名:「知らない間の出来事」(文部科学省)
本時のねらい:友達関係とはどのようなつながりを大切にすればよいのかを考え、信頼し、相手のよさを認め合って、友達関係を築いていこうとする態度を育てる。
導入
1 自分用の携帯電話(以下、スマホ)に関わる経験の想起
●「自分用のスマホを持っている人はいますか?」という発問から、持っていない人の不安や不満などを聞き、自分用のスマホが手に入ったらどんなことをしてみたいかを聞くことなどを通して、学級の子供たちのスマホに関する実態を知る。
自分用のスマホを持っている人はいますか?
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展開
2 教材「知らない間の出来事」の読み聞かせを聞き、誰のどんなことが問題かを考える
●問題解決的な学習を行う。「だれの何が問題か?」からスタートし、いくつかの問題点を挙げる。そして、その問題を解決していくために何から話し合ったらよいのかを考えていく。
だれのどんなことが問題だと思いましたか?
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なぜ、みかさんはあゆみさんについて、友達にメールを送ったと思いますか?
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メールを送ったことでいじめる気持ちはあったと思いますか?
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みかさんは、何も考えずにメールを送ることがあるのでしょうか?
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みかさんから届いたメールを、友達はなぜクラスのみんなに送ったと思いますか?
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送られたメールを自分のところで止めたとしたらどのようになりますか?
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3 学習課題である「友達とのつながり」について考え、ふり返る
●教材の出来事から、問題解決の糸口をつかみ、友達とのつながりとはどういうことかを自分事として考え、ふり返り用紙に書く。
友達とつながるとはどういうことですか?
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友達のつながりで大切なことは何かを書いてください。
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終末
4 教師の説話を聞く
●校内に掲示されている「あいさつは、(あ)アイコンタクト、(い)いつでも、(さ)さきどり、(つ)つながる心」を紹介し、この学校では「心のつながり」を大切にしていることを伝える。そして、「つながる心というのはどんなことかと考えてほしい」と結ぶ。
●一緒に話したり遊んだり、一緒にやるということ自体つながっていると思う。話すときは相手の意見や自分の意見を言い合い、お互いの考えを尊重してつながれる。遊びでは一緒に楽しんだりすることで同じ感情をもち、つながることができる、分かり合えると感じる。これは心と心が分かち合い、つながることであると思う。
●携帯のメールとか電話で話すよりも、実際に会って会話したり遊んだりしたほうがよいと思った。理由は家の中で文字を打って会話するより、外で会って話すほうがいい。そして情報を送るときに、相手のことを考えて、いやな気持ちにならないようにちゃんと考えて送る。お互いの考えを尊重する。心のつながりは、分かり合えるということ。
●メールなどだったら、相手の表情が分からずに本当にこれが好きなのかと分かりにくいけれど、友達と直接話したり、遊んだりすることで表情などが分かるから友達として思いやすい。スマホを持っていなくても直接話すことで心がつながれて友達になれる。
文部科学省教科調査官・浅見哲也先生の授業実践のふり返り
<浅見先生のふり返りはこちら>
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プロフィール
浅見哲也(あさみてつや)
文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官・国立教育政策研究所教育課程研究センター教育課程調査官/1967年埼玉県生まれ。埼玉大学教育学部卒業後、1990年より埼玉県熊谷市及び深谷市内公立小学校教諭、埼玉県教育局指導主事、深谷市教育委員会指導主事、深谷市内公立学校教頭、小学校校長兼幼稚園長を経て、2017年より現職。どの立場でも道徳の授業をやり続け、今なお子供との対話を楽しむ道徳授業を追究中。
取材・文・構成/浅原孝子 撮影/北村瑞斗