【新採先生へ】自分に足りないことを気にせず、自分の強みを生かそう

新規採用の担任として過ごす毎日は、緊張感あふれるものだったと思います。日々奮闘する若手の先生方に、毎日の仕事を楽しんでいる先輩教師からのエールをお届けします。 優秀な先輩たちもかつてはみんな新採でした。周囲と比較して、自分に足りないことを気にするより、前向きな姿勢が大切です。実感のこもった温かいメッセージを経験談とともにご紹介します。
執筆/東京都公立小学校・佐々木陽子

目次
その1:自分の強みを生かす
新規採用の教員なら、新規採用者らしく胸を張って教師を楽しむことが大切です。
「私と違ってなんでこんなに指導が行き届いているのか?」「私と違って保護者との連携がうまいなあ」などと、周囲の先輩教師と比較して落ち込んだところで、何の意味もありません。
この職業、経験がものをいうところはあります。それだけ先輩たちは、とてつもない時間を子どもたちや保護者対応に注いできたのです。そこで培った対応力や指導力が今につながっています。先輩たちをお手本にしながら、自分の強みや得意なことを発揮していきましょう。
新採の先生の一番の強みは、「フレッシュな感覚」です。一方、経験を積んでくると物事の見方が固まってきて、何かトラブルが起きても、決まった解釈や、いつもと同じ対応をしてしまいがちです。その点、新採の先生なら試行錯誤しながらいろいろな角度から解決しようと試みるはずです。
何事も子どもに寄り添い、ひたむきな姿勢が大切だと思います。今ある悩みも先輩からアドバイスをもらったり、自分なりに試したりしていけば、自分に合った解決方法や指導の仕方が見つかります。これはいろいろと試みないことには分かりません。周囲と比較して焦ることなく、じっくり力を付けていきたいですね。
また、何か自分の得意なことを披露していくこともお勧めです。体育の好きな若手と組んだ時のこと。毎回、体育の学習のはじめに、鉄棒や縄跳びなどの難しい技を子どもの前でやってもらっていました。それだけで、その先生は子どもたちのヒーローでした。

ある先生は、日記を書くことが趣味で、毎日、学級だよりを発行していました。これも保護者の受けがよく、1年目にして保護者との信頼関係をしっかり深めることができました。
その他、自分には強みはないものの、子どもと毎日遊ぶことなら私にもできると言う先生がいました。休み時間は、ひたすら子どもと一緒に思いっきり外で元気に遊び続けていました。これはもう、子どもたちの超人気者でしたね。
とくに得意なことがないと思っている先生も大丈夫です。自分の強みは自分自身でつくっていけばよいのです。何事も信念を持って続けていれば、周囲はちゃんと見ています。そのことが大きな信頼や絆を深める一歩になるのです。
自分に足りないことを卑下することなく、持っている良さを発揮して、自分の強みを増やしていきましょう。