2年生につなげよう 「詩」 【小1国語 京女式書くことの指導】14
今回は、「詩」を通して、2年生につなげるための指導術を紹介します。詩の学習のときのノートの総点検をします。ていねいに文字を書くことなど、1年生の後半の時期に再度、1年生の初期で学習したことを確認することが重要です。単行本『はじめてのひらがな、カタカナ 一年生担任の京女式 国語の教育技術』(小社刊)を再編集して、1年生の国語の指導ポイントをわかりやすく紹介するシリーズです。
執筆/京都女子大学附属小学校特命副校長・吉永幸司
目次
「詩」を通して2年生につなげる
ひらがなの学習から始まり、漢字を覚え、国語の勉強はおもしろいという気持ちをもつようになるのが1年生の後半です。しかし、一方で、ていねいに書いていた初めのころと違って文字を早く書きたいという気持ちも生まれるのがこの時期です。
2年生につなげるために、文字をていねいに書く時間を設けつつ、学習内容に興味をもたせるという時間が必要です。そのためには、教材に「詩」を活用すると、音読で始まり、ノートに書き写すという活動へと広がり、さらに、感想を書くことを大事にしていくと、2年生につなげることができます。
詩の題名や作者名を正しく書くことは、国語科の授業で大事にしてきました。その効果は、学習の始まりでは落ち着いて文字を書く習慣として育っています。
ノートの点検で、次のようなことを大事にします。
事例のノート「木はいいな」では、「い」の文字に注目をします。ていねいに書いていることがわかります。しかし、教室には「きはりりな」「木は11な」のような、「い」が「り」や「11」のような形になっている子もいます。細かく、見えるところを見逃さないことが大事です。
このほかには、「べんきょう」「なって」の促音。「べんきょうを」の「を・お」を含めて、「え・へ」「わ・は」の文字を正しく書いているかどうか。さらに「。」(句点)、「、」(読点)のマス目の位置に気を付けて点検するところなどです。
学習の感想を書くことの指導では、はじめは「何の勉強をしたか」ということを確かめることです。「しのべんきょうをしました。」と書いていますから、この子は、学習全体をまとめた言葉で書いていると理解します。
この次の段階は、学習したことを書くようにします。具体的には、音読をしたことであれば、「おんどくをしました。」と書くように導きます。この他、発言したことや、好きな言葉を見つけたことなどを思い出させるような助言をして、学習をふり返る習慣を育てるようにします。
このような学習が、2年生、3年生では、何を考えたかということをふり返る基礎になります。さらに、好きな言葉、見つけた言葉など、大事な言葉に着目する力として育っていくのです。
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吉永幸司(よしながこうし)
京都女子大学附属小学校特命副校長
滋賀大学学芸学部卒業。滋賀大学教育学部附属小学校教諭(26年間)、同副校長、公立小学校校長、京都女子大学教授・同附属小学校校長。国語指導、道徳指導に長年携わる。国語教育、道徳教育の大家として定評が高く著書も多数。『教育技術ムック 考える子どもを育てる京女式ノート指導術 小学校国語』小社ほか。
構成/浅原孝子